ワケアリな人々を癒やす素朴な味。豊富なレシピもお役立ちのグルメ漫画『29時の朝ごはん』著者に聞く、お味噌汁の魅力とは

#食   
 『29時の朝ごはん〜味噌汁屋あさげ〜』

基本的に、どんな食材でも具として受け入れてくれる、懐の深いお味噌汁。冷蔵庫に余っている食材やそのときに安かった旬の野菜、使いかけの乾物など、組み合わせる食材も選ばないので、主婦のとっても強い味方です。

そんな、私たちにとって最も身近な郷土料理・お味噌汁を通して、さまざまな人間ドラマを描くのが『29時の朝ごはん〜味噌汁屋あさげ〜』。読めば、お味噌汁のように身も心も温めてくれるだけでなく、今すぐ真似したくなるレシピも満載! おいしいものが大好きな読者のみなさんに、ぜひ手に取ってほしいグルメ漫画なのです。

リアルに役立つお味噌汁レシピは必見!

 『29時の朝ごはん〜味噌汁屋あさげ〜』より

 『29時の朝ごはん〜味噌汁屋あさげ〜』より

物語の舞台は、眠らない街・歌舞伎町。その片隅にあるのが、夜の街とは少し毛色の異なる小さな定食屋「あさげ」です。朝の5時から開店し、提供するメニューは丁寧にだしをとって作る日替わりのお味噌汁と温かいおにぎりだけ。
そんな一風変わったこの朝ごはん屋を営むのは、アリスとうららの若い姉妹。夜の街に疲れた「ワケアリ」の人々が毎朝ふらりと訪れ、さまざまな人間ドラマが展開されます。

また作品の中には、油揚げやネギなどが入った懐かしさを感じるお味噌汁、真っ黒なイカ墨汁、韓国のお味噌汁・テンジャンチゲなど、定番から変わり種まで多彩なお味噌汁が登場。さらにレシピも載っていて、気になるものはすぐに再現することができるのも、こちらの作品の魅力です。

本作を描いた佐倉イサミさんに、作品の見どころとともにお味噌汁の魅力についてお聞ききしました!

お味噌汁は最強!ご当地の味も再現できます


 『29時の朝ごはん〜味噌汁屋あさげ〜』より

――ストーリーを楽しむとともに、お味噌汁の魅力を知ることもできる本作。第4話では出汁や味噌、食材の組み合わせについてのお話が出てきますね。佐倉さんが作品を描く中で、新たに発見したお味噌汁の魅力は?

佐倉イサミさん:料理が苦手な人でもおいしく作れる、最強の汁物だと思います!「この食材を使った話を描きたいな…」と思ったときに、だいたいレシピに失敗がないので、物語を作るうえで本当に助かりました。「漫画のネタに困らない」が、新たに発見したお味噌汁の魅力かもしれません(笑)。

 『29時の朝ごはん〜味噌汁屋あさげ〜』より

――作中には様々なお味噌汁が登場するため、お料理好きの読者にとっても参考になると思います。佐倉さんが実際に作ったり食べたりしたお味噌汁の中で、お気に入りを教えてください。

佐倉イサミさん:テンジャンチゲ(韓国のお味噌汁)は新大久保のコリアンタウンで実際に食べました。韓国味噌も漫画にする際に初めて買ったので、新たな出会いのお味噌汁として気に入っています。いつか韓国旅行で本場のものを食べてみたいです。

『29時の朝ごはん〜味噌汁屋あさげ〜』より


――作中に出てくるレシピ以外で、佐倉さんにとって思い出のお味噌汁、もしくは佐倉家ならではのお味噌汁はありますか?

佐倉イサミさん:沖縄で出会ったゴーヤの味噌汁は「ええっ、ゴーヤ!?」と衝撃的だったので、食べたお店や座った席まで鮮明に覚えています(笑)。実際に食べてみると、茹でたことで苦味が抑えられてとっても美味しいんです。今では我が家でも夏に食べるお味噌汁メニューになっています。

――佐倉さんにとって、「あさげ」のような心を癒すお店や場所はありますか?

佐倉イサミさん:心に余裕がなくなったときや行き詰まったときは、プラネタリウムへ行ってリフレッシュしています。満点の星空の中にいると、いろいろな悩みがちっぽけに思えて、家に帰る頃には6時間睡眠したくらい心と体がスッキリします!

愛着が湧く、人間味あふれる登場人物にも注目


――佐倉さんの描く作品は、『29時の朝ごはん』のように意外な組み合わせや、『もふっとキャンプ』のように時代の流れを汲み取ったテーマも印象的です。作品の構想を練る際に心がけていること、大切にしてい ることは何ですか?

佐倉イサミさん:私は人情話が好きなので、キャラクターに人間臭さを出したいと思いながら試行錯誤しています。もふもふな動物たちが繰り広げるキャンプ漫画「もふっとキャンプ」は動物が主人公ですが、彼らも人間臭いです! 欠点や悩みがキャラクターへの愛着や共感につながると思っているのですが、行き過ぎると、ただ読者がイライラする作品になってしまうので、日々模索しています。

『29時の朝ごはん〜味噌汁屋あさげ〜』より

――次の作品の構想やテーマにしたいことなど、今後の作品の展望はありますか?

佐倉イサミさん:『29時の朝ごはん』を連載していたCOMIC BRIDGEで、『お茶の間スイーツガーデン』という新連載が始まりました。孤独なお婆さんと謎多き女装男子のコンビが繰り広げる”映えスイーツ”漫画で、『29時の朝ごはん』と同様にレシピ付き。なので、お話とスイーツ作りの両方を楽しんでもらえたら嬉しいです!

――最後に、読者にひと言メッセージをお願いします。

佐倉イサミさん:連載が終了した作品を、再び沢山の方に読んで楽しんでいただけることがとても嬉しいです。ありがとうございます! 実際に作ってみた作中のレシピや、おすすめのお味噌汁の具材などあったら教えてください♪

    *     *     *

佐倉イサミさんの『29時の朝ごはん』は、お味噌汁にも無限の可能性があることを教えてくれます。読み進めるうちに、ふだん何気なく作っているお味噌汁を、ちょっと工夫してみようかな…という気持ちになってきますね。
素敵なお味噌汁レシピが満載の作品の中から、あなたの食卓の定番になりそうな味、見つけてみませんか?

取材・文=松田支信

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