42歳女性が夢中になった「会ってくれないバツイチ男性」。仕事と子育てに追われる彼女の出会いの行方

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男の人の手に触れたいと思ったの

仕事、子育て、離婚。もう酸いも甘いも嚙み分けたつもり。でもやっぱり恋愛のことは…、わからない。大人になってからの恋愛の難しさ、経験された人もいるのではないでしょうか。
”相手の気持ちがわからない”恋愛の立ち行かなさは、いくつになっても胸を苦しめるものですよね。

そんな大人の女性の不器用な恋愛模様を描き、290万PV超を獲得した衝撃のセミフィクション『わたしが誰だかわかりましたか?』。バツイチ男性との出会い。それぞれの人生を送る友人たちの辛辣な言葉、そして"母親でいなければならない”子どもの存在。新しい恋に浮かれるけれど、ブレーキをかけるのは自分自身…? 主人公と同世代からも多くの共感を呼んだストーリーがどのように生まれたか、著者・やまもとりえさんにお話しをお聞きしました。

きっとこれは運命の恋、でもそう思っていたのは私だけだった?


【ストーリー】離婚を経験し、誰かを信じることに疲れ切っていた42歳会社員・海野サチ。ずっとまじめに生きてきたつもりだった彼女の生活には、いまや手厳しい言葉を浴びせてくる元同期の友人たちに、反抗期の一人息子・サトル。そしてその息子を養うための仕事だけ。友人たちに離婚の理由を「価値観の違い」と話せば「他人なんだから価値観は違って当たり前」「もっともっと大変な人もいるんだからさー」という反応。子どもに話しかけても部屋にとじこもりがち…。
そんな毎日に閉塞感を感じていたサチが出会ったのは、仕事の集まりで意気投合した同じバツイチ子持ちの男性。「昔からあなたのこと知ってたみたいな不思議な感覚」「初対面でこんなに楽しいことあんまりなくて」などドキっとする言葉をかけられ、ときめくサチ。しかし、彼は仕事を理由に決して会ってはくれなくて…。平凡な物語はやがて、予想を覆す結末へと向かっていきます。

恥ずかしながら…


他人事だとは思えないリアルさ。「どこかにありそうな物語」の誕生

今どき離婚なんてめずらしくないはず

──『わたしが誰だかわかりましたか?』について、本作を描こうと思ったきっかけをお聞かせください。本作は”セミフィクション”ということですが、着想やアイデアなどはどのようなところから掴んでいったのでしょうか?

やまもとりえさん:前作の『わたしは家族がわからない』と同じで、企画をいただくところから始まりました。最初の設定やあらすじを受け、それを私が描きやすいように変えていく、という感じです。今回は勝手に登場人物を増やしまくりました。
「セミフィクション」ということで、「すべてが実際の話ではないけど、どこかにありそうな物語」ということは意識していました。

大人だからこそ、こじらせてしまう?無神経なひと言、隠しがちな感情

私は素直に「おめでとう」って言ってあげるよ

──主人公のサチが40代のシングルマザーという設定ですよね。偶然出会ったバツイチの男性と進展したいけれど冷めた視点も持っていて、酸いも甘いも経験してきたからこその言動があると思います。。やまもとさんご自身もサチと同世代かと思いますが、サチの言動などに共感する部分はありますか?

やまもとりえさん:共感する部分はあると思います。40代になって変に経験だけは積んでるからこそ、思い込みが激しくなっちゃったり、勘違いすることもありそうだし、恋をしても浮かれた自分と俯瞰で見てる冷静な自分がいそうだなって。
無神経な一言で人を傷つけたことも、きっとあるんだろうなと思います。大人だからこそ上手にこなせなくて、拗らせちゃってる部分はあると思うんですよね。

──前作『わたしは家族がわからない』では「家族のあり方」「平凡な家庭に潜む闇」といったテーマがあったかと思います。今回の『わたしが誰だかわかりましたか?』は「人を信じること」の意味にサチが翻弄されていくストーリー、表立っては見えない、見せようとしないサチの心の中がかき乱されていくさまに、つい感情移