無理なく赤ちゃんのペースで進めて! 離乳食の4ステップ/バランスのよい手作り離乳食(1)

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離乳食の4ステップ

『365日マネするだけ離乳食 離乳食はこの1冊でまるごと解決!』 1回【全11回】


子どもの成長には大切な離乳食。でも、何をどのようにあげたらいいかわからない…。そんなお悩みを解決するヒントをご紹介します。

離乳食アプリ人気No.1「手作り離乳食」からのレシピを、離乳食教室を多数開催している中村美穂先生が解説。約1年間続く離乳食を進める上で、役立つ情報をお届けします!

※本記事は手作り離乳食 by ninaru(著)、中村美穂(監修)の書籍『365日マネするだけ離乳食 離乳食はこの1冊でまるごと解決!』から一部抜粋・編集しました

見通しを立てておこう!
離乳食の4ステップ

離乳食の開始から完了まで、大きく4つの時期に分けられます。
あくまで目安なので、無理なく赤ちゃんのペースで進めましょう。

<初期>生後5、6カ月ごろ

よくある困りごと

・離乳食作りに慣れず、作るのが大変
・開始時期がわからない
・食べるのをイヤがる
・母乳やミルクをよく飲み、離乳食が進まない

<初期>5、6カ月ごろ

食材の固さ

なめらかにすりつぶす
最初はなめらかにすりつぶしてポタージュ状に。
徐々に水分を減らしヨーグルトくらいの固さにしていきます。

食事の回数と1食の目安量

1日1回
1日1回、ひとさじ~小さじ1程度から始めます。
裏ごししたおかゆひとさじ~小さじ1から始め、徐々に量と種類(野菜、豆腐、白身魚、卵黄など)を増やしていきます。

母乳・ミルク

母乳・ミルクは授乳リズムに沿って欲しがるだけ与えます。

ポイント

・栄養バランスよりも、食べ物を飲み込む練習期間と考える

<中期>生後7、8カ月ごろ

よくある困りごと

・ちょうどいい固さに調理するのが難しい
・もぐもぐせずに丸飲みしている
・食べる量が少ない(多い)
・食べ物の種類がかたよる

<中期>7、8カ月ごろ

食材の固さ

舌でつぶせる固さ
絹ごし豆腐くらいの固さが目安。
食材の形が少し残るすりつぶしから、細かくきざんだものにしていきます。

食事の回数と1食の目安量

1日2回
1日2回食となり、食事のリズムをつけていくころ。
栄養バランスを意識して、献立に主食・主菜・副菜をそろえるようにします。

1食の目安
・おかゆなら50~80g
・野菜、果物20~30g
・たんぱく質 下記のいずれか
 魚…10~15g
 肉…10~15g
 豆腐…30~40g
 卵…卵黄1~全卵1/3
 乳製品…50~70g

母乳・ミルク

食後に授乳します。
そのほかに母乳は欲しがるだけ、ミルクは1日3回程度飲ませます。

ポイント

・食べ物の種類を少しずつ増やしていく
・固形物に慣らしていく

<後期>生後9~11カ月ごろ

よくある困りごと

・1日3回作るのが大変
・献立に迷う
・遊び食べをする
・手づかみ食べをしない

<後期>9~11カ月ごろ

食材の固さ

歯ぐきでつぶせる固さ
熟したバナナくらいの固さが目安。
3mm角程度から5mm角程度と、少しずつサイズを大きくしていきます。

食事の回数と1食の目安量

1日3回
1日3回食となり、食事のリズムが大人に近づいていきます。
鉄分が不足しやすいので、肉や赤身の魚、レバーを取り入れて。

1食の目安
・おかゆなら90g~軟飯なら80g
・野菜、果物30~40g
・たんぱく質 下記のいずれか
 魚…15g
 肉…15g
 豆腐…45g
 卵…全卵1/2
 乳製品…80g

