すべてマンガに描いてある(18)…春だから、フレッシュな恋気分!
『アオハライド』 (c)咲坂伊緒/集英社マーガレットコミックス

春本番、何となく気持ちも浮き立ってきて恋する気分が味わいたいな……と思っていたら『アオハライド』に描いてあった!

中学時代の初恋の人・洸(こう)と高校で再会した双葉。でも小さくてかわいらしかった洸は、背が高くてイジワルな、別の男の子になっていて……。なのに、神社で雨宿りしている時に「カゼひく それでふきなよ」って体操服を渡してくれたり、明けゆく空を見ながら「冷えるからそれ着とけ」ってぶかぶかのパーカをかぶせてきたり、シャンプーの匂いをほめたり(もっといい匂いのシャンプーに変えちゃう双葉!)……定番と分かっていても、女子がみんな大好きな"冷たそうで実はやさしい"洸の行動に、胸がきゅんとしっぱなし! 「好きになっちゃうに決まってるでしょうがー!」と思わず叫んでしまうこと必至です。

一方『溺れるナイフ』では、胸がきゅん、というよりも胸が痛くなる恋が描かれます。田舎で暮らすことになった美少女モデルの夏芽と、村に君臨するように特別な輝きを放つ少年・コウ。互いに「特別」な存在として恋に落ちる二人。10代なのに、いや10代だからこそ、「この人しかいない」と息苦しいほどに全身全霊を傾けて恋をする……。これもまた恋のひとつの姿だと、読んでいて圧倒されます。

2作品とも10も20も年下の女の子たちのお話なのに、「懐かしいな」とか「若いなあ」という過去を見る気持ちではなく、「そうだよね、分かる!」という今の気持ちがどんどん湧いてきます。

そう、なくしたと思っていたフレッシュな恋心は、胸の奥に眠っていただけなんです! この春は、マンガを読んで恋する気持ちを浮上させましょう!

【文中に登場する作品】

●『アオハライド』咲坂伊緒著/集英社 青春(アオハル)+ride(乗る)というタイトル通り、青春まっただ中の高校生たちの恋のお話。女友だちの前でわざと女子力低くふるまったり、友だちと同じ人を好きになったり、きちんと本音をぶつけあったり……と女の友情ものとしてもぐっときます。

●『溺れるナイフ』ジョージ朝倉著/講談社 田舎に転校してきた美少女モデルの夏芽は、地元のカリスマ的な少年・コウと恋に落ちるが、ある事件で二人の関係は変わってしまい……。ひりひりとした緊張感漂う真剣勝負の恋に巻き込まれるように、読み手の心もかき乱されます!

※このコラムは『レタスクラブ』2012.4.10売り号掲載に掲載されたものです。月1回、漫画コラムを掲載していきます。