花粉症対策は早めが肝心!今からできるセルフケアで花粉シーズンを快適に乗り切ろう

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もはや日本の国民病ともいえる「花粉症」。花粉シーズンを乗り切るためのコツとは?

春先になると、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなど、花粉症の症状に悩まされる人も多いですよね。環境省によるデータ(※)でも、10代~50代のスギ花粉症の有病率は45%以上と半数近くにも上り、もはや日本の国民病ともいえます。ちょっとした症状でも長期間続くことで、頭がボーっとしたり、微熱が出たり、集中力がなくなったりなど、日常に支障をきたすケースも多いため、早めの対策が肝心。花粉シーズンを乗り切るためのコツを、中医学講師の王愛延(おう・あいえん)先生にうかがいました。

※出典:環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」全国の耳鼻咽頭科医とその家族を対象とした全国疫学調査より

▷お話をうかがったのは…
中医学講師 王愛延(おう・あいえん)先生
北京中医薬大学卒業。1994年に来日し、2005年東京医科歯科大学にて博士号を取得。 内科、婦人科、小児科を中心に幅広い分野に精通。現在は日本中医薬研究会専任講師として中医学の普及と指導に務める。共著に『妊活漢方スタートBOOK』(主婦の友社)など。

症状で見分ける2タイプの花粉症

季節性アレルギーとも称される花粉症。季節によって様々な花粉が飛んでいますが、中でもスギ花粉の飛散時期である春は、つらい症状に悩む人が最も多い時期です。

「中医学では自然界の気候変化を、『風・寒・暑・湿・燥・火』『六気(ろっき)』に分類しており、花粉シーズンである春は『風』が主気の季節になります。花粉症は、この『風』が過剰になった『風邪(ふうじゃ)』という邪気が、花粉と共に体内に侵入することで起こる症状。『風邪』は体の中でも一番上の頭の部分、特に鼻を中心に侵入するため、鼻や目、喉などのトラブルを多く引き起こします」(王先生)

同じ花粉症でも、鼻水が止まらない人もいれば、目のかゆみが酷い人など、抱える症状はさまざま。

「『風邪』は単体ではなく、寒邪(かんじゃ)熱邪(ねつじゃ)などを伴って人体へ侵入することから、花粉症の症状も、体が冷えて水っぽい鼻水やくしゃみが主体の風寒タイプの人もいれば、体に熱がこもり目のかゆみや炎症、痰や鼻づまりが主体の風熱タイプの人もいます。自分のタイプを知り、タイプ別に対応を考えることが重要です」(王先生)

●風寒(ふうかん)タイプ
「風寒」という邪気の侵入で起こる「寒」の花粉症。体の冷え、くしゃみ、透明で水っぽい鼻水が止まらないなど、かぜの初期に似た症状が特徴。

●風熱(ふうねつ)タイプ
「風熱」という邪気の侵入で起こる「熱」の花粉症。黄色く濃い鼻水や痰、鼻づまり、目の充血やかゆみ、喉の渇きや痛みなど、熱がこもっている風邪の症状が特徴。

症状で見分ける2タイプの花粉症。「風寒(ふうかん)タイプ」「風熱(ふうねつ)タイプ」


花粉症を発症しやすい体質とは?

花粉症になりやすい人や悪化しやすい人は、もともとの体質として「気虚(ききょ)」「痰湿(たんしつ)」があるといいます。

「『気虚』とは、体内のエネルギーである『気』が不足したタイプで、体を守るエネルギーである『衛気(えき)』も不足しがち。『衛気』は体の表面に張り巡らされ、邪気の侵入を防ぐバリアの役割を果たしているため、『気虚』により『衛気』が充実していないと、邪気に侵入されやすく、花粉症を発症しやすいのです。衛気が不足するとかぜを引きやすくなる場合も。

また、『痰湿』とは、水分代謝がうまくいかず、体内に余分な水分を溜めこんでいるタイプ。春になって毛穴が開き、『風邪』が体内に侵入しやすくなります。この季節は体内の陽気も上昇し、活力も増していきます。そうすると、体の中に溜まっていた『痰飲(たんいん)』が陽気の働きとともに一気に外に出ていくため、症状も酷くなりがちです。花粉症で多量の鼻水が止まらないという人は、『痰湿』タイプである可能性が高いですね」(王先生)

最近増えている子どもの花粉症も、この『痰湿』と深い関わりがあるそう。

「中医学では、体に『湿』や『寒』があると、アレルギー反応の過剰につながりやすいと考えられています。そして、この『湿』や『寒』を体に溜め込むとされているのが、冷たいものや甘いもの。特に、体に蓄える時期である夏に、冷たく甘いジュースなどをたくさん飲んでしまうと、春に発症しやすくなります。免疫機能が未成熟な子どもは、大人よりアレルギー反応も出やすいため、冷たいものを摂り過ぎないなど大人が食事でコントロールしてあげることが大切ですね」(王先生)

花粉症対策は「予防」と「症状改善」の2段階でケア

花粉症は治らないと諦めてしまう人も多いですが、しっかり体を整えれば、不調を軽くすることは可能です。症状を未然に防ぐ予防的ケアと、出ている症状を改善する緩和的ケアの2ステップで、花粉シーズンを快適に乗り切りましょう。

【今から始める予防ケア】

「衛気」を養い、体に「湿」を溜め込まない生活習慣で、「風邪」につけ入る隙を与えない体に。

●冷たいドリンクは避け、エネルギー源となるお米をしっかり食べる
冷たいものや甘いもの、脂っこいものなどは、体に「湿」を溜め込む原因に。ハト麦茶、春雨、緑豆もやしなど利水効果のある食材や、海藻類や根菜類など食物繊維の豊富な食材で、余分な水分の排出を促しましょう。また、長芋、きのこ類、豆類など、気を補う食材も積極的に取り入れて。エネルギー源となるお米をしっかり食べることも、「気」を充実させるためには大切です。