母乳・ミルク

毎食後のほか、母乳は欲しがるだけ、ミルクは1日2回程度飲ませます。

ポイント

・手づかみ食べの練習を始める
・くぼみのあるスプーンに変える

<完了期>1歳~1歳6カ月ごろ

よくある困りごと

・おやつの時間や献立に迷う
・好き嫌いが出てきて食べ物がかたよる
・遊び食べをする
・食べる量が少ない(多い)

<完了期>1歳~1歳6カ月ごろ

食材の固さ

歯ぐきでかめる固さ
やわらかい肉だんごくらいの固さが目安。
8mm程度の角切りから4cm程度のスティック状まで色々な形に。

食事の回数と1食の目安量

1日3回+おやつ1〜2回
1日3回食が定着し、1~2回のおやつが加わります。
炭水化物を中心に、食事に影響が出ない程度に食べさせましょう。

1食の目安
・軟飯、ご飯なら80g
・野菜、果物40~50g
・たんぱく質 下記のいずれか
 魚…15~20g
 肉…15~15g
 豆腐…50~55g
 卵…全卵1/2~2/3
 乳製品…100g

母乳・ミルク

栄養の8割を離乳食からとるのが目安です。
食後の授乳は徐々に減らしていきます。

ポイント

・食べ物を歯でかめるようになる
・子ども用のスプーン・フォークを持たせてみる

離乳食の大事なルール


離乳食の大事なルールを知ろう!

ルール1
赤ちゃんの個性に合わせた進め方を

赤ちゃんの食欲や成長・発達の度合いはひとりひとり違います。月齢ごとの目安はありますが、個人差があるのでその通りにならなくても焦る必要はありません。赤ちゃんのペースで無理なく進めましょう。

ルール2
赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いので衛生面に注意する

赤ちゃんを食中毒から守るため、衛生面には気をつけましょう。生ものを調理した包丁とまな板はその都度洗剤で洗い、調理を中断するときは冷蔵庫に入れましょう。食材を十分に加熱することも大切です。

ルール3
初めての食材は少しずつ試す

食物アレルギーの心配があるため、初めて与える食材はすべて単品で少量ずつ与えるのが基本です。特にアレルギーの原因となりやすい食材やたんぱく質の多い食材は慎重に進めましょう。また、初めての食材は与えはじめてからしばらくの期間はレシピに記載がなくても仕上げに加熱し、与えたあとの子どもの様子を注意深く見守りましょう。

ルール4
「大人用」のものは基本的にNG

「赤ちゃん用」ではない市販のお菓子など、糖分、油分が多く添加物が含まれるものは与えません。だし汁は手作りかベビー用のものが安心ですが、原材料が天然のものをごく薄くなら市販品も後期からはOK。

ルール5
はちみつなど赤ちゃんNGな食材に注意

1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると乳児ボツリヌス症にかかることがあるので絶対に与えてはいけません。赤ちゃんは内臓の機能が未熟で食中毒になりやすいため、生ものもNG。また牛乳を飲み物として与えるのは1歳を過ぎてからにしましょう。

その他NG食材
・黒糖
・生もの
・ナッツ類
・こんにゃくゼリー
・お餅

ルール6
適切な時期に離乳食を始めよう

〈開始できる目安〉
1 首がしっかりすわっている
2 寝返りができる
3 5秒以上ひとりで座れる
4 スプーンを口に入れても舌で押し出さない
5 食べ物に興味を示す
※これらにあてはまらなくても、遅くとも生後6ヵ月のうちに始めましょう。

※本記事の内容は厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」に沿って制作していますが、赤ちゃんは成長・発達の個人差が大きく、消化機能やその時の体調によっても状態が変わりますので、進め方や量、形態はあくまで目安とお考えください。離乳食について、心配を感じる時は必ずかかりつけ医に相談し、赤ちゃんの様子を見て無理なく進めてください。また、赤ちゃんが食物アレルギーの診断を受けている、疑いのある場合は必ず医師と相談の上進めてください。


著=手作り離乳食 by ninaru、監修=中村美穂/『365日マネするだけ離乳食 離乳食はこの1冊でまるごと解決!』(KADOKAWA)

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