【電子レンジおすすめ9選】時短調理の強い味方!選び方のポイントを専門家が解説

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【電子レンジおすすめ9選】時短調理の強い味方!選び方のポイントを専門家が解説

私たちの日々の料理や食事に欠かせない調理家電「電子レンジ」。最近では、食品のあたため・解凍機能のみだけでなく、オーブン機能やスチーム機能などが搭載された多彩な電子レンジも登場しています。

そこで今回は、料理タレント評論家で、キッチンまわりの評論も得意とする“さわけん”さんに協力を依頼。プロの目線でおすすめの電子レンジや、選び方のポイントについて教えていただきました。

▶︎教えてくれた人
さわけんさん

科学する料理研究家/キッチンまわり評論家・さわけんさん

科学する料理研究家/キッチンまわり評論家
2010年よりキッチンまわり評論家として毎月30品〜50品の食品や調味料を実食検証。「LDK」「MONOQLO」「家電批評」などモノ比較雑誌でさまざまな調理器具、食品類を比較、検証している。
HP:https://s-d-m.jp/talents/sawaken/

電子レンジの種類・タイプを解説


電子レンジは、シンプルなあたため機能のみ搭載されている単機能電子レンジから、オーブン機能を持ったオーブン電子レンジ、スチーム熱によってレシピ機能が豊富に備わっているスチームオーブンレンジまで、さまざまな家電メーカーから幅広く展開されています。そのため、電子レンジを使って何をしたいかという目的に応じて、実際に購入する電子レンジを選ぶことが重要です。
まずは、自分に適した電子レンジはどの種類でどんなタイプなのか、それぞれの特徴を解説します。

オーブンレンジ

オーブンレンジは、加熱機能とオーブンのようなグリル機能の両方が搭載されている電子レンジ。お菓子作りや肉などを焼きたいときに活躍してくれます。

「オーブンレンジには、大きく二つの加熱方式があります。ヒーターの熱を庫内のファンで全体に循環させて加熱する『熱風循環方式』。もう1つは、庫内の上下部に備わったヒーターの熱を利用して加熱する『上下ヒーター方式』です。この加熱機能によって、パンやお菓子のほか、ローストチキンなど手の込んだ料理を作ることができます。

グリル機能は、庫内上部などのヒーターを利用して食品の表面を焼き上げる機能。焼き色を付けることができ、ハンバーグや焼き魚などを作るのに向いています。ハンバーグやグラタンは、表面を焼き上げてくれるグリル機能を使うとよりおいしく仕上がりますよ」(さわけんさん・以下同)

オーブン機能が搭載されることで、料理のレパートリーがぐっと広がります。

スチームオーブンレンジ

「スチームオーブンレンジ」とは、100℃以上の高温の水蒸気で加熱するスチーム機能が搭載された電子レンジです。水蒸気が出ることで、オーブンレンジよりもさらに作れるレシピのバリエーションが広がります。

「スチームオーブンレンジですと、焼く・煮る・蒸す・揚げるといった調理法が可能です。庫内に水蒸気が発生することで、食材のパサつきを防いでくれることも大きなメリット。そのため、食材がふっくらと仕上がります。各メーカーで水蒸気の温度には差があり、普通のオーブン機能に水蒸気が加わるタイプと、水蒸気の温度で加熱するタイプの2つがあります。

蒸気の熱で焼くタイプのオーブンには、ウォーターオーブンというタイプもあります。シャープの『ヘルシオ』が代表的ですが、高温の加熱水蒸気が庫内に広がり加熱するため、時短調理を可能にします。余分な油分や塩分を取り除きながらも、食材の栄養素をキープしてくれるので、ヘルシー志向の人にもおすすめです。また、高温の水蒸気と火力の強いヒーター、ダブルの力で加熱するので、揚げ物をあたため直した際も、カリッとした作りたてのような食感に仕上げてくれますよ。

メーカーによって、レシピの搭載数や操作性が変わり、なかには、ヒーターとスチームで食器を除菌して、きれいにしてくれる機能が付いたものもあるので選択肢がぐっと広がります」

スチームオーブンレンジは水蒸気が発生することにより、短時間で食材をあたためるほか、グリル機能を使って時短料理がしたいという方にぴったり。また、お任せ調理機能を使用すれば、別の作業をしている間に料理が完成します。ガスコンロやIH調理器を使っていると、目が離せない状況になってしまいますが、そんなときにお任せ調理機能があると、電子レンジのボタンを押したら後は放っておくだけなので、その間にほかの家事や子どもの世話をすることができます。とくに小さなお子さんのいる家庭にとってはありがたい機能ですね。

単機能電子レンジ

単機能電子レンジとは、シンプルに食材や料理をあたためる機能に特化したモデルです。オーブン機能が付いておらず、比較的小型で低価格のものが多く見られます。あまり料理をしない人や、電子レンジを下ごしらえ程度で使いたいという人におすすめです。

