オンライン授業と対面授業、子どもが伸びるのはどっち?【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て   

Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第40回目のお悩みはこちら。

オンライン授業と対面授業、子どもが伸びるのはどっち?【小川大介先生の子育てよろず相談室】


【お悩み】


小6の娘は中学受験の塾に通っているのですが、昨今のコロナの影響により、ZOOMによるオンライン授業か通常の対面授業かのどちらかを選べるようになりました。そこで娘に希望を聞いたところ、「ZOOMがいい」というので、ZOOM授業を選択しました。

ところが、娘のクラスでは10名中ZOOMを選択したのは娘ただ一人。やはり対面のほうが良かったのかなという気持ちがある反面、通学のため電車に乗らないぶん安心だし、時間的にも余裕ができるというメリットも感じています。ただ、授業を受けている様子をチラッと覗いてみたところ、飲み物を飲みながら、イスにあぐらをかいて座っていて、勉強する姿勢とはほど遠い状況…。

今のところZOOM授業に切り替えたことによる成績の落ち込みはなく、逆に復習の時間がとれるようになったことで、少しですが成績は上向きになってきました。このままZOOMで続けるべきなのか、もっと授業に集中できそうな対面に戻すべきか迷っています。オンラインと対面授業では、子どもの学力の伸び方に違いはあるのでしょうか?(A.Sさん・45歳)

【小川先生の回答】


マイペースな子ほどオンラインで伸びる


オンライン授業と集団の対面授業のどちらのほうが、学力が伸びるかというのは、一概には言えません。そのお子さんのタイプによります。実際コロナ禍で、多くの学校や塾がZOOMや動画配信によるオンライン授業を取り入れるようになりましたが、オンライン授業のほうが学力が上がっているというお子さんもたくさんいらっしゃいます。

どちらかというと、マイペースで大人しいタイプの子はオンライン向きのようです。教室内で自分から質問をあまり発せないタイプの子にとっては、画面越しであれ先生と疑似的に1対1で習えるオンラインのほうが、わかりやすく、ストレスもないのでしょう。

逆に、周りの雰囲気にノリながらやっているような子の場合、オンラインでは集中力が思うように続かないという悩みもよく聞きます。ですから、まずはお子さんがZOOMの授業でどんな様子かをよく観察してみてください。飲みながら勉強するくらいは、別に問題ないと思いますよ。それよりも、通塾していないことで何か勉強に不都合を感じていないかどうか、お子さんに聞いてみましょう。

おそらく本人がZOOMを希望されていて、成績も上がっているようなので、お子さんにはZOOM授業のスタイルが合っているのではないかと思われます。他の子たちが皆通っているから通わせるという選択ではなく、お子さんに合ったスタイルで、マイペースに理解を深めることを大事にしてあげたほうが、伸びると思います。

“授業前の15分”でオンライン授業の成果に差がつく


コロナ以降、オンラインによる授業スタイルが急速に普及したことにより、それに伴う学力の低下を不安に感じている親御さんも多くいらっしゃるようです。現在は多くの学校や塾が再開されましたが、またいつ休校措置がとられるか予断を許さない状況ですし、実際に公立の小学校でも、有事に備えてオンライン設備を拡充していく動きがみられます。

これからの時代は、“上手なオンライン授業の受け方”というのも、スキルとして身につけておいたほうがいいといえるでしょう。オンライン授業を受ける際にもっとも気をつけたいのは、“受け身”の姿勢にならないこと。先生の目線や声が直接届く対面授業と比べ、画面を通した声というのは、やはり自分だけに届いてくるものではないので、受ける側がしっかり理解しようと思って臨まないと、なかなか頭に入って来づらいものです。

そこでオススメするのが、授業前に15分予習をすること。教科書をパラパラっと見ておいて、「こういうことをやるんだな」とか「ここは難しそう」など、これからどんなことを勉強するのか確認したうえで授業に参加すると、先生が説明するポイントもわかりやすくなります。また、オンライン授業は家で生活の延長のままで行うため、勉強モードに入るのが難しいのですが、15分予習することで、自然と勉強モードに切り替えることができます。このように、オンライン授業で学力を伸ばすには、授業前の準備を大切にするといいですよ。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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