日々の食事に合う!「しっとり系ワイン」のススメ その1
ワイン評論家・田中克幸氏

ボージョレ・ヌーボーも11/21に解禁になり、ワインを飲みながらの食事がますます楽しい季節になりました。

でも、いざ食事に合わせようとするとワイン選びって難しいですよね。ボルドーやブルゴーニュなど、有名産地のワインはお値段も日々楽しむにはちょっと高め…。味もインパクトが強いものが多く、ある特定の料理にはバツグンに合っても、世界の味が食卓に並ぶ日本の家庭料理と合わせるのはなかなか大変です。

そこで先日、ワイン評論家・田中克幸氏のワインセミナー「フランスワイン12産地の文化と今」に参加して、日々の食事に合うワイン選びのコツと楽しみ方をお聞きしました。

田中氏曰く、今、注目したいのは、日本の家庭料理の色々な味に対応できるワイン。それは普遍的なおいしさを持った「しっとり系ワイン」です。「しっとり系ワイン」とは、おしつけがましくなく、飽きのこないワインのこと。地元の家庭で日常的に楽しまれてきた土着品種のワインや、降水量が多かったりして、ブドウへの水分ストレスが少ない産地のワインに、しっとり系ワインが多くみられます。日本のように雨や湿気が多い国の料理には、このしっとり系ワインがとてもよく合います。確かに日本人は汁気の多い食べものが大好きですよね!日本人がおいしいと思うものは、みんなしっとりしています。

それでは日本の食卓にもよく合う、フランス12地方の、代表的な「しっとり系ワイン」をご紹介しましょう。おすすめの品種、またはワインの名前でご紹介しています。ぜひワイン選びの参考にしてください。

●ボルドー…今でこそ赤の代名詞とされるボルドーですが、1975年までは白ワインの一大産地でした。それが、イギリスへ輸出するために赤ワインを作るようになり、輸送によるワインの劣化を防ぐため、濃く、渋みの強いワインが作られるようになりました。ボルドー地方は目の前が海で舌平目漁が盛んです。この舌平目のムニエルによく合う、セミヨンという伝統のぶどう品種で白ワインが多く作られていました。ボルドーのしっとり系はこの品種「セミヨン」。「すだち」のような日本の柑橘類ともマッチしますよ。

●ブルゴーニュ…シャルドネ(白)とピノノワール(赤)が有名ですが、家庭料理に合わせるしっとり系は、白の品種「アリゴテ」。ハムや鶏の塩焼きなど、シンプルな味わいの料理とよく合います。

●ボージョレ…ボージョレ・ヌーボーでもおなじみの品種「ガメイ」。魚料理はもちろん、豚肉とも好相性。チーズなどの発酵食品や、しょうゆやこしょう、中華料理のスパイスとも合います。

●ロワール…爽やかで、丸みを持った品種「シュナンブラン」のワインがおすすめ。川魚や豚肉の脂肪分にとてもよく調和します。また、この「シュナンブラン」で造られた甘口ワイン「コトー・デュ・レイヨン」は爽やかな甘さと酸味で、甘いものが苦手な人でも、デザートワインとして楽しめます。

●ジュラ・サヴォア…スイスとの国境に近いこの地域はフランスでも雨が多いところ。そのしっとり系ワインはサヴォアの品種「モンドゥーズ」(赤)。味わいはローヌのシラー種によく似ています。濃いのですが、まろやかでしっとり。鶏肉や豚肉ともよく合います。

●アルザス…フランス領とドイツ領を繰り返したアルザスは美食の地としても有名です。この地方のしっとり系ワインは、アルザスの色々な品種をブレンドして造ったワイン「エデルツヴィッカー(ごちゃまぜという意味)」。レモンのような爽やかな酸味で、さっぱりした和食のためにあるようなワインです。

その2に続きます。【レタスクラブ編集部】