「機能としてはあたためるだけですが、実は最近の単機能レンジもオート機能が充実しています。飲み物・ご飯・お弁当など、実際にあたためるものに応じたあたため方で自動的に加熱してくれるメニューボタンが搭載されているタイプもあるんですよ。ほかにも、解凍機能が付いているものは、冷凍した肉や魚の解凍ができるなど料理の下ごしらえに活用できるため、自炊をする方にもぴったりです」

単機能電子レンジは、ボタンやダイヤルが最小限のシンプルな機能性により、操作が簡単なのも魅力です。値段も5,000円~1万円の価格帯が多いので、あたため・解凍ができれば充分という人にとっては、コスパのよい電子レンジといえます。

電子レンジを選ぶ5つのポイント

ここからは、電子レンジの選び方について解説します。近年の電子レンジは、センサー機能が高性能になっていたり、自動レシピメニューが豊富に搭載されていたりと、その進化はめまぐるしいものがあります。高性能であるほど、できることのバリエーションは広がりますが、その分価格も高くなりがち。

そこで、ここでは「容量」「センサー機能」「庫内のタイプ」「最大出力」「用途」の5つの点から、電子レンジを選ぶポイントについてくわしくご紹介していきます。

電子レンジの機能を最大限に生かすためにも、ご自身にぴったりのタイプを探してみてください。

容量とサイズ

まず、電子レンジ購入の際に決めておきたいのが、容量(L)とサイズです。

「一般的に容量は、2人以下なら25L、3~4人なら26~29L、4人以上なら30L以上が適しているといえます」

サイズは、おおよそ20L未満で約幅450×奥行き35mm、30L未満で約幅500mm×奥行き400mm、30L以上で約幅500×奥行き450mm以上となっています。30L以上になるとサイズはもちろん、重量も商品によっては20kg程度出てくるため、置き場所の安定感も必要です。

基本は多くの機能が搭載されているほど大きくなるため、機能面よりも省スペースでの設置を優先したい場合は、単機能のモデルを選ぶようにしましょう。
また、扉の開く向きが左右なのか、上下なのかによってもスペースを考慮する必要があります。オーブン機能では一般的に、上部・左右・背面とそれぞれ10cm前後の放熱スペースも必要になりますので、レンジのサイズとは別に必要なスペースについてもチェックしておくことが大切です。

センサー機能(赤外線センサー・温度センサー・蒸気(温度)センサー・重量センサー)の特徴と違い

レンジの性能に大きく関わってくるのが、センサー(計測器)です。それぞれの役割を紹介します。

<赤外線センサー>
赤外線の測り方は主に3種類存在するため、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。

①真ん中を測る・・・庫内の中心1点だけを測定します。シンプルであり、赤外線センサーのなかでは一番安価となっています。測るスポットが1点のため、あたためのムラが発生しやすいのがデメリット。例えば食品を60℃であたためたい時に、中心が60℃に達した時点であたためが終わってしまうため、外側が40℃のまま、というケースもあります。

②スイングしながら全体を見る・・・庫内全体をセンサーが上下左右に動きながら全体の温度を測るため、あたためのムラが少なくなります。

③常に全体を測る・・・庫内全体をセンサーがスイングして、いくつものセンサーが赤外線を計測。高性能の加熱コントロールで、ほぼ均等に加熱をしてくれます。

<重量センサー>
総重量(食材+皿)のあたため前後の重量差から加熱時間を計算しています。レンジ機能のうち、オートでの加熱時に使われるセンサーです。重量によってあたため時間を計算しているため、重い食器を使うとあたため時間が長く、対して軽い食器の場合はあたため不足になる傾向が見られます。食器は食材と同じくらいの重さのものを使うと、上手に加熱することができます。

<蒸気(湿度)センサー>
あたため中に食材から出る水蒸気の「熱」を検知して、加熱時間を計算する蒸気センサーに対し、水蒸気の「量」を測るのが湿度センサーです。いずれも水蒸気を測るため、ラップや蓋をしていると必要以上に加熱時間が延びてしまう可能性があるので注意しましょう。また水分が少ない食材を加熱する場合はうまく作動しないこともあるため、自動調理ではなく手動で加熱時間を設定するようにしましょう。

<温度センサー>
オーブン機能での加熱時に、庫内の温度を管理し制御することで、設定した温度がキープされる仕組みです。オートメニュー使用時は、庫内の温度管理だけではなく、立ち上がり時間から焼き上がり時間を算出。適切な時間で焼き上げてくれるため、調理を任せることができます。

「従来の重量センサーや蒸気センサーは、食品の温度を推定するだけでしたが、赤外線はピンポイントで計測できるので、この計測ポイントが多いものほど熱の偏りも少なく、ムラなく仕上げる高性能な電子レンジといえるでしょう。

