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食材事典

あさり
撮影:貝塚 隆

あさり・はまぐり

日本でいちばんなじみの深い貝、あさり。全国の、比較的塩分の少ない内湾の砂浜や砂泥地に住んでいます。4〜6月に産卵期を迎えますが、この直前が、身が太り、うまみ成分のコハク酸も増えて、一段とおいしさがアップします。
はまぐりも、うまみ成分が豊富。そのうまみを生かした潮(うしお)汁は、ひな祭りに欠かせない1品です。2月ごろから春先にかけてうまみ成分が増し、ますますおいしくなります。現在、日本で流通しているものは、輸入品の“しなはまぐり”がほとんど。輸入後、日本の近海に放流し、蓄養してから出荷されるものが多くなっています。

選び方
あさり、はまぐりともに貝殻の口をかたく閉じているもの、殻の表面につやがあるものが新鮮です。また、模様はいろいろですが、鮮明なものが若い貝で、良品といわれます。
あさりはむき身になっているものも出回ります。むき身の場合は身に張りがある、透明感のあるものが新鮮です。はまぐりは、貝どうしをぶつけたとき、金属製の澄んだ音のするものを選んで。
出回り期


■ 最盛期
■ 出回り期
あさりも、はまぐりも、年間を通じて出回りますが、あさりは、3〜6月、はまぐりは2〜3月が旬。
栄養

あさりもはまぐりも、含有量に多少の差はありますが、含まれる成分はほぼ同じ。良質なたんぱく質を含むほか、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などのふだん不足しがちなミネラルが豊富です。
また、疲労回復に効果のあるタウリンを含むのも特徴。タウリンは水に溶けやすいので、汁ごと食べられる料理法がおすすめです。
あさりは特に、卵やレバーに多い、貧血に有効なビタミンB12を多く含みますが、卵やレバーと違って、コレステロールを気にせず食べられます。
ここがポイント 〜あさり・はまぐり〜
Point1●基本の扱い方
砂抜き
あさりとはまぐりは塩水につけて砂を抜きます。砂をよく吐かせるためには、あさりが住んでいた浅瀬の海岸のような環境におくのがベスト。
1)塩水量は、バットに貝を入れて、貝がひたるくらいにし、1〜2時間ひたします。塩水の濃さは、水1カップに対して塩小さじ1(海水程度で塩分2〜3%)が目安。塩水が濃すぎると貝は呼吸できないので注意して。また、水が冷たすぎると口を閉ざしてしまいます。水の温度は常温(約15℃)で。
2)暗くて静かな場所で活発に呼吸するので、アルミホイルや新聞をかぶせると効果的です。
こすり洗い
貝の殻は、予想以上に汚れています。殻ごと調理する料理が多いので、きれいに洗いましょう。ボウルに水を張って、ひとつかみずつ、両手で殻と殻をこすり合わせてしっかり洗い、流水でよくすすぎます。
むき身の場合
むき身は、身をつぶさないように、薄い塩水を張ったボウルに入れ、そっとふり洗いをし、殻などが混ざっていれば、除きます。塩水は、水につけられていたむき身の、余分な水をきる効果もあります。
Point2●汁ものは…
うまみを引き出すなら水から火にかけて
あさりもはまぐりも、うまみを充分に引き出したい汁ものなどでは、水から入れて火にかけると、よくだしが出ます。
また、だし昆布を加えると、うまみ成分の相乗効果でいっそうおいしくなります。
湯が煮立ったところに入れたり、煮すぎたりすると、身がかたくなってしまうので注意。
アクを取る
うまみたっぷりの貝は、だしがよく出ると同時に、アクもたくさん出ます。沸騰してアクが出たら、小さいアクすくいを使い、手早くしっかり除いて、調理します。

※食材の出回り時期は、あくまでも目安です。表示されていない時期でも出回っているものも多くあります。また、地域によっても差異がありますので予めご了承ください。