オリーブオイルは、地中海料理はもちろんスペイン含めヨーロッパの料理を栄養豊富な健康食にするうえで欠かせない食材です。そんなオリーブオイル、実は和食をはじめ毎日のいろんな料理にも、手軽に取り入れることができるんです。
オリーブオイルがメイン材料に使われる
地中海料理って?

温暖な地中海で育まれた体も心も健康になれる食事スタイル
地中海料理とは、地中海沿岸の国々、特に世界一のオリーブオイル生産国であるスペインで行われている伝統的な食事スタイルのこと。野菜、果物、豆類、魚介類など自然の収穫物をふんだんに使った食事構成と、メイン材料としてどの料理にもオリーブオイルが使われているのが特徴です。
最近の研究では、オリーブオイルで脂肪を摂取するこの食文化に、ダイエットやアンチエイジングなど様々な健康効果が認められることが明らかになり、健康食としても注目されています。実際、地中海料理の中心地であるスペインは長寿国としても知られ、英医学誌ランセットによると「2040年までに現在長寿国のトップである日本を抜き、世界一の長寿国になる」との研究予測も発表されています。
また、家族や友人などと食卓を囲み、皆でおいしい時間をシェアするという食習慣も特徴のひとつ。ヘルシーな食事を大勢で楽しむこの食事スタイルは、ユネスコ無形文化遺産にも指定されています。
オリーブオイルのここがすごい!
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健康長寿・生活の充実・美
をサポートする高い抗酸化力植物油のうち、唯一果実を原料としているエクストラバージンオリーブオイルには、抗酸化作用の高いポリフェノールやビタミンEが豊富。古代エジプト時代から神聖な液体として重宝され、クレオパトラもその美貌を保つために愛用していたとか。
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ダイエットの味方にもなる
健康的な油ダイエットに油は天敵と思われがちですが、オリーブオイルの主成分であるオレイン酸は、不飽和脂肪酸という健康的な脂質。コレステロール値を調節する働きがあります。また、スペインで実施された研究「PREDIMED」にて実施された試験では、健康に良い食材とエキストラバージンオリーブオイルを使用した“地中海式食事法”を継続した人々の失血管疾患や脳卒中の発生リスクは30%減少し、糖尿病のリスクも40%低くなったことが明らかになっています。
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加熱に強くあらゆる料理に
万能に使えるパンにつけたり、スパイスと混ぜてドレッシングにしたりなど、生でとるのが一番ですが、高温でも劣化しにくいため、揚げ物や炒め物にもおすすめ。天ぷらはサクッとジューシーに、グリルやオーブン料理は風味豊かに仕上がります。焼き料理にも最適です。
実はとってもよく似てる!
地中海料理と和食の関係
地域で取れる様々な食材を伝統的な調理法で食し、とれたての魚介や野菜などをふんだんに使い、“最も健康的な脂肪”といわれるオリーブオイルを使用するスペイン料理には、“健康に良い食事”とされている和食とも通じるテーマがありそうです。いずれもユネスコ無形文化遺産に登録されている地中海料理と和食のつながりについて、管理栄養士のヨネヤマクミコさんにお話を伺いました。
ヘルシーだから似ている3つのポイント
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地産地消だから新鮮!
栄養価も高い!地中海食事法の歴史は長く、特にスペインにはその土地固有の風土や慣習、特産物を活かした食文化があります。「和食も、地域の食材をふんだんに使った郷土料理がベース。採れたての旬な食材は栄養価が高く、夏野菜は体を冷やすなど、その時期を健康に過ごすための栄養素が詰まっています」
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ハーブやスパイスで
香りと栄養価をプラス味付けにはハーブやスパイスをよく使う地中海料理。「ハーブなどで味にアクセントをつけることで、余計な調味料をカットできます。和食でいう“薬味”も同じく、しょうが、しそ、ゆず、ごまなどで、香りや栄養価をプラス。素材の味を引き出すシンプルな調理法なため、手間なくヘルシーに仕上がります」
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楽しい食卓をシェアすることで
心にも栄養を地中海料理、特にスペインでは、家族や友人たちと大皿料理をシェアしながらゆったり食事を楽しみます。「大家族で食卓を囲むスタイルは、伝統的な日本の食文化にも通じます。スペイン料理も和食も、食事から栄養だけではなく、大皿料理を囲み美味しさを共有することで、精神的な豊かさも得ています」
食材や調理法をはじめ、意外と共通点の多い地中海料理と和食ですが、大きな違いはオリーブオイルを使うこと。スペインの食卓には必ずオリーブオイルが常備されていて、パンやサラダにも、メインの肉や魚料理にも、たっぷりかけていただきます。
「日本人は油を極端に控えがちですが、オリーブオイルは体の中をヘルシーに保つ良い油です。和食にも上手に取り入れると、より体が喜ぶ食事に変わりますよ。おすすめはオリーブオイルと醤油を4:1で合わせたオリーブ醤油。焼き魚にかけてゆずを絞ったり、納豆にかけても美味しく、減塩にも役立ちます。和食の新しい美味しさも発見できるので、構えずにどんどん使ってみて欲しいですね」

お話を聞いたのは ヨネヤマクミコ さん
認定在宅訪問管理栄養士、在宅栄養専門管理栄養士。日本栄養士会認定栄養ケア・ステーションeatcoco(イートココ)代表。病院や高齢者施設での経験を経て、現在はフリーランスで企業などともタイアップして、“地域の美味しい栄養を支える活動を行う。ヨーロッパやアジア各国など海外での経験を活かし、広い視野での食の美味しさや楽しさを提案。
家にある食材でも簡単おいしい!
おうちで手軽にオリーブオイルレシピ
地中海料理のお供としてヨーロッパの食卓に常備されているエクストラバージンオリーブオイルですが、実は和の食材にも合うんです。そこで今回は和の食材“豆腐”を使った『トスタ』をご紹介。トスタとはスペイン風オープンサンドのこと。冷蔵庫の余り食材を使って、あっという間にできちゃうから、時間のない朝食にも最適です。おしゃれな見た目でパーティーメニューにもうってつけの一皿!
豆腐と野菜のトスタ

材料(1人分)
エクストラバージンオリーブオイル…適量
お好みのハーブ…適量
パン(フランスパンなどお好みのもの)…1枚
豆腐…短冊切り2~3枚
トマト…スライス2枚
きゅうり…スライス3枚
マヨネーズ…大さじ1
スプラウト…適宜
塩(フレークソルト)…少々
作り方
- パンは、エクストラバージンオリーブオイルにハーブを混ぜたものを適量ぬり、トーストしておく。
- 豆腐は、オリーブオイル大さじ1を熱したフライパンで焼き目をつけておく。
- パンの上にマヨネーズ(オリーブオイルを使ったものを使うとより風味アップ)をぬり、豆腐、トマト、きゅうりをのせ、塩を振ってスプラウトを盛る。
- オリーブオイルを好きなだけかける。
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スペイン産オリーブオイル専門職連携非営利団体
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Twitter: @oriibuoiruspain
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オリーブオイル・ワールドツアー
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文=酒詰明子