すべてマンガに描いてある(10)…女1人の家ごはんはズボラ+恥じらいで!
『花のズボラ飯』

女1人の「外食」について語られることは多いのに、家族の留守などでふいに訪れる女1人の「家ごはん」についてはあまり語られない…みんな何食べてるの!?と思っていたら、『花のズボラ飯』に描いてあった!

30歳の主婦・花は、夫が単身赴任中につき1人暮らし。自分おためにだけに、毎日「ズボラ」に料理します。鮭フレークとマヨネーズを混ぜ食パンにのせて焼く「シャケトー」、きのうのみそ汁にきりたんぽを投入した朝ごはん、コンビニの鮭おにぎり+塩昆布+梅干しでお茶漬け、などおもしろくておいしそうな「ズボラ飯」の数々が登場します(時に鍋からじか食い、キッチンで立ち食いもアリ)。

ところが花から受ける印象は、ダメ主婦ではなくかわいい奥さん。「約8分で今夜の夕食終了!!」「That's清貧ディナー」と自嘲(じちょう)のつぶやきを口にし、愛する夫にはズボラ飯のことは秘密にする花……そう、ズボラな自分を楽しみつつも「どーせ誰も見てないし」「おいしければいいの」などと開き直ったりせず、恥らう気持ちもちょっとある。それが花のキュートさのゆえんなのかもしれません。

また、食べ物ギャグ漫画『おいピータン!!』3巻あとがきには、著者・伊藤理佐による女1人の「ズボラ出前」道が! 坦々麺(タンタンメン)&炒飯(チャーハン)は大盛で注文、お昼に坦々麺を半分食べ、おやつに「汁をすってのびた」のを半分、夜は汁にごはんを入れて「お雑炊♡」。炒飯は3つに分けて冷凍、好きなときにチーン。……でも伊藤さん、炒飯に「青ジソをきざんでまぜるのがささやかな抵抗…」と"自嘲"し、「ラーメンやさんにひとり暮らしだってばれたら、私は本当に恥ずかしいです」。すてきな(?)ズボラ飯には、やはり恥じらいが必要……心にしかと刻みます(反省)。

【文中に登場する作品】

●『花のズボラ飯』久住昌之原作 水沢悦子作画/秋田書店

夫が単身赴任中の主婦・花が作る、ズボラで楽しい1人ごはん満載。時には豪快にステーキだって焼きます(つけ合わせはないけど)。なかなか会えない夫のにおいつき毛布にくるまる花がかわいい!

●『おいピータン!!』伊藤理佐著/講談社

「男前なデブ」こと大森さんとその恋人を中心に、食を通して人間関係を描く、オムニバス(主にギャグ)作品集。恋人の好物、イクラのしょうゆ漬けを誕生日にないしょでどっさり作ってあげる(筋子から!)大森さんがすてきです!!

※このコラムは『レタスクラブ』2011.8.10売り号掲載に掲載されたものです。月1回、漫画コラムを掲載していきます。