夜は元気なのに、朝起きられない…それ「副腎疲労症候群」かも
夜は元気なのに、朝起きられない…それ「副腎疲労症候群」かも

イラスト=林ユミ

副腎とは聞き慣れない臓器だが、健康を左右するホルモンをつかさどっている。原因不明の疲れや、だるさ、イライラといった症状は、この副腎が関係しているかも。

■ストレスから体を守るホルモンを分泌

副腎という臓器は、体にとって非常に重要な役割を担っている。

「腎臓の上にきのこのかさのように覆いかぶさっていて、血圧や血糖値を正常に保つ、ストレスから体を守るなどといった、生命の維持に関係する多数のホルモンを分泌しています。この副腎の機能低下により、疲労感やけん怠感といった、さまざまな身体症状が現われることを副腎疲労症候群といいます」と、藤森徹也先生。この原因はストレスにある。

「副腎で分泌されるホルモンの一つに、抗ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールがあります。これはストレスがかかった際に分泌されて体を守る働きがあるのですが、過剰なストレスが長期間続くと、大量のコルチゾールを分泌することに副腎が疲れてしまうのです。ストレスの感じ方は人によって異なりますが、特に働き盛りの30~40代の男女に多く、仕事量の増加や、家事と仕事の板挟みなど、身近なことがきっかけになる場合もあるようです」。

ストレスは精神性のものだけではなく、「カビがまん延した部屋の空気を長期間吸い込んだことによる慢性的な感染症や、体に合わないものを食べ続けたことによる腸の炎症といった肉体的なストレスも原因に。炭水化物や甘いもののとり過ぎもよくありません」。

■ホルモン分泌の異常により昼夜逆転生活に?

いくら休んでも疲れが取れない、頭は冴えているのに体が動かないといった症状が代表的だが、「朝は体がつらくて起きることができないけれど、夕方ごろから元気が出てくるという症状が特徴的。これはコルチゾールの分泌の乱れによるものです。コルチゾールは脳の活動源でもあるため、健常であれば、朝に最も多く分泌し、夜にかけて徐々に減っていきます。ところが副腎の機能が低下すると、これが逆転し、夜に体が興奮状態になります。すると夜更かしをしてしまい、次の朝もまた起きられないという悪循環にもなりやすく、周りからは、ただ怠けているだけ、と誤解もされやすいのです」。

症状に心当たりがある場合は、早めに専門の病院で受診しましょう。

「病院では、まず唾液中のコルチゾール濃度を計測するテストを行ないます。治療は主に、副腎を回復させるために必要なビタミン、ミネラル類のサプリメントの服用や、副腎を作るホルモンの原材料となるホルモンを補充する方法が有効です。そして何よりも、生活スタイルや考え方の癖を変える、力を抜くことを覚えるなど、根本的な原因となるストレスを取り除くことが非常に重要になります」

小さなストレスも、積み重なれば重篤な症状の原因になりえる。体のSOSを見逃さないようにしよう。

【副腎疲労症候群のセルフチェック】

部屋を暗くし、ペンライトで瞳を下から照らし(直接目に当てないように)、瞳孔の状態をチェック。通常、暗くなると瞳孔が開き、光を当てると収縮しますが、副腎の機能が低下している場合は、収縮した後、数十秒~数分たつと瞳孔がふわーっと開く傾向にある。

【副腎の健康を保つ生活習慣のポイント】

毎日の食事や生活習慣を見直して、副腎の元気をキープして。

・糖質を控えながらビタミンCを摂取/血糖値の大きな変動は、副腎に負担をかける原因になる。血糖値を急上昇させる甘いものや炭水化物のとり過ぎに注意して。積極的にとりたい栄養素はマグネシウムや亜鉛。マグネシウムはアーモンドやするめ、亜鉛は牡蠣や豚肩ロース肉に含まれている。

・充分に休息を取り体も心もリフレッシュ/しっかり休息を取ることも大切。時には家事や仕事を忘れて、心身ともにリラックスできる時間をつくって。質のよい睡眠も健康的な体づくりには不可欠。寝る前にはテレビやスマホなどから離れ、できれば早めに就寝の準備を整えるといいだろう。【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】