水ぼうそう経験者は注意!「帯状疱疹」

#美容・健康   

身近な皮膚疾患の一つである、帯状疱疹(ほうしん)。「帯状疱疹は、痛みを伴う赤い発疹が現われる疾患です。原因はヘルペスウイルスの一種である、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによるものです」と、四谷三丁目皮膚科院長の山田美奈先生。

【発疹の原因は水ぼうそうウイルス】

これは水ぼうそうの原因でもあるウイルスで、「初めて感染したときは、水ぼうそうとして発症します。治ったあともウイルスは潜伏感染をして体内の神経節に残っているのです。そして、過労やストレスなどにより体の抵抗力や免疫力が低下したときに、ウイルスが活発化し、発疹が出るのです。50~70代に多い病気ですが、若い人が発症することも珍しくありません」。

では、帯状疱疹の特徴的な症状とは? 「チクチク、ピリピリといった神経痛のような痛みが先行することが多く、違和感のある部分に次第に赤い発疹ができていきます。発疹は体の左右どちらか片側の神経に沿って、その名のとおり帯状に現われるのが特徴。その多くは胸や背中といった上半身に見られますが、頭部や顔面、おなかまわり、下半身など、体のどこにでも発症する可能性があります。発疹はやがて、中央がへこんだような水疱になり、破れてかさぶたになります」。

【重症化すると合併症の心配も】

帯状疱疹は、水ぼうそうにかかったことがあれば誰でも発症する可能性がある。軽度であれば、自然治癒することもあるが、発症する場所や症状により、合併症の危険性も。「顔面にできた帯状疱疹が原因で、顔面まひや角膜の炎症、難聴を引き起こしたり、重篤になると髄膜炎を発症することもあります。また、発疹が瘢痕(はんこん=あと)になったり、皮膚症状が治っても神経痛が残ったりすることもあるため、重症化する前に早めに治療をしましょう」。

治療は、ウイルスの増殖を抑える薬の服用が一般的。「抗ウイルス薬を服用して、およそ2~3週間ほどで症状が治まることが多いでしょう。早く服用するほど効果が出やすいので、症状が現われたら速やかに病院へ。また抵抗力の落ちた高齢者の場合、症状が重症化しやすいので、予防のために50代以上への水ぼうそうワクチンの接種が推奨されています」。

帯状疱疹は、体の免疫力が低下したときに現われるため、生活習慣の改善も必要。「特にこれからの季節は、気温の変化のせいで体が疲労しやすく、睡眠の質も低下しやすいため、帯状疱疹の発症が増える時期です。バランスのいい食事を心がけ、疲れをためないように工夫することが大事です」。

【帯状疱疹の予防よ発症時の注意点】帯状疱疹の予防や発症したときに気をつけたい、注意点を紹介。

●患部をガーゼなどで覆い、感染を防ぐ/帯状疱疹の水疱の中にはウイルスが含まれており、水ぼうそうにかかったことのない人が患部に触れると接触感染を起こすことがある。感染を予防するためにも、患部をガーゼや包帯などで覆い、他人との接触を避けよう。

●患部を温めて、痛みを和らげる/神経の痛みを伴うため、患部を冷やすと痛みがひどくなることがある。痛みを緩和するためには、温めて血行をよくすることが有効。水疱が潰れていなければ、入浴で体を温めるのもいいだろう。皮膚がただれてしまっているときは、シャワーなどですませて。カイロや温湿布薬はかぶれややけどに注意して使用を。

●旬の食材でエネルギーをチャージ/充分に栄養をとることも、予防、改善の大切なポイント。抗酸化作用を持つビタミンA、C、Eや、ポリフェノールの摂取がオススメ。うなぎ、ゴーヤー、モロヘイヤ、トマト、パプリカといった夏が旬の食べ物はこれらの栄養素を含んでいるので、積極的にとろう。

この夏遊び過ぎて、ちょっとお疲れぎみ……という水ぼうそう経験者は、食事や生活を見直して、ウイルスに負けない元気な体をつくろう。【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】

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Information

教えてくれたのは:山田美奈先生
四谷三丁目皮膚科院長。専門は皮膚科。シミのレーザー治療やケミカルピーリングなどの美容医療から、皮膚疾患治療まで幅広い診療に携わる。

イラスト=林ユミ 編集協力=彦田恵理子

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