忙しくても、家計をうまく回しながら趣味を楽しむ主婦に突撃取材!「コスプレーヤー」編

#くらし   

忙しくても、家計をうまく回しながら趣味を楽しむ主婦がいた! 光熱費を削ったり、家族を巻き込んだり、趣味を仕事にしたり。まずは手作り衣装でコスプレを楽しんでいる加藤さえさんの、趣味の楽しみ方と家計の中身を拝見。お金のプロ・丸山晴美さんと「主婦の趣味費」についても語り合いました!

コスプレが趣味の2児のママ・加藤さえさん


主婦も趣味を持つということ


丸山さん(以下丸)加藤さんが、趣味のコスプレを始めたきっかけは?

加藤さん(以下加)コスプレは、大学時代から好きだったんです。でも、結婚して出産をしてからは、子育てに追われて自分の趣味どころではなくなって……。2回の産休を経て仕事復帰をしましたが、ますます余裕がなくなりましたね。

丸 女性は結婚して、出産すると、妻、母としての役割が増えて、ふと自分って何だろうって思ってしまうようなことがありますよね。

加 イライラして、子どもにガミガミ言ってしまうこともしょっちゅうありました。体調も崩しがちになって、仕事をやめたいなと思っていたんです。そんなとき、とあるカラオケ大会があるのを知って、そこにコスプレで参加してみたら、すごく楽しくて!

丸 ご自分を取り戻したような感覚に?

加 そうですね。やっぱり好きなことをやるって気持ちいいなって。

丸 すてきですね。大事なことだと思います。加藤さんは、そこから退職され、さらに踏み込んでコスプレのビジネスを始めたとか。

加 そうなんです。アニメ好きなママ向けのコスプレ体験会を開いて、衣装を貸したり、メイクを手伝ったりしています。特に子育て中のママ向けに、イベントなども立ち上げたいなと思っています。

丸 起業しようとまではなかなか思いつかないけれど、すばらしい行動力だと思います!

加 実は、下の子が生まれる前に、体調管理のために近所のヨガ教室に通っていたことがあるんです。先生は、ご自身でヨガ教室を主宰されているすてきな方で、教室には好きなことで起業している方がほかにも何人もいました。皆さんがキラキラ輝いて活躍されているのがまぶしくて。私もいつか……という気持ちが芽生えたのはそのときです。

丸 すてきな方たちとの出会いが、年月を経て行動につながったんですね。好きなことだからこそがんばれるし、続けられるというのは大きいと思います。ご家族の反応は?

加 何より私がイライラしなくなったので、娘たちも、夫も喜んでいます。娘たちには好きなキャラクターの衣装を作ってあげて、一緒に写真を撮ることも。夫はコスプレには全く興味のない人ですが、好きなことをやるのはいいんじゃないって、応援してくれています。

【写真を見る】コスプレイヤーに人気のレンタルスペースにて


丸 時間やお金のやりくりはどうされているんですか?

加 学生の頃に比べたら、かけられる時間は限られていますね。昔だったら、徹夜して衣装を仕上げちゃうなんてこともありましたが、今は平日子どもを保育園に預けている間、家事と仕事をして、趣味の時間も捻出します。夕方以降は子どもとの時間、そして夜夫が帰ってからは、15 ~30分程度ですが、夫婦のコミュニケーションの時間も取って、今後のことや趣味のことなども話しています。

丸 その辺りが、ご家族が理解してくれる要因でもありそうですね。

加 コスプレを再開してから、なんと体重が8キロも減ったんです。それまで、ストレスがたまって間食に菓子パンなどを買って食べていたのが、すっとやめられました。食費のムダも多かったので、なるべく家にあるもので手作りして、食費も節約できるようになりました。

丸 精神的に充実していると、優先順位がはっきりしてよけいなお金を使わずにすみ、実はお金も貯まりやすくなるんですよ。よく家計相談でお客様の収支を拝見すると、その方の暮らしぶりや精神状態が透けて見えるように感じることもあるんです。ところで、加藤さんはこれからお子さん2人の教育費の準備も必要ですよね。住宅を買う予定などはありますか?

加 上の子が小学校に上がる頃に、家を建てたいな、と考えています。

丸 自宅に撮影用のスタジオを造るなんていうのもありですね!

加 なるほど! それは思いつかなかった(笑)。夢が膨らみますね。

丸 加藤さんの場合、家計の内訳を見るとそれなりに貯蓄もしつつ趣味を楽しんでいらっしゃるので大きな問題はないのですが、もう少し貯められるという印象は受けます。食費はもう少し削れるし、通信費も、格安スマホなどを使えばラクに節約できますよ。また、現在は月々残ったお金をそのまま貯蓄しているようですが、月の貯蓄額を決めて残りで生活するようにしたほうがムダづかいしにくくなります。住宅購入を考えているなら、頭金が多ければ多いほど負担が少なくてすみますし、スタジオを造るなど、やりたいことをかなえられる可能性が高くなります。頭金が少ないと、その分妥協しなければいけないことも出てきてしまいますよ。

加 子どもたちの将来のためというのはもちろんですが、自分の夢のためと思ったら、やる気が出ます。

お金のプロ・丸山晴美さんが加藤さんの家計をチェック!


