すべてマンガに描いてある(19)…「宇宙ブーム」に乗ってこう!
『宇宙兄弟』小山宙哉著/講談社 (c)小山宙哉/講談社

「はやぶさ」の帰還以来、なんだか宇宙ブームの兆し!? でも宇宙って難しそう、と思っていたら……『宇宙兄弟』に描いてあった!

子どもの頃からの夢・宇宙飛行士を目指す兄弟、ムッタとヒビトのお話。弟ヒビトはイケメンで優秀ですが、かなりヤンチャ(月面に降り立ったときの感想が「カラダ軽りっ!」)。そして兄ムッタは、会社をクビになってから宇宙飛行士を目指す、というちょっとダメな愛すべきキャラクター。自分の先を行く弟への強いコンプレックスとそれを上回る深い愛情が彼を宇宙へと向かわせます。この2人以外にも、大食漢の元女性医師・せりかなど宇宙飛行士の「品行方正」なイメージを壊す、生身の人間揃いで宇宙飛行士が身近な存在に。一方で、綿密な取材(野口聡一宇宙飛行士が取材協力!)に基づく宇宙飛行士選抜や訓練の描写は、リアルなうえに超熱い! 宇宙飛行士も、支える人も、全員が自分の場所でベストを尽くそうとする姿にぐっときます。「世の中には”絶対”はないかもな/でもダイジョブ/俺ん中にあるから」(BYヒビト)など名言も頻出!

でもリアルな宇宙ものはやっぱりハードルが高いな……という人は『宇宙屋台へおいでませ』を。宇宙の片隅にある屋台を訪れる宇宙人たちの会話(主に仕事のグチと失恋話)をのぞき見できます! 宇宙ものなのに「SF」じゃなくて「メルヘン」なほのぼのコメディー。宇宙生活が当り前の日常な感じもいいんです。でも星の地面に直接、巨大なコンセントを差して屋台の電源を確保していたり、時々斬新な表現が!

マンガでウォーミングアップして、宇宙ブームにひょいっと乗っかり楽しんでしまいましょう!

【文中に登場する作品】

●『宇宙兄弟』小山宙哉著/講談社 小栗旬&岡田将生主演の実写映画もヒットした、話題の宇宙マンガ。宇宙に興味がない人も、泥くさくがんばるムッタを応援したくなること間違いなし! ムッタはまだ宇宙に行っていないので、今から読んで追いつけば「その時」の感動を一緒に味わえます。

●『宇宙屋台へおいでませ』うつろあきこ著/小学館 舞台は銀河を旅する者たちが立ち寄る、美人おかみのいる宇宙屋台。宇宙風に乗って、フワフワと宇宙を旅するワタゲ星のビジネスマンなど、かわいらしい宇宙人たちに和みます。「宇宙のり」「星イモ煮」なんて居酒屋メニューも気になる!

※このコラムは『レタスクラブ』2012.5.10売り号掲載に掲載されたものです。月1回、漫画コラムを掲載していきます。