すべてマンガに描いてある(12)…”ファン心”があれば、毎日はもっと楽しい!
『ZUCCA×ZUCA』 (c)はるな檸檬著/講談社

忙しい毎日にぽっかりできた1人の時間。「何か楽しいことないかな?」と思っていたら、『ZUCCA×ZUCA』に描いてあった!

宝塚が大好きな女の子たち=ヅカオタの毎日をつづった作品。学生、OL、主婦、老婦人、立場は違えどその熱量は皆一様。ある女性は宝塚の本拠地・兵庫に何度も遠征しすぎて恋人から浮気を疑われ(しかも「否定はできんな」と自覚)、ある女性は娘の保育園の組分けが雪・星・月・月・花・宙と宝塚と同じだったことで、園長が同志だと知りガッツポーズ。

舞台を見に行き、DVDを鑑賞し、同志と語り合い(その合間にもちろん家事や仕事をして)、「いちにち60時間くらいほしい!!」ほどにヅカオタの毎日は忙しく、楽しい。「幸せすぎてこわい」。彼女たちは何度もこうつぶやきます。スポーツや習い事のように、自分が何かをするのももちろん楽しいですが、誰かをすてきだと思い、本気で応援する”ファン心”も、こんなにも毎日を幸せにしてくれるのだなと、気づかせてくれます。

『ランダバウト』の女子中学生マコトは、大ファンのマンガ家の「体鍛えたい」という弱気な発言を聞きつけ、美容院代にと貯めていた全財産で「プロテイン」を購入し、プレゼントします。自分は美容院に行けず、姉に「お椀」ヘアに切られてもへっちゃら!

大好きなものに全力投球して過ごしているマコトやヅカオタの彼女たちは、とてもキュートでキラキラと輝いています。作家・よしもとばななさんの名言「もてる人とは『自足』している人である。」を思い出します。「何か楽しいことない?」と聞いてくる人より「こんな楽しいことがあったの」と話す人のほうが魅力的ですもんね。自分の中に眠っている“ファン心”、起こしてみませんか?

【文中に登場する作品】

●『ZUCCA×ZUCA』はるな檸檬著/講談社:キュートな絵柄で、ヅカオタたちが各所で送るヅカライフを描く1ページ完結の爆笑エッセイ風マンガ。客観的な視点が保たれているので誰が読んでも楽しめます。心底幸せそうな彼女たちを見ているだけで、こちも元気になるのが不思議! 全編フルカラーです。

●『ランダバウト』渡辺ペコ著/集英社:成長期真っただ中の中学生たちが友達とケンカし、創作ダンスをし、恋をして……大人には何でもないことでも、重大事件だったあのころが鮮明によみがえります。ちなみにマコトの姉は、格闘技選手にハマります(さすが姉妹!)。

※このコラムは『レタスクラブ』2011.10.10売り号掲載に掲載されたものです。月1回、漫画コラムを掲載していきます。