料理がおいしくなって、体にも効く「酢」ってスゴイ!
甘酢トマト

調理:坂田阿希子 撮影:吉田篤史

「酢」ってスゴイんです!料理がおいしくなるだけでなく、体にも効くほか、キッチンや調理の困った!も解決してくれますよ!

●料理をおいしくしてくれます…酸味をつけるだけでなく、味をまろやかにしたり、素材をやわらかくします。

・カレーの仕上げに加えてひと煮立ちさせると、酸味はほとんど飛んで、コクが加わります。スパイスの香りも引き立ち、まろやかなのに香り高い味わいになります。1人分が大さじ1/2杯程度を目安にして加えてください。

・ハンバーグなどのひき肉料理で肉だねを練るときに酢を加えると、肉がいたみにくくなり、さらに焼いたときにふっくらしてジューシーに。2人分で大さじ1/2杯を目安に加えてください。

・ゆで卵をゆでるときに、お湯に酢を少し加えてゆでると、途中で殻にひびが入って白身が流れ出ても、すぐに固まるので安心です。

・ゴーヤーを炒めるときは、酢を少し加えると、苦みがやわらぎます。

・肉や魚、昆布などを煮るときに酢を少し入れると、やわらかく仕上がります。

●野菜の変色を防ぎます!

・ごぼう、れんこん、うどなどを酢水につけると、色の変化を止めることができます。酢水の割合は、水2カップに酢小さじ1が目安です。アクによって、切り口が褐色に変わるのを防ぎ、色を白く保つ働きがあります。また、れんこんは白く仕上げるほか、粘りの原因であるムチン質という成分が、酢によって変化し、歯切れがよくなる効果もあります。

●里芋や長いもを調理するときに

里芋や長いもの皮をむくときに、あらかじめ酢水に手をつけておいて調理するとかゆくなるのを防げます。かゆくなったあとで酢水で洗っても、かゆみがとれます。

●防腐効果も…食酢の主成分である 酢酸には細菌の増殖を抑える防腐効果があります。

・米1合につき酢小さじ1を加えて炊くと、酢の殺菌効果でご飯がいたみにくくなります。お弁当にもおすすめです(炊飯器の釜の種類によっては酢が適さない場合もあるので、取扱説明書を確認してから加えてください)。

・魚を調理したあとのまな板の生臭さがとれないときは、水で3倍ほどに薄めた酢をかけてしばらくおいておくと、においが気にならなくなりますよ。そのあと、洗剤で洗って下さい。

●酢でヘルシー

酢には塩味を引き立たせる働きがあり、塩分を少なめにする代わりに食酢を加えることでおいしく仕上がります。

●酢で疲労回復&食欲増進

・運動をしたあとはエネルギー不足の状態になっています。「疲れた」と感じるのはこのためです。 こんな時、人は飲んだり食べたりしてエネルギーを補給しますが、酢を一緒に摂ると酢成分の酢酸がエネルギー源を効率的に体内に再補充して疲労回復のお手伝いをします。

・酢の持つさわやかな酸味が嗅覚と味覚を刺激して、唾液や胃液の分泌を促し食欲を増進させます。

◆酢の歴史

酢は、はるか昔、酒に「酢酸菌」が付着し発酵することで、偶然にできたものといわれています。その起源は古く、紀元前5000年頃の古代バビロニア人は干しぶどうやナツメヤシを利用してお酢を造っていたといわれており、「旧約聖書」の中にもお酢で造った飲み物の話があります。酢は、昔から「体にいいもの」と各地で伝えられ、ギリシャの学者ヒポクラテスは、病みあがりの病人にお酢を摂るように勧めていました。また、中国でも周の時代には、漢方薬としてその効能が認められていたそうです。

日本で食酢が造られるようになったのは、4~5世紀ごろ。中国から酒を造る技術とともに米酢の醸造技術が伝えられ、和泉の国(今の大阪府の南部)で造られるようになったのが始まりとされています。昔、食酢は朝廷や貴族専用のもので、庶民には手の届かない贅沢品でした。食酢が調味料として一般に広まったのは江戸時代に入ってからといわれています。

●「すっぱいお酒」が語源です

酢を英語でビネガー(Vinegar)と言いますが、その語源はフランス語のvinaigre(ビネーグル)。vin(ぶどう酒)+aigre(すっぱい)から来た言葉です。つまり、食酢とはお酒がすっぱくなったもの、という意味。食酢の由来がよく分かる語源ですね。

下のレシピを参考に、酢を上手に活用して、夏を元気にすごしてください!【レタスクラブ】

取材協力:全国食酢協会中央会 全国食酢公正取引協議会