丸 何となく不安だからお金を貯めるというより、目的が明確だと、お金は貯まりやすくなります。結婚して、子どもが生まれたら、教育資金や老後資金など、今後かかるお金のために貯蓄は必須です。趣味のために生活費を無理に削ったり、貯蓄がゼロというのはNG。でも、きちんと貯めたうえで趣味を楽しむのはすごくいいこと! お母さんも、人として充実したいと思うのは当然だし、好きなことを楽しむことで、家族との関係がよくなったり、加藤さんのように起業するなど、可能性が広がることも。

加 コスプレ体験会の仕事で得た収入の範囲で趣味を楽しむことを意識していたのですが、将来のためにもっと貯蓄をがんばろうという気持ちになってきました。

丸 これからも趣味を楽しみながら、上手に貯めていってくださいね。

加 はい。ありがとうございました。

好きなことはやめられない。だったら仕事にするのもあり


綾波レイになりきってカシャッ!


青い髪で異彩を放つ女性。『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイのようですが……その正体は、2人の娘を育てる主婦、加藤さえさん。「私のコスプレはアニメやゲームのキャラが中心です。服が手作りだから、結構安上がりですよ♪」。そう明るく話す加藤さんも、かつては仕事と育児に多忙を極め体調を崩したことも。しかしその後会社を辞めて、コスプレで起業するというなんともパワフルなママです!

「子どもがいてもコスプレはできることを広く伝えていきたいと思っています。2018年は2人の子どもと東京ディズニーランドで仮装デビューも果たしました。いつかは夫も巻き込むのが夢(笑)」。日々の活動や、家族の衣装のためにも、加藤さんは日々節約にも励んでいます。

手作りの衣装を着て、子ど もたちと東京ディズニーラ ンドへ


加藤さんの1カ月の家計内訳


世帯収入 42万~43万円

妻の収入 4万円

ボーナス 給与2カ月分×年2回

家賃 8万2000円

食費 7万円 ← 趣味を続けるための“やりくり1、2”

水道・光熱費 夏1万円、冬2万円

通信費 2万円

服・美容費 2万円

交際費 1万円

図書費 0円

保険料 2万円

教育費 3万円(保育園2人分)

車費 1万8000円(駐車場代とガソリン代)

妻の小遣い 3万円

夫の小遣い 3万円

そのほか 1万円(お稽古代)

貯蓄 5万円(余った金額。変動あり)          

趣味費 2万円  ← 趣味を続けるための“やりくり3”

【やりくり1】食材はムダなものは買わず食費を抑える

買い物でよくあるダブり買い。「ムダな出費を避けるため、冷蔵庫の中の食材を徹底把握して、あるもので料理するようにしています」。

【やりくり2】食料品はタイムセールを狙う

食費を節約するため、買い物は近所のスーパーが値下げを始める午後4時まで待ちます。「値下げ商品でも、冷凍室に入れておけばしばらくもつので問題ナシ!です」。

【やりくり3】コスプレの材料は安く調達

「よい生地を使えばもちろんよい衣装ができますが、安い生地でも実はそんなに見劣りしません。小物もなるべく安く入手しています」。

材料にはお金をかけず、センスで勝負!


丸山さんよりアドバイス


収入と支出のバランスを見ると、もっと貯蓄できます。余った金額を残すのではなく「先取り貯蓄」にして、貯蓄意識を高めましょう!  趣味費はよいバランスです。

「きちんと貯蓄できていれば、趣味を楽しんでOK!」と丸山さん。さすが、自身も1児の母とあって主婦の気持ちに理解が深い! 趣味を生かした起業や、その先の楽しみのためにも、やっぱり“家計やりくり”は大切なんですね。

撮影=小林愛香(一部、登場者本人による撮影あり) 取材・文=井汲千絵(対談分) 近藤智子(加藤さん分)

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Information

コスプレが趣味の主婦:加藤さえさん
31歳。会社員の夫と長女(4歳)、次女(1歳)の4人家族。出産後も仕事を続けていたが、体調を崩して退職。大学時代からの趣味だったコスプレを再開し、ワクワクした気持ちを取り戻す。
ファイナンシャルプランナー:丸山晴美さん
節約アドバイザー、消費生活アドバイザー。暮らしに根づいた、初心者にも分かりやすい節約術やお金のアドバイスが人気。1児の母。著書に『「貯まる女」になれる本』(宝島社)ほか。

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