すべてマンガに描いてある(6)…おもしろいかもしれないこと、もうスルーしない!
『野田ともうします。』柘植文著 講談社

(c)柘植文/講談社

日々感じる喜びも悲しみも、すべてはマンガに描いてある…! マンガライター門倉紫麻が、大人のお悩み解決のヒントや知っておきたい今どき事情を、マンガを通して考察する連載です。6回目のテーマは「小さなコトに楽しみを見出す生き方」。

どうせ失敗するからやめておこう。何もしなければ傷つかないし。……でも本当にそれでいいのかな?と思っていたら、『野田ともうします。』に描いてあった!

眼鏡におさげのマイペース&「地味」女子大生・野田さん。性格も引っ込み思案?と思いきや、好奇心おうせいな行動派です。合コンに参加し、女相撲大会に出場、なんと大学のミスコンにも果敢に応募! 「らしくない」なんて思わずに、気になったらやってみる。うまくいかなくても気にしない!

もし野田さんが読者の手をぐいぐい引っ張って「さあご一緒に!」というような元気キャラだったら逃げ出したくもなるのですが、彼女はただ自分がやりたいからやっているだけ。いつも楽しそうな野田さんは、同級生のギャル男の心もつかむ、人気者なんです。

野田さんのさらにすてきなところは、ミスコン出場という大事も、日常のささいな出来事もどちらも等しく楽しめること。眼鏡屋さんの前に置いてある「眼鏡洗浄機」で眼鏡を洗うのだって、彼女にとってはドキドキの冒険。ふだん、おもしろいかもしれないことをいかに自分がスルーしていたかに気づかされます。

パリ暮らしエッセイマンガ『パリパリ伝説』で描かれるのは、スリにあったり、店頭とのやり取りに苦戦したりと困り顔続出のリアルなパリ生活(子育て中)。でも著者で主人公のかわかみさんは落ち込んだ次の日にも、行ったことのない所へ行き、やったことのないことをして、楽しんだり、再び困ったりをちゃんと繰り返すのです。

基本的にものぐさ&ビビリな私も、彼女たちを見ているとくるまっていた布団をえいや、とけり飛ばして、外に出たくなってきます。とりあえず、近所の商店街にある眼鏡洗浄機からトライ!

【文中に登場する作品】

●『野田ともうします。』柘植文著 講談社:東京郊外の大学に通う、栃木県出身の女子大生・野田さんの、地味だけれど忙しくて楽しい毎日を描く。バイト先(ファミレス)のギャルとおばさま、「手影絵部」の先輩、同級生のチャラい男子、陰気女子、周りの友達もいい味出してます!

●『パリパリ伝説-不思議いっぱいパリ暮らし!』かわかみじゅんこ著 祥伝社:フランス人の夫と結婚しパリで暮らす女性マンガ家の4コマエッセイ。異文化の中で戸惑い、落ち込み、それでも自分の足でぐんぐん歩く、おしゃれ、とは違うリアルなパリ暮らし。ぐんぐん成長していく「赤子」を見るのも楽しい!

※このコラムは『レタスクラブ』2011.4.10売り号掲載に掲載されたものです。月1回、漫画コラムを掲載していきます。