すべてマンガに描いてある(22)…オリンピックの応援に、 気合を注入!
『アゲイン!!』 (c)久保ミツロウ/講談社

ロンドンオリンピックまっただ中!(発売日の2012.8.10当時) もっともっと盛り上がりたいと思っていたら……『アゲイン!!』に描いてあった!

舞台は高校の応援団。なんと団長は、学ランに身を包んだ女の子です。一人、全力で声を張り上げる団長の姿の、りりしく、美しいこと! その真剣ぶりは大人としては涙が出るほどぐっとくるものですが、当の高校生にとっては「うざい」だけ。敬遠され、やがて団員はゼロに。そこに三年後の世界からタイムスリップしてきた主人公が現れ、応援団復活の手助けを開始します。

野球の応援で、団長が声を張り上げると、団員が団長を励ますように声を出し、呼応するように応援席の人々も声をあげ、球場が熱い空気で満たされる……。元団員が記憶で語った、かつての美しい光景に胸が熱くなり、その光景を取り戻せるように主人公と一緒に団長を応援したくてたまらなくなってきます。

サッカーマンガ『ジャイアントキリング』では監督、選手だけでなく、サポーターの姿もクローズアップされます。サポーター同士の軋轢、監督に対する不満なども描かれますが、思いは一つ、チームの勝利! シュートに失敗し落ち込む選手に「まだ時間は十分にあるぞ」と声を張り上げると、選手も「サポーターも俺なんかを一生懸命応援してくれているじゃないか(中略)絶対に勝つんだ……!」と再び闘志に火がつきます。

この2作を読んでいると、応援は、決してスポーツの添え物ではない、と改めて思わされます。本気の応援は、きっと選手に届く! 

時差で眠いなんて気持ちはしまって、気合いを入れて今日もテレビの前に座りましょう!

【文中に登場する作品】

●『アゲイン!!』久保ミツロウ著 講談社:同級生からは疎まれ無気力に過ごした高校の卒業式で、3年前の入学式にタイムスリップした今村。かつて新入生歓迎エールで心を奪われた応援団長を助けるため、高校生活をやり直すことに! 『モテキ』の著者らしい思春期の葛藤の描き方に共感すること必至です。

●『ジャイアントキリング』ツジトモ著 原案・取材協力/綱本将也 講談社:舞台は浅草のサッカークラブ・ETU。35歳の若手監督・タツミを中心に、フロント、サポーター、マスコミらサッカーに関わる人全てを丁寧に描く。応援がこんなにも試合に影響を与えることがあるんだ……と実感できます。

※このコラムは『レタスクラブ』2012.8.10売り号に掲載されたものです。月1回、漫画コラムを掲載していきます。