二度と失敗しないと思ったのに。元夫の不倫と裏切り、現夫のモラハラに苦しむ女性を救うには

#趣味   
やりくりできないと訴えたものの、暴言を吐かれ…

誰しもが幸せな家庭を築こうと結婚生活に希望を抱くものの、何らかの原因で夫婦間のトラブルや離婚に発展するケースも少なくありません。浮気・不倫やモラハラなど、精神的な苦痛を受ける相手と何度も向き合うのは、本当に辛いですよね。

今回は離婚した元夫とのトラブル、連れ子とともに再婚した現夫のモラハラと、たび重なる配偶者との問題に直面するシングルマザー苦悩を描いたセミフィクションコミックエッセイ「信じた夫は嘘だらけ」の主人公・えりのパターンを例に、法的な処罰や対処法について、弁護士法人プロテクトスタンスの弁護士・金岡紗矢香さんに伺いました。

元夫との離婚を経験し、一人娘・ひまりと暮らしていたシングルマザーのえり。ある日友人の紹介でゆうきと出会うと、すぐに意気投合。交際半年後にゆうきからプロポーズを受け「次こそは幸せな家庭を築く」と心に誓い、再婚をします。

次こそはステキな家族をつくって幸せになろう

ゆうきとの入籍後すぐに妊娠が判明し、長女とこれから生まれてくる子どもと家庭の両立に自信がなかったというえりは仕事を退職。すると、優しかったはずのゆうきの態度がガラッと変わり、えりに対しモラハラ発言を連発。さらには経済的DVとも呼べる言動を繰り返すようなり、えりが心身ともに追い詰められていく様子が描かれています。

何も言い返せない…

俺の金で生活してるんだから、一丁前に意見するな


離婚後に前夫が不倫していたことを知った場合、もう訴えられない?

えりは前夫との離婚歴があります。前夫からは、一方的に離婚を要求され、養育費を約束され泣く泣く離婚に応じた、えり。しかし離婚後になって、前夫が不倫していたことを知ります。確たる証拠はなく、えりはやりきれない思いを抱えつつ泣き寝入りするしかなく…。

結婚生活は2年もたたずに終わった

同僚の女と不倫していたらしい

──不倫を隠して離婚を要求してきた夫に対し、何も知らなかった妻が離婚に応じてしまった場合、離婚後であっても慰謝料請求などはできるのでしょうか? 時効などはありますか?

金岡 紗矢香氏「離婚後であっても、婚姻期間中に不貞行為を行なっていた場合、婚姻期間中は双方に貞操義務があるため、慰謝料請求をすることは可能です。もっとも、不貞をしていたことを認識してから3年以内に請求しないと時効にかかってしまいます」

次こそは幸せに…!と再婚したものの。優しかった彼が豹変

お前はどうして何もできないんだ

痛い目を見た一度目の結婚。「次こそは幸せになるんだ」と心に誓い、この人ならと見極めたゆうきと再婚を果たしたえり。しかしゆうきもまた、モラハラをふるうDV夫へと豹変。2人目を出産したえりをいたわるどころか、ミルクやおむつ代を「買いすぎだ」と責めたて、わずか3万円の生活費をさらに切り詰めろと迫り「無能がっ」「クズ!」「クソが」などと暴言を連発する始末…。

──必要な生活費を渡さない、お金を使わせないと言った、いわゆる"経済的DV"の定義について教えて下さい。

「定義づけは難しいですが、一般的には収入を管理され、生活費を渡さない、あるいは明らかに不足するような生活費しか渡さず、相手方を経済的に追い詰めることをいいます」

まともな買い物一つできないとか お前クズすぎ!


──経済的DVを受けていると気づいた場合、その証拠として役立つ可能性のあるものを教えてください。

家計簿、生活費のやり取りが残されている録音やメール、日頃の買い物の領収書、クレジットカードの明細書、通帳履歴、日記などが証拠として考えられます」

このままじゃダメだ…


──パートナーから経済的DVを受けていて離婚を考えている方へ、離婚に向けてどのように進めていくべきか?しておくべきことなどはありますでしょうか。

経済的DVを受けている場合、離婚事由にはなりえます。もっとも、経済的DVをするような相手方の場合、そもそも経済的DVがあったという事実を否定してきます。そうすると、離婚が認められるためには、離婚を求める方が証拠に基づいて離婚原因があることを主張する必要があり、証拠がないと離婚は認められません。そのため、通帳の履歴といった証拠が必要になりますし、また、日記を証拠とすることが考えられます。
ただ、断片的に残していても日記の証拠の価値としては弱いため、きちんと毎日、経済的DVがない時も日記を作成し、さらに、後に消せるような鉛筆などではなく、ボールペンで記すことが必要となってきます。離婚が認められるためには、証拠が必要となりますので、日頃から証拠を残しておくことが望ましいです

騙されるかよ!


当事者間の解決が難しい問題は専門家への相談するなど、離婚問題の解決、慰謝料請求に必要な証拠集めなどについてサポートやアドバイスを受けることが必要なのですね。

【取材協力弁護士】
金岡 紗矢香(かなおか さやか)/弁護士法人プロテクトスタンス
弁護士・行政書士。国内大手飲料メーカーの勤務を経て、弁護士資格を取得。浮気・不倫といった男女トラブルや離婚問題、セクハラ・パワハラなどの労働トラブル、相続手続きなど、さまざまな分野に精通し、女性からの法律相談に幅広く応じている。現在、2児の母親として子育てにも奮闘中(第一東京弁護士会所属)。


文=河野あすみ
イラスト=『信じた夫は嘘だらけ 浮気・ワンオペ・DV…地獄の結婚生活を終わらせます』(著:3cha)より

この記事に共感したら

Information

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

LINEお友だち追加バナー

おすすめ読みもの(PR)