また、この赤外線センサー機能を最大限生かすには、耐熱性があるプラスチックやシリコン容器、耐熱ガラスなど、電波をちゃんと透過させられる食器を使うのもポイントです。例えば、水分が多く含まれている陶磁器や木などの食器だと、センサーがこの水分に反応し、器だけが熱くなって食品に熱が届かなくなるという現象が起きてしまいます。

それだけ赤外線センサーは性能が高いため、食品を均一にあたためるという点においては、ワット数よりこのセンサー機能が重要です」

加熱ムラが気になる人は、食材の温度を測る「赤外線センサー」付きがおすすめです。「重量センサー」「温度センサー」など、ほかのセンサーにこだわりがなければ、「赤外線センサー」付きのレンジを選ぶとよいでしょう。

ターンテーブルかフラットテーブルか

レンジには、回転式の皿が付いているターンテーブルと、皿がなく平らなタイプのフラットテーブルの2種類があります。それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

「ターンテーブルは食品を回すことで、加熱のムラを少なくするという機能です。あたための仕組みとしては、センサーが出ていて、それが庫内を反射しながら水に吸収されていくというもの。このセンサーを食品に均一に当てるために、“食品を回す“という発想になったんですね。

とはいえ、現代の高機能センサーはあたためるところに狙いを定めて加熱できるようになりました。つまり、回る必要がなくなったんです。そのため、フラットテーブルはそれだけセンサーの機能性が高いということにもなります」

赤外線センサーが付いている場合は、フラットテーブルがおすすめですが、フラットテーブルはセンサーが高性能になる分、商品価格が上がりやすいという側面もあります。予算が限られている人は、ターンテーブル式から探してみるといいかもしれません。

また、ターンテーブルを外して丸洗いしたいのか、フラットな庫内をそのまま拭き掃除したいのかなど、どのように手入れしたいのかで選ぶのも、電子レンジ選びのポイントです。ほかにも、ターンテーブルの場合、テーブルよりも小さいものしかあたためられないため、庫内の広さが必要な場合はフラットテーブルを選ぶなど、諸々の事情を考慮して、ご自身の予算と目的に沿ったものを選びましょう。

最大出力

電子レンジを選ぶ際の基準にもなっている出力数「ワット(W)」とは、簡単にいえば食品をあたためるために使われるエネルギーの強さです。

「ワット数が大きくなると加熱能力が高いため、例えばパスタを茹でるなら高めの1,000Wが使えると時短になります。お弁当をあたためるくらいなら、600Wあれば十分。冷凍したお肉などを解凍したい場合は、200W程度の低出力で時間をかけて熱を加えるのがベストです。

ちなみにコンビニに設置されている電子レンジは1,200W程度のものが主流。お弁当を素早くあたためることができるので時短を重視する人には1,000W程度の出力が可能な電子レンジを選びましょう。惣菜などは水分も多く焦げることがめったにないため、高温であたためても問題ありません。

ただし、糖分が多く水分が少ない食材に関しては、低温でゆっくりあたためるようにしましょう。例えば電子レンジで焼き芋を作る際は、100~200W程度で時間をかけて熱を通します。そうすることでうまみ成分をぎゅっと凝縮し、最後に高温でガツンとあたためることで、おいしく仕上がります。ワット数の幅があると調理のレパートリーも増えます。

ただし、購入する際に注意が必要なのは、最大出力を出せる時間が決まっているということ。例えば、商品説明で最大出力は1,000Wのものであっても、その時間が5分などに制限されているものもあります。野菜をまるごと調理する際など、1,000Wで5分以上の調理が必要なケースもあるため、仕様はしっかりとチェックして選ぶようにしましょう」

何を作るか・用途


電子レンジには大きく3つの種類があると前述しましたが、選ぶ際にはどういった用途で使いたいのかが選び方のポイントになります。

「スチーム機能の付いた電子レンジは、搭載されているレシピ機能を使いたい人におすすめです。自分で調理をしたいという人や、食材の下ごしらえ・お菓子作りができれば十分だという人には、レンジ・オーブン機能の2つがあれば充分でしょう。

ちなみにスチームオーブンレンジはレシピ機能が多く搭載されていますが、各メーカーによって特徴が異なります。どれがよいというよりは、自分にとっての使いやすさが重要です。

例えばパナソニックはパスタ・煮物・中華料理が10分で作れる「10分調理」機能に優れています。東芝は、石窯ドームによる高温調理を得意としています。日立はフラット構造でトレーが外せるため、手入れがしやすくなっています。シャープの「ヘルシオ」は、過熱水蒸気の熱を食品に与えて焼き上げていきます。そのため熱効率がとてもよく、空気を通して熱を与えるよりも、より早く食品に火が通ります。

一般的な機能があれば十分だという人には、アイリスオーヤマもよいでしょう。一般的なオーブン・あたため機能が付いていながら、販売価格が安いので価格を抑えたいという方にはおすすめです」

次ページ:種類・タイプ別のおすすめ電子レンジ(2/2)

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