衣類・書籍・食器の選別法 モノを元に戻す技術(10)【連載】

#くらし   
まずはカテゴリーごとに選別を


インターネットなどから日々発信される情報に振り回され、いらないモノにも関わらず、整理整頓に、多くの時間を費やしている、現代を生きる女性たちへ。「シンプルライフ」の体現者で、ベストセラー作家のドミニック・ローホーさんが満を持して贈る、豊かな人生を手に入れるための片づけ術のすべて。

片づけをすることによるメリットから、片づけの準備に至るまでの段階を『モノを元に戻す技術 片づいた部屋があれば、大抵のことはうまくいく』から全11回までお届けします。今回は第10回目です。

カテゴリーごとに選別する


【衣類とあらゆる布製品( シーツやベッドカバーなど)】

外で身につける衣類(コート、上着、レインコート)、次にアンサンブル、そしてトップス(シャツ、セーター、Tシャツ)、続いてボトムス(パンツ、スカート)をそれぞれ別の山に集めてください。そのあとで、特別な機会に着る服(スポーツ、パーティー、海水浴、家着、庭仕事)を選びましょう。

次に小物(ハンカチ、靴下、ベルト、スカーフ、手袋、帽子)。一つひとつの衣類を両手で取り、自分に当ててみて、自問しましょう。

「これは着ていて快適? こんなに好きなのに、ぜんぜん着ないのはどうして?」

古くて毛玉ができているから着なかった。清水の舞台から飛び降りて買ったから捨てられないけど着ていない。様々な理由があるでしょうが、とにかくお別れしましょう。お別れしようと決めたのなら、その服に感謝をして、「捨てる」または「寄付する」と書いた袋に入れてください。ホームリネン(ベッドカバー、シーツ、タオルなど)に関しては、ベッド一つにつき2セットのみで十分です。

【本と書類】

"結局、人生におけるあらゆることと同様、自分がしていることがあまり好きではないとき、私たちは内なる抵抗力を発達させ、すべてが非常にゆっくりと行われるのだ。

ヴィッキ・マッケンジー

『Un ermitage dans la neige(雪の中の修道院)』(未邦訳)"

たとえこの「本と書類」カテゴリーのものが、置いてある場所のまま(一般的には棚の中で)選別するのが簡単そうに思えても、一度すべてを床の上に出してください。本棚の中で休んでいる本や書類は「寝て」います。「起こして」、外気にさらしてやる必要があるのです。衣類と同様、一つひとつ手に取ってください。その際、本を開いてはいけません。そのものたちの運命は瞬時に決めなければならないのです。 「あなたは私にとって紙でしかない? 私の人生にどんな影響をもたらしてくれるの? 私はこれをもう一度読みたいとこれまでに思ったことがあるかしら?」

ある本を6ヶ月以上前から持っていて、まだ読んでいないか半分しか読んでいないなら、あなたの良心が何と言おうと、それはあなたのために作られたものではなかったのです。感謝して手放しましょう。

次に、持っておくと決めたものを次の方法で棚に戻してください。小説は小説、実用書(辞書、レシピ本、写真集、雑誌)は実用書、手帳は手帳といったように。

アルバムや写真、ネガは別にしてください。それらは選別してもらえる順番を待っていてくれます。これまで時間がなくて見ていないパンフレットや小冊子、その他の印刷物も同様です。パソコンをお持ちでしたら、取扱説明書も処分してください。大抵の取扱説明書はインターネット上で見ることができます。ただ、もし保存しておくのなら、それぞれ対象のもののそばに(テレビのマニュアルをテレビのそばに、子どものおもちゃのマニュアルを子ども部屋の中の子どもの手が届くバインダーに)置いておきましょう。規格外のサイズのもの(X線写真、デッサン、大きな写真、絵画、コラージュ)については、デッサンや図面用のカルトン(大判の紙挟み)がいいでしょう。家具の後ろや衣装だんすの奥に簡単に滑り込ませることができます。