花粉症対策には食生活の見直しも。積極的に取り入れたい食材


●適度な運動を習慣にする
運動は、体を丈夫にする一番の方法。運動不足で汗をかかない生活は、体に余分な水分を溜め込む原因にもなります。ただし、オーバーワークで体を酷使すると、「気虚」になりやすいため、やり過ぎも禁物。ウォーキングや筋トレなど、年齢にふさわしい適度な運動を習慣にしましょう。

●ストレスはためこまず、こまめに発散
肉体的・精神的ストレスは、「気」を消耗し免疫力を低下させます。好きな香りの入浴剤を入れたお風呂でリラックスするなど、日常的にストレスをこまめに発散しましょう。また、夜はしっかり睡眠をとるなど、体を休める時間を確保することも大事です。

●ツボ刺激で免疫力を高める
「足三里(あしさんり)」や「合谷(ごうごく)」は体調を整える万能ツボ。日常的に刺激しておくことで、「風邪」に負けない強い体をつくります。指で押すだけでも効果はありますが、鍼やお灸をするのもおすすめ。

・足三里…膝頭の外側の下にできるくぼみから指4本下。胃腸を調節するツボで免疫力アップに役立ちます。余分な水分を排出して脚のむくみを緩和する作用も。

胃腸を調節し免疫力アップに役立つ「足三里」のツボ


・合谷…手の甲の親指と人指し指の骨が合流する所から、やや人指し指寄りのくぼみ。気を補う作用があり、頭痛や肩こり、ストレスなど幅広く使える万能ツボ。

気を補い、頭痛や肩こり、ストレスなど幅広く使える「合谷」のツボ


<気を補う漢方もおすすめ!>
「イスクラ衛益顆粒(えいえきかりゅう)」
虚弱体質で疲れやすく、疲労倦怠感がある場合に。オウギ、ボウフウなど3つの生薬の組み合わせで衛気を補う。

「イスクラ衛益顆粒(えいえきかりゅう)」


「イスクラ健脾散(けんぴさん)エキス顆粒」
体力が虚弱で胃腸が弱く、やせて顔色が悪い・食欲がない・下痢が続く傾向がある場合の食欲不振、消化不良などに。2歳未満から使えるので、胃腸虚弱のある子どもにも。

「イスクラ健脾散(けんぴさん)エキス顆粒」


【症状に合わせた緩和ケア】

冷えを伴う風寒タイプは体を温めることが、熱を伴う風熱タイプは体を冷やすことが基本。タイプにより対策は真逆になるため、自分の症状に合ったケアを。

●「香辛」食材で邪気を追い出す
花粉症対策には、香味と辛味のある「香辛」食材がおすすめ。香味には気を巡らす作用が、辛味には毛穴を開いて邪気を追い出す作用があります。体を温める「辛温」のものと、体の熱をとる「辛涼」のものがあるので、自分の症状に合った食材を選びましょう。

・風寒タイプにオススメ!辛温食材
ねぎ、しょうが、みょうが、パクチー、シナモン、しそ

風寒タイプにオススメ!体を温めるねぎ、しょうが、みょうが、パクチー、シナモン、しそ

・風熱タイプにオススメ!辛涼食材
ミント、菊花、ごぼう、くず湯

風熱タイプにオススメ!体の熱をとるミント、菊花、ごぼう、くず湯


●ツボ刺激でつらい症状を和らげる
くしゃみ、鼻水、目のかゆみなど花粉症の症状全般に使えるのが「風池(ふうち)」、鼻の症状改善には「迎香(げいこう)」、鼻の奥が化膿し、頭痛や副鼻腔炎など症状が酷くなっている場合は「印堂(いんどう)」がおすすめです。お灸は向かない場所なので、指でじっくり刺激して。血流の良くなる入浴中や入浴後に行うとより効果的。

・風池…顔を少し上に向けた状態で、背骨を頭側に上がった後頭部のくぼみと、耳の下を結んだ中間点にあるくぼみ。親指の腹で目の方向に押します。

くしゃみ、鼻水、目のかゆみなど花粉症の症状全般に使える「風池」のツボ


・迎香…小鼻のつけ根の両脇。両手の人差し指の腹で、斜め45度上に向かって押します。

鼻の症状改善におすすめの「迎香(げいこう)」のツボ


・印堂…眉間の中央部分にあるくぼみ。人差し指や中指の腹でゆっくり押します。印堂を中心に円を描くようにマッサージするもの効果的。

頭痛や副鼻腔炎など症状が酷くなっている場合には「印堂(いんどう)」のツボ


「セルフケアで気をつけたいのは、自分の体質や症状に合った方法を選ぶこと。同じ人でも風寒から風熱へと症状が変化することもあるため、その時々の症状を見極め、臨機応変に対処することが大切です。自分に合ったものを選ぶためにも、漢方薬局など専門家に相談するのもひとつの手。お子さんと一緒のカウンセリングも可能ですよ」(王先生)

***

花粉の飛散量の増加や大気汚染などの外的要因に加え、食生活の変化や運動不足、過剰なストレスで、花粉症の患者は年々増えています。色々と対策をしていてもなかなか治らず、ひどいときには生活に支障をきたすこともある厄介な花粉症。食事や運動など日常生活のひと工夫や漢方薬の力を借りて、アレルギーに負けない体づくりをめざしましょう。

文=酒詰明子、イラスト=さいとうあずみ

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