プロのアドバイスで家計を元気に!「中古でも資産価値が上がり続けるマンションとは!?」

#くらし   

これからの暮らしのお金はどうなる? 4人のお金のプロがお金の流れを予測する「マネー予報図」。今回は経済ジャーナリストの荻原博子さんが、資産価値が上がる中古マンションについて教えてくれました!

【築41年でも、資産価値が上がり続けるマンション!?】

●中古マンションの値段が上がる理由は?

今回は中古マンションが生き返って価値が上がったという、明るいお話をしましょう。京都にある中古マンションのエピソードです。築41年で交通の便もよくない場所にあるため、京都人があまり住みたがらず、建て替えると京都の景観条例に係って建物が、以前より小さくなってしまう既存不適格物件。こんな悪条件のマンションが、売り出し価格の1.2~1.6倍の価格になっているといったら、信じられますか?

実はこのマンションの価値は、今も上がり続けています。最も大きな要因は、管理組合が周囲の土地を買いまくっていることです。京都市の西京極にある世帯数190戸のこの建物の管理は、業者への委託ではなく自主管理。阪神・淡路大震災を機に建物の将来を考え、組合規約を変更して3億5000万円の特別会計を設置。これで、周辺に売地が出たらすぐに買えるようにしました。だからといってその分管理費を値上げするのではなく、節約で3億5000万円を捻出しています。

例えば、多額の費用がかかる修繕はインターネット入札で通常かかる費用の7割程度に抑えています。また、電気もいち早く高圧一括受電で割安にし、さらにマンションを外張り断熱にして年間280万円もかかっていたものをわずか60万円にしました。もちろん、住民各戸の電気代も2割ほど安くなっています。

加えて、老朽化した給水・給湯管の工事は通常は管理組合が一括してやりますが、ここでは各戸に38万円ずつ配り5年の間でやってもらう。一度に工事をすると、各戸いろいろな事情があるので工事が長引き多額の追加資金が必要になるケースが出てきますが、各戸でやってもらえば、子どもが受験で工事どころではない家庭でも5年以内にやればいい。

●中古物件が増える今、参考になることばかり

こうしたさまざまな節約と工夫で建て替え費用を捻出し、隣接敷地を購入しました。さらにすごいのは、建て替え予定の近くの公団賃貸との等価交換で、建て替えた公団に全員で移り住み、今の敷地を公団に明け渡す予定だそうです。築41年のマンションだけに、入居者も高齢化しています。そうなると、今の建物を壊してから建て直すまで2~3年は賃貸住まい。その間に戻るのが難しくなる人も出てくるおそれがあるので、それを避けるために公団との等価交換により1回の引っ越しで新居に移れる計画にしているのです。

今後、ますます増える中古マンションですが、古くなっても絶望せず、がんばればなんとかなるという意味で、一筋の光明となるでしょう。

【今回の予報 PO INT】

1 中古マンションの老朽化は日本全国で大きな問題に

2 古くなっても管理の工夫しだいでは上手に建て替えも!

現在、中古マンションに居住中or中古マンションの購入を検討中の人には、まさに朗報ですね!

※記事の内容は2017年3月6日現在のものです。

【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】

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Information

今回のプロ:荻原博子さん
経済ジャーナリスト。雑誌、テレビなど多方面で活躍中。著書に『荻原博子のやさしい家計簿2017』(小社刊)、『隠れ貧困中流以上でも破綻する危ない家計』(朝日新書)など多数。

イラスト/平井さくら

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