重要書類は、パソコンの中かメールボックスの中に保存しておけるように、スキャンしたり、写真に撮っておいたりするといいでしょう。

最後に、住所や電話番号、家族の予定表の類(配管工の連絡先やピザのデリバリーサービス、かかりつけ医の連絡先、買いものリスト、観たい映画や読みたい本リスト、バスの時刻表、料理のレシピの切り抜き……)、それに今飲んでいる処方薬の説明書、支払わなければいけない請求書(頭をいっぱいにしないためには、すぐに支払っておかなければなりません)などは、分厚いバインダーに整理しましょう。

ただし、あまりたくさん詰め込まないように気をつけてください。そうしないと、ちっとも効果的ではなくなってしまいますから。バインダーを郵便受けやハンドバッグの中身の掃き溜めにはせず、どんな資料もその中を見れば瞬時に見つけられるような極めて便利なものにしておくことが大切です。

【食器、キッチンツール、食品類】

このカテゴリーでは、「料理する、飲む、食べる、ストックする」という行為に関するすべてを集めます。洗剤類は、たとえキッチンにあったとしても除きます。はじめに、食器とキッチンツールを分けてください。この機会に、「形がなく」「整理できない」せいでキッチンを乱雑にしてしまうあらゆるもの(めん棒、チョッパーなど)をキャビネットにしまいましょう。もし二揃いのお皿のどちらかで迷っているのでしたら、積み重ねやすいほうを選んでください。

食器を何点(お皿、お椀、小鉢)お持ちですか? 二通りの使い方ができるものはどれですか? 何枚かを手放す機会かもしれません。前菜(大皿と取り皿または小鉢)、主菜、デザート用などに、厳選した数だけ取っておきましょう。フライパンや深鍋、両手鍋についても同様です。コンロの数を考えても、それほどたくさんは必要ないでしょう。素材にも細心の注意を払ってください。たとえば、陶器にはたしかに魅力がありますが、積み重ねづらいものもありますから。お皿やサラダボウル、楕円形の鉢についても同じことです。丸や四角のほうを選びましょう。最後にアドバイスを。ラグの上で選別する際には、4つの山に分けましょう。

1  もっともよく使うもの(もっとも簡単に手が届く場所に戻します)

2  ときどきしか使わないもの(箱か収納棚の下の方の段にしまいます)

3  ほとんど使わないもの(すべて収納棚の上の方に置きます)

4  まったく使わないもの(家から出さなければなりません)

次に、食料品に取りかかります。おそらく賞味期限切れのものやあまり使わなかったものが出てくるでしょう。それらは何かのレシピのために買ったものの、一年で一度だけしか作らなかったり、結局一度も作らなかったりしたのではないでしょうか。また、小麦粉やシリアル、その他の袋は、キャビネットや収納棚、一時的なかごに入れてください。収まりが悪いですが、後に真の片づけをするとき、しかるべき収納用品を選びましょう。

著=ドミニック・ローホー、翻訳=笹根 由恵/「モノを元に戻す技術 片づいた部屋があれば、大抵のことはうまくいく」(KADOKAWA)

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Information

モノを元に戻す技術 片づいた部屋があれば、大抵のことはうまくいく


モノを元に戻す技術 片づいた部屋があれば、大抵のことはうまくいく
フランス流モノに支配されない片づけメソッド。本書では、オーソドックスな片づけのテクニックに加え、箱やキャビネット、フック、カーテン等を最大限に活用する創意工夫の数々を提案します。一つひとつのモノを定位置に戻すと、結局は自分のための時間を手に入れることができるのです。

▼単行本情報はこちらから

著者:ドミニック・ローホー
著述家。フランスに生まれる。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリスのソールズベリーグラマースクール、アメリカのミズーリ州立大学、日本の仏教系大学で教鞭をとる。アメリカと日本でヨガを学び、禅の修行や墨絵の習得などをとおし、日本の精神文化への理解を深めてきた。

翻訳:笹根 由恵
フランス語通訳・翻訳家、フランス語・英語通訳案内士。オペラなどの歌劇からビジネス、各種スポーツの国際大会まで幅広い分野で通訳として従事。書籍の翻訳業務も行う。

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