お姉ちゃんの勉強をジャマする妹。YouTubeを見せて静かにさせるのはOK?【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て   

Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第37回目のお悩みはこちら。

お姉ちゃんの勉強をジャマする妹。YouTubeを見せて静かにさせるのはOK?【小川大介先生の子育てよろず相談室】


【お悩み】


小6と幼稚園年長の2人の娘の母です。上の子は今年受験生で、家で勉強するときは私がみているため、下の子をついほったらかしにしてしまうことも多々。すると下の子はかまって欲しくて、騒いだりジャマしに来たりして、お姉ちゃんに「うるさい!」といつも怒られてしまいます。下の子も一緒にお勉強をさせればいいかと思い、ひらがなやカタカナの本を買ってやらせてみたりもしましたが、「これはどうすればいいの?」とひとつひとつ質問してきて、よけいカオスな状況に陥ってしまいました。結局、下の子がひとりで静かにしていられるのは、YouTubeを見ているときだけなので、最近はずっとYouTubeを見せてしまっている状況です。一応、キッズ用のアプリで見せているため、粗悪なコンテンツを間違って見ることはないのですが、YouTube育児になってしまっていることに罪悪感があります。受験までは仕方ないと割り切ってしまってもいいのか、それとも2人にとってもう少し良い接し方があるならば教えていただきたいです。(Aさん・40歳)

【小川先生の回答】


■YouTube一択ではなく、選択肢を増やそう

受験生はもちろん大事な時期ですが、妹さんも年齢的にとても大事な時期。YouTubeのひとつしかメニューがないのはまずいと思います。YouTube以外にも本人が集中できるようなメニューを探していく関わりをしていきましょう。折り紙で何かを作ったり、ジグソーパズルを完成させたりなど、本人が好きな事、夢中でやれることならなんでもOKです。「部屋をめちゃめちゃキレイに掃除できる?」とお願いすると、案外張り切って掃除してくれたりもしますよ。そういった数ある選択肢の中のひとつのツールとして、YouTubeを利用するのであれば問題ありません。

大切なのは、“何かに取り組んでそれを認めてもらう”ことなので、「ずーっと一人でやってなさい」とほったらかしにするのはダメ。「できたら見せてね」というコミュニケーションの時間もしっかりとるようにしましょう。タイムテーブルを設けて、「ここは15分のおしゃべりタイムを入れるからね」と、お姉ちゃんにも前もって通達しておくといいですよ。

■家族みんなが折り合えるタイムテーブルを設定しよう

ひとつ気になったのは、受験生だからといってお姉ちゃんに気を遣い過ぎていること。少しキツイ言い方になりますが、そもそも少々の物音がするだけで勉強できないほうにも問題があります。周りが腫れ物のように扱って、「うるさい、うるさい!」って言わせていると、自分の勉強がうまくいかないストレスを八つ当たりするクセがついてしまいます。そういう意味でも、受験生中心の生活に偏り過ぎないよう、双方の折り合えるところを相談して、タイムテーブルを作っておくことは有効です。お姉ちゃんから「この時間までは集中したいから、ここは静かにして欲しい」という要望があれば、それ以外の時間で下のお子さんとのおしゃべりタイムを設けるというように、スケジュールのすり合わせをしておくのです。その際、下のお子さんにも必ず「これはしたい!」など意見を言わせること。全員が意見を出し合ってスケジュールを立てることで、それぞれが納得感を持って実行できるようになります。

また、結局のところ受験生は自分で勉強しなきゃいけないので、親御さんが常に目をかけ続ける体制で入るより、どのあたりで手伝えばいいのかの見通しを聞いて自分で判断させたほうが有益です。見通しを立てずにいきなり始めてしまうと、途中途中で聞きたくなったりもしますが、先に段取りしておくと、「わからないところは質問タイムに聞こう」と効率的に勉強を進められるようになりますよ。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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