大人だけでなく、小中学生の子どもにも多い「巻き爪」予防法

#美容・健康   

日本人の約1割が悩まされているといわれている“巻き爪”。見た目が悪いだけでなく、症状が進行すると強い痛みを伴い、体のバランスの乱れにもつながります。

■圧迫により足の爪が変形して痛みが

巻き爪とは、主に足の親指の爪が丸まって爪が肉に食い込み、強い痛みや炎症を起こす症状のこと。また、巻き爪で悩む人の多くは女性だといいます。「足の爪は圧迫に弱いという特徴があります。デザインを優先して、足に合わない先の詰まった靴を履き続けたり、足先に体重がかかるヒールの高い靴を履いたりすることが大きな原因。大した圧迫ではないと思いがちな、ストッキングやタイツも、足先を長時間締めつけているので要注意です。最近流行の着圧の強いタイツや靴下を履く場合は、足先を圧迫しない形のものを」と、野田弘二郎先生。

逆に圧迫感がないと思いがちな、サイズの大きすぎる靴も、足が前方に滑って足先に大きな負担がかかるので、爪の変形につながるのだそう。

それが原因で、小・中学生の子どもにも巻き爪の症状は多く見られるといいます。

「成長期の子どもは、体の変化が早く足のサイズもすぐ大きくなります。そのため、親が大きめの靴を買い与えたり、逆に小さい靴を無理して履いていることに気づかない場合も。サイズが足に合っているかどうかを、こまめにチェックしてあげましょう。適切なサイズの靴にすぐに買い替えられないとき、大きい靴の場合は厚手の靴下やインソールで調整を。靴下は伸縮による圧迫の少ない綿素材がおすすめです」

巻き爪は、痛みを伴う場合とそうでない場合があり、痛みがないからといって、巻き爪でないとは限りません。「巻き爪傾向の人で、これまで痛みのなかった人でも、突然痛みを発症することがあります。それは大抵、爪を切ったあと。変形した部分を気にして爪を深く切ることで、その後爪が伸びる過程で肉に食い込んで炎症を起こす『陥入爪』(かんにゅうそう)という状態になりやすいのです。巻き爪を悪化させないためには、爪の切り方に注意をすることと、適切な長さを保つことが大切。爪の白い部分を1mm程度残して切りましょう」

■巻き爪巻き爪を予防し、悪化させない足の爪の切り方

(1)刃のカーブが緩やかな大ぶりの爪切りを選ぶ

小ぶりの爪切りは、刃のカーブがきつく、スクエア形に切るのが難しいため、足用には大ぶりの爪切りを選びましょう。切れ味が悪いと爪を傷めやすいので、1年に1度ほどのペースで買い替えて。

(2)スクエア形にカット

爪の先端がほぼまっすぐで、両サイドに丸みのある角をつめた「スクエア形」がベスト。角があることで、指先に体重がかかっても、爪が肉に食い込みにくくなります。長さは真横から見たときに、指先から飛び出さない程度に。ぐるりと爪の形に沿って、円を深く切るのはNG。

(3)お風呂上がりに切る

かたい足の爪を爪切りで切ると、亀裂が入ったり、角がとげのように残りやすくなります。爪を切るならお風呂上がりに。爪が水分を含んでやわらかくなり、傷めることなく切ることができます。

■歩行が不安定になり腰やひざに負担がかかる

痛みがあるときは早めに治療を。我慢すると、思わぬ弊害が起こることも。

「痛みのある部分をかばって歩くと、足元が不安定になって不自然な歩き方に。その結果、腰から下の関節に大きな負担がかかり、腰やひざ、足首を痛めてしまうことがあります」

巻き爪の痛みを解消したいからといって、自己処置は禁物。放っておいても自然に治ることはありません。

「これまでは、皮膚に食い込んだ爪を取り除く外科手術が一般的でしたが、治療に伴う痛みがネックでした。最近では、ワイヤを用いて爪を広げ、まっすぐの状態に戻す、という痛みのない治療も広まっています。この方法は自費診療ですが、通常の生活を送りながら治療できるのがメリットです」

症状が悪化する前に、病院できちんと診察してもらい、適切な治療法を相談していきましょう。【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】

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Information

教えてくれたのは、野田弘二郎先生
神楽坂 肌と爪のクリニック院長。久留米大学医学部卒業。専門は形成外科。国内外でキャリアを積み、広い経験で得た痛くない巻き爪の治療、美容医療、皮膚創傷治療に定評がある。メディア出演も多数。

イラスト/カモ 編集協力/彦田恵理子

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