もち鰹 (もちがつお) を知っていますか?
もち鰹

写真:南駿河湾漁業協同組合・御前崎魚市場

「もち鰹」とは、まさに餅のような食感の「鰹」のこと。春から初夏の風物詩です。

今日はこの「もち鰹」について、静岡県・御前崎市にある、南駿河湾漁業協同組合・御前崎魚市場の矢部さんにお聞きしました。

「もち鰹」は鰹の種類ではなく、釣られてから死後硬直が始まる前の、身がやわらかい状態の鰹のことをいいます。

食感は文字どおり、餅のようにやわらかな食感です。歯ごたえは普通の鰹ほどありませんが、つきたての餅のように、ねっとりと歯にまとわりつくような食感で、一度食べると病みつきになる人も。

場所は静岡県をはじめ、高知県、和歌山県、三重県、千葉県など、太平洋沿岸区域の中で、帰港するまで3~5時間位の漁場で釣られた鰹です。氷や極度の冷水で冷やすと身がしまって固くなり「もち鰹」の食感にはなりません。そのため、氷などで冷やさなくても鮮度を保てる状態で水揚げされた港にある、地元のス-パ-や飲食店に出回ることがほとんどです。値段は高い時にはkgあたり2000円~3000円の高値がつきます。

旬の期間は年によって異なりますが、御前崎ではだいたい5月~7月頃によく水揚されます。

おすすめの食べ方としては刺身が圧倒的に多いのですが、表面のみを焼いた「かつおのたたき」なども。青ネギや生姜をのせて食べる人もいます。また、新しいため、皮も柔らかく、皮つきを好んで食べられる人もいます。


鰹は県外や遠方に出荷するときは氷で低温保存されるため、「もち鰹」が食べられるのは、鰹が揚がるこれらの地元のみとのことです。

これだけ物流が発達した社会になっても、その土地でしか食べられないものがあるというのは、日本の豊かさと、食に関するこだわりが感じられますね。旬の時期には地元の居酒屋さんでも「もち鰹入荷!」とメニューに書かれるようです。もし「もち鰹」を見つけたら、ぜひ味わってみてください!【レタスクラブ編集部】

取材協力/写真提供:南駿河湾漁業協同組合 御前崎魚市場