すべてマンガに描いてある(5)…激アツ青春マンガでピュアな私よ、よみがえれ!
『青空エール』河原和音著 集英社

(C)河原和音/集英社マーガレットコミックス

日々感じる喜びも悲しみも、すべてはマンガに描いてある…! マンガライター門倉紫麻が、大人のお悩み解決のヒントや知っておきたい今どき事情を、マンガを通して考察する連載です。5回目のテーマは「激アツ青春マンガ」。

そういえば最近泣いてないな、私、ピュアさを失ってる!? と思っていたら……それは『青空エール』に描いてあった!

テレビで見た、名門ブラスバンド部が甲子園で野球部を応援する姿に心奪われて、ついに入部を果たした初心者のつばさ。が、そこは予想以上の厳しい世界(ヘタな人は合奏練習に「吹きマネ」で参加とか)。めげずに奮闘するつばさを支えるのは丸刈りの同級生、野球部の大介君です。彼も甲子園という「同じ場所を目指す仲間」。

「『ピグマリオン効果』って知ってる? 自分じゃなくてもほかの誰かが信じることでも結果は出るんだって」。大介君、こんないいセリフとともに、つばさに「がんばって」といいまくります。

「がんばれ」「がんばる」。物語は、ほぼ2人のこのやり取りで進んでいくといっても過言ではありません。世の「"がんばって"は控えめに……」という風潮をなぞものともしない2人の姿を見ていると、ほんのわずかに残った自分の中のピュア成分が熱い液体となって目からあふれ出すのです!

ほかにも部活を辞めそうな先輩に戻ってもらおうと、家の前に並んでみんなでトランペットを吹く、などあざとさゼロの青春エピソードが満載です。

『弱虫ペダル』も「がんばり」でできているような作品。オタク男子高校生・小野田坂道が自転車競技に目覚めていきます。「ええか、小野田くん 全力いうのはな 汗も血も 最後の一滴まで絞り切ことや!!」。

こんなに泣けるのは年のせい……だけではないはず! じわっと泣けるマンガもいいけれど、たまにはこんな青春激アツ部活マンガで、拳を握りしめて号泣してください。がんばれつばさ! がんばれ坂道! 私もがんばるよ!!

【文中に登場する作品】

●『青空エール』河原和音著 集英社:甲子園で野球部の応援をすることを目標に、名門ブラスバンド部に入部したつばさが、へとへとになるまでがんばる姿にグッときます。野球部男子との恋も、ふんわり、というより激アツな展開です。

●『弱虫ペダル』渡辺 航著 秋田書店:「ママチャリ」で千葉からアキバに通ううち、期せずして自転車競技にぴったりの脚を手に入れたオタク男子・坂道。部活に入ったことで本気で取り組めるものと出会い、輝き出す! 先輩、同期仲間とのきずなにも、涙。

※このコラムは『レタスクラブ』2011.3.10売り号掲載に掲載されたものです。月1回、漫画コラムを掲載していきます。