夫に先立たれた時、妻の厚生年金はどうなるか知ってる?

#くらし   
 遺族厚生年金は3種類の中から一番多い金額を受け取ることができる


先に夫が死んだら妻の年金はどうなるのか。これは、老後を不安に思う女性にとって一番の関心事かもしれない。

簡単に説明すると、夫が自営業者などで厚生年金に未加入だった場合等を除けば、基本的に、厚生年金に加入(一定期間が必要)していた夫に先立たれた妻は「遺族厚生年金」を受け取ることができる。もちろん、夫の年金加入期間や子供の有無、死亡時の家族の年齢等で受け取る年金の種類や額は異なるが、ともあれ、夫がいつ死んでも「もれなくいただける」ように日本の厚生年金制度はなっているのだ。

問題は、老後生活になって、妻も老齢厚生年金を受給しているケース。たとえば、夫が老齢厚生年金を月に10万円もらっていて、妻も老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金を1.5万円もらっていたとしよう。その場合、

(1)夫の老齢厚生年金額10万円の75%(つまり7.5万円)から、妻の老齢厚生年金額1.5万円を引いた額「6万円」を上乗せした金額を妻は受け取ることができる。

(2)夫と妻の老齢厚生年金のそれぞれ50%を足した金額(つまり5.75万円)から、妻の老齢厚生年金額1.5万円を引いた額「4.25万円」を上乗せした金額を妻は受け取ることができる。

(3)妻の老齢厚生年金のみを受け取る(遺族厚生年金は受け取らない)。

以上、3つの受け取り方があるのだ。厚生年金制度は、この中でもっとも多い額を受給できる仕組みになっている。いずれのケースの受給額が多くなるかは妻の老齢厚生年金の受給額によって変わってくるので、心配であれば、事前に年金事務所で確認をしよう。

さて、ここにあげたのは「夫に先立たれた妻の厚生年金」についての話だが、初めて知ったという読者がほとんどではないだろうか。そう、人は誰でも歳を取り、定年を迎えてからは収入も生活も大きく変わっていく。そんな定年後の世界を、事前にシミュレートして備えるための本が、『定年一年生の教科書』シリーズ(55+ライフデザイン室/KADOKAWA)。初のシニアのための実用コミックエッセイとして、「知らないと大変!定年後のお金の知識」編と、「一生使える!生活見直し術」編の2冊が9月に同時発売された。

主人公は、中堅食品メーカーに勤める、50代の別府耕一さんと妻の里子さん。大学生の祐一君との三人家族。どこにでもある平均的なサラリーマン世帯だ。『定年一年生の教科書』シリーズは、この別府家に起こる様々な出来事をマンガで読み進めていくうちに、老後の世界を生き抜くための知恵がわかりやすく身につくガイドブックとなっている。そして、この本は、定年を意識し始めた「夫」はもちろん、できれば「妻」にこそ読んでもらいたいシリーズなのだ。なぜなら、妻こそが定年後の知恵を知っておかなければ、老後のための準備は遅々として進まないからだ。

「下流老人」「老後破産」という言葉はよく耳にするようになったけれど、私たちは大丈夫、などと考えていたら、それは大きな間違いかも? 来るべき老後に備えて早めの準備をしておくべきだろう。【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】

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