5歳以下の子どもは要注意!「ヘルパンギーナ」
高い熱が出て食欲もない…。ヘルパンギーナかも!?

赤ちゃんや小さな子どもがかかりやすい、夏風邪の一種・ヘルパンギーナ。子どもだけでなく、大人に感染することもあるので要注意だ。その予防法と対処法を、水天宮前小児科院長・山田奈生子先生に伺った。

【高熱が出て、のどに水疱が発生】

梅雨ごろから真夏にかけて流行する、いわゆる夏風邪の代表格ともいえるヘルパンギーナ。「エンテロウイルス群というウイルスによる感染症で、5月ごろから感染が増え、7月ごろにピークを迎えます。赤ちゃんや幼児がかかりやすく、患者の大半は5歳以下ですが、二次感染により大人が発症することもあります」と、山田奈生子先生。

特徴的な症状は、発熱と、のどにできる水疱(すいほう) 。「39~40度の高熱が出て、のどの口蓋垂(のどちんこ)の辺りに、直径1~4mmほどの赤い水疱がぽつぽつと出現します。水疱が潰れると潰瘍となり強い痛みが出るため、子どもの場合、飲食を嫌がる、食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなる、うまく飲み込めないからよだれが増える、手を口に入れるようなしぐさをする、痛がって不機嫌になるといったことが見られます」。

では、大人が感染すると、どのような症状が起こるのだろうか。「子どもの場合、熱は2日ほどで治まりますが、大人の場合、発熱が長引く傾向があるようです。関節痛やのどの痛みがつらく、子ども以上に疲弊してしまう人も。妊婦がエンテロウイルスに感染すると、妊娠初期~中期であれば胎児への影響はないとされていますが、出産直前の場合、新生児が重いエンテロウイルス感染症にかかることもあります」。

【うがい、手洗いで感染を予防】

ヘルパンギーナの症状は、一般的には軽いものだが、まれに合併症を引き起こすこともある。「無菌性髄膜炎や、心筋炎といった命に関わる病気につながることもあります。発熱が4日以上続く、頭痛やおう吐、けん怠感などの風邪症状が長引く、むくみが出るといった場合は、早めに病院で受診したほうがいいでしょう。ヘルパンギーナの治療薬はないので、解熱剤などを用いた対症療法を行ない、自宅で安静にすることが必要です」。

飛まつ感染が主なので、予防法は風邪と同様に、うがい、手洗いが基本。「ヘルパンギーナの原因となるエンテロウイルスには複数の種が存在するため、ひと夏で何度も感染することがあります。外出先から帰宅したら、必ずうがい、手洗いを習慣にしましょう。手洗いは流水で、爪の間も念入りに。また、ヘルパンギーナは便にウイルスが排出され、糞口(ふんこう) 感染もあります。子どもが感染した場合は二次感染を防ぐため、おむつや便の処理に注意し、処理後は充分に手洗いをしましょう」。免疫力が低下しているときにも、ウイルスに感染しやすくなる。うがい、手洗いはもちろん、栄養たっぷりの食事をとり、規則正しい生活を心がけることも重要だ。

【ヘルパンギーナ感染時の注意点】

重篤にはなりにくい感染症だが、その症状は当人にはつらいもの。感染時に注意したいポイントを紹介。

●飲み込みやすい食事を

のどに水疱や炎症がある場合、痛みのせいで食事がとりづらくなる。赤ちゃんにはベビーフードに片栗粉でとろみをつけるなど、口当たりがよくて、飲み込みやすいものを意識して与えてあげるといい。また、少量でもカロリーをとれるさつまいもやバナナをペースト状にするのもおすすめ。酸味や塩味の強いものは刺激になるので避けて。

●経口補水液で脱水症状に対処

脱水状態を起こしたときは、ただの水ではなく、失われた水分や電解質を素早く補給するため、経口補水液を摂取するといいだろう。ゼリータイプのものは口の中で溶けて、のどの炎症が強くても比較的とりやすいので、ぜひ活用してみて。

●乳幼児に起こりやすい熱性けいれんとは

乳幼児は、発熱に伴い熱性けいれんというひきつけを起こすことがあります。発熱時にひきつけを起こしたら、慌てず体を平らな場所に寝かせて、気道を確保するため顔を横に向ける。5分以内に症状が治まらない場合は、救急車を呼ぶか病院へ。ただし、初めて熱性けいれんを起こしたときは、別の病気の可能性も考えて早急に病院で受診しよう。

子どもの夏の発熱=ヘルパンギーナの可能性大、と覚えておくと慌てなくて済むかも。暑い中の発熱はつらいもの。家族みんなで注意しよう。【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】