小学校の英語必修化には賛成? 留学した方がいいの? 人気英語YouTuber・ICHIROに聞いてみた 

#くらし   

グローバル化が進み、今年から小学校での英語が必修となる中、子どもの英語教育に悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか?

そこで今回、7月に初書籍『ICHIROさん、一撃で英語が話せる方法を教えてください!』を上梓し、登録者数30万人以上の人気英語教育YouTuber・ICHIROさんに、子どもの英語教育について疑問をぶつけてみました。

“Fラン”の高校から名門大に合格し、今やオンライン英語講師としても活躍中のICHIROさん。自身の体験がにじみ出た、リアルなお答えが返ってきました!

YouTubeチャンネル「ICHIRO ENGLISH」で英語を教えるICHIROさん

――ICHIROさんは高校生の時に英語の面白さに目覚めたそうですが、もっと早く英語の勉強を始めたらよかったと思うことはありますか?

自分は高校生の時にたまたま英語にハマっただけなので、早くても遅くても、それが英語じゃ無くても、別になんでも良いと思ってます。
もし、私が英語圏のネイティブに生まれていたら、英語の仕事はしていないかもしれないですよ。自分で英語を習得したから、その面白さが分かったというのもありますし、もしかしたら、私は英語ではなくイタリア語にハマっていたかもしれません。そうしたらイタリア語の先生になっていたでしょうね(笑)

――今年から小学校の英語教育が必修化されましたが、ICHIROさんはこの流れに賛成ですか、反対ですか? 「小学校のときから習う必要性を感じない」、「日本語さえも習得できていない段階で、英語ができるようになるとは思わない」との反対意見もありますが…。

その反対意見に関してですが、他の国も小さい頃から学校で英語を学ぶところは多いと思うので、特にデメリットは感じません。むしろ、英語を通じて世界の広さを実感し、視野を広げることはとても良いことだと考えます。
それよりも、教え方の方が大事ですね。現状の学校教育のような明らかに社会に出ても役に立たない、面白くないことを教えるようなものをいくら早くからやっても価値はないと思います。学習は自発的であること、人生で本当に役に立つこと、楽しく学べること、が本質的に価値ある学びだと考えますね。

――ICHIROさんは高校生の頃、勉強ぎらいでゲームばかりしていたと、著書で書かれていました。遊び盛りの子どもに「勉強しなさい」と言っても、なかなか言うことを聞かないですよね…。子どもをやる気にさせるためにはどうすれば良いでしょうか?

子どもに勉強しなさい、というのはほとんどの場合親のエゴです。

学校で好成績を取る、受験に合格する、などのことが子どもの将来のために大事なことと考えている親が多いですが、典型的な学歴社会の弊害だと考えます。自分でどんな人生を歩みたいのかを考えて、そのために必要な選択を自分でできるようになることが本当の生きる知恵です。

勉強は誰かにしなさいと言われて、やらされるものではないです。私はむしろ、遊びこそが本当の学びだと考えます。遊びの中から、自然と本当に大事なことを学ぶものです。

学校、定期試験、宿題、受験、塾、部活動…と日本の学生は寝る間も惜しんで殺人的なスケジュールをこなさなければなりません。こんなに忙しいのに、自分の本当にやりたいことを見つける暇があるわけがありません。学力が世界トップクラスの北欧では真逆です。学校や、宿題に奪われる時間はとても少なく、学生はたくさん遊んで、じっくりと自分の人生について考える時間があります。

話を戻しますが、子どもをやる気にさせる必要はありません。というか、子どもにやる気を出させて、勉強させたいという考えがそもそもおかしいのです。

底辺高校生から英語講師にまでなったICHIROさんのビフォーアフター

――無理強いして、子どもをつぶしてしまうようなことは良くないですよね。では、小さい頃から英語に触れたり親しむために、どんなことを家でやると良いでしょうか?

自然と英語に触れられる環境を整えるのが良いのではないでしょうか。英語のアニメを流しておくとか、英語の絵本を読んであげるとか、可能であれば国際的に様々な国の人と交流できる機会も作ってあげたいですよね。英語の時間を設けて、親も一緒に英語を話してみたりするのも良いんじゃないですか。

――なるほど。子どもや親子で楽しめる英語のアニメや映画はありますか?

子どもはヒーローやロボットが好きなので、例えば「スパイダーマン」や「トランスフォーマー」はいかがでしょう。

あとは無難にディズニー映画ですかね。こういうのは、別に話してる英語を理解せずとも映像が楽しめると思うので良いと思いますよ。

何を好きになるか分からないので、Netflixなどのサービスを使って、色んな作品を英語で見せてあげると良いと思います。

――おすすめの英語の絵本を教えていただきたいです。

絵本は詳しくないのですが、最近は日本の絵本が英語版になっていたり、英語の本が日本語版になっていたりするので、オンラインストアか大きな書店に行って、気に入った絵本を日本語版と英語版と2つ買って読み比べするのが良いと思いますよ。

――ネイティブ英語を身につけるために、将来は海外留学した方がよいのでしょうか?
ですが、高い資金が要るため、したくてもできないお家もあると思います。

海外留学は本人がしたいかどうかが1番なんじゃないですか? したくてもできない、けど英語はできるようになりたい場合には、工夫すれば別に海外留学しなくても英語を学べる方法はたくさんあります。

というか、海外留学しても、必ず英語が話せるようになる保証はどこにもありませんからね。結局は英語に関しては、海外留学しようが、しなかろうが本人次第ですよね。

私なんかは英語にハマったのが高校生でしたが、海外留学なんて発想がそもそも、その頃なく、単純に映画とか洋楽が好きだったので、そういうのを使って英語を学んでいましたよ!

――自分が勉強ぎらいの殻を破ったご経験が、お考えにとても反映されていますね。無理やりにならないよう気をつけながら、子どもが英語に触れる環境づくりを家でも実践してみます。ありがとうございました!

著=ICHIRO/「ICHIROさん、一撃で英語が話せる方法を教えてください!」(KADOKAWA)

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