息子のお喋りが授業妨害級。どうしたらやめさせられる?【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て   

Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第54回目のお悩みはこちら。

息子のお喋りが授業妨害級。どうしたらやめさせられる?

【お悩み】


小4の息子の塾での授業態度に困っています。先日塾の先生から連絡があり、国語の授業中ずっと喋っているので、お母さんからも話をして欲しいと言われました。授業中に関係ない雑学を披露し始めたり、先生の言ったことで「あっ、それ知ってる!」といった感じでベラベラ喋り始めてしまうらしいです。

若干授業を妨害しているようなニュアンスだったので、私もやめさせなければと思うのですが、本人はあまり喋っているという意識をしていないよう。割と自分の空想の世界に入りやすい子なので、無意識のうちに何も考えずに喋ってしまっているのかもしれません。また、国語が壊滅的に好きじゃないので、それもある気がします。どのように指導すれば、お喋りをやめさせることができるでしょうか?(Kさん・38歳)

【小川先生の回答】


ロールプレイで喋りたくなった理由を突き止める

お喋りするには必ず何かしらの理由があります。何も考えずに喋れるとしたら、それは天才です。息子さんも話したくなった理由が必ずあるはずなので、それを探り出すことから始めましょう。そのためには、先生に怒られた時のお喋りを再現してみるのがおすすめです。お母さんがお喋り相手の友達役となり、どちらから喋り始めたのかというところから、一通りロールプレイをしてみましょう。

そのあとで、「何で喋ろうと思ったの?」とその時の気分や思ったことを聞いてみるのです。すると、「今言わないと忘れそうだったから言いたかった」、「先生が前に話したのと同じことを説明していたから、もういいと思った」など、なんらかの理由が出てくるはずです。

そのうえで、同じような時に、次は授業を終わってから喋るようにするにはどうするかという打合せをします。例えば、“忘れそうだったらメモしておく”でもいいし、“既に聞いた話は新しい話題が出てこないかチェックする”でもいいですよね。そうやって、大人の知恵でお喋りをせずに乗り越える方法を一緒に考えてあげましょう。

ただガマンさせるのはムリ!別のアプローチで解決策を探ろう

お喋りするのが国語の時間に限るというのであれば、やはり国語が苦手というのも関係している気はします。もしかしたら20分以上はガマンしてから、「もうムリ!」となって喋り出しているのかもしれませんよね。だからなおさら、ロールプレイで再現しながら、その時の本人なりの事情や気分を確認することが大切です。話を聞けば、おそらく少しは共感してあげられるところもあると思うので、まずはそれを受け止めてあげてください。

一番よくないのは、ただ“ガマンする”、“こらえる”という方向に持って行ってしまうこと。小学生に「何十分もずっとガマンしてなさい」なんてことは絶対にムリです。息子さんに合った別のアプローチを探してあげましょう。

先生の話がわからなかったら、自分の読み方でいいから手元の文章を読んでみるというのでもいい。また、ノートを写そうと思ったら話がわからなくなってしまうのであれば、先生の説明を聞くことに全力を傾け、ノートは後で友達にコピーさせてもらうのも手です。その場合は、塾の先生や親御さんにも事情を説明して、協力を得るようにしましょう。

逆に、どうせ聞いてもわからないなら、聞くのを諦めてノートをとることに専念するのもいいと思います。いずれにしても、何が本人に起きているのか、本人が思い出せるように手伝って、解決法を一緒に考えてあげること。それで大分調整できるようになると思います。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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