すべてマンガに描いてある(9)…じめじめ気分は”女のこぶし”でぶっとばせ!
『ラヴ・バズ 新装版』志村貴子著/エンターブレイン

梅雨空に引っ張られて気持ちもどんよりしがちな日々、スカっとしたいな、と思っていたら……『ラブ・バズ』に描いてあった!

失そうしていた「ヘタレ」女子プロレスラー・かおる。5歳の娘を連れ、練習場に何食わぬ顔で戻ってきます。失そうで多大な迷惑を被った周囲、特に相方レスラー・ゆりの怒りは相当なもの。となれば! そこはもう戦う女たちですから、リング上で「ばかやろー」と叫びキック! ヘッドロック状態でぶん殴り合いまくります。細かいことはいわずとにかく拳で決着をつける(女が!)姿は、理屈抜きで痛快! でもこうして拳を戦わせる中で、何となくみんなから許された?とかおるが思い始め たころ、相方のゆりはこういい放ちます。「あたしを怒らせるとしつこいよ 殴り合ってわかりあって ハッピーじゃ終わらないの」。思った以上の深い怒りと深い愛を感じるのと同時に、本人にはっきり「許してない」と告げるという、ゆりの格闘家らしい姿に、またしてもスカッとさせられるのです。

もうー作、『嫁姑の拳』の二人は、嫁はマーシャルアーツの達人、姑(しゅうとめ)は合気道の師範というつわものどうし。 卵焼きの作り方でもめ始めたのにいつの間にか「真の武闘家」論争に発展、キッチンで試合開始! 本格的な(というか非現実的な)アクション描写とギャグが満載で「どっちが悪いとかどうでもいいや!」と、嫁姑ものとは思えぬスカッと感を味わえます。

2作品とも拳を交えるのは格闘家なのでまねはできませんが(といいつつ私はボクシングジムに通ってサンドバッグに拳をたたきつけていたことが……痛快です)、気持ちがじめっとしたらひとバンチ、ありだと思います (もちろんスポーツかマンガの中で)!

【文中に登場する作品】

●『ラヴ・バズ』志村貴子著/エンターブレイン 

お母さんレスラーのかおると美人で強い相方のゆりを はじめ、女子プロレスの世界で潔く生きる人々を描く。厳しいプロの世界とのんぴりした日常がみごとに同居。かおるが丸刈りになる場面も必見!

●『嫁姑の拳(けん)』函岬 誉著/秋田書店

ともに格闘技を極めた嫁と姑。ささいなことがきっかけで、すぐに試合のゴングが鳴る! 時には手を結んで下着泥棒を退治するなど、結局似た者どうしの二人!? 手に取りやすい"総集編"も、コンビニなどで発売中!!

※このコラムは『レタスクラブ』2011.7.10売り号掲載に掲載されたものです。月1回、漫画コラムを掲載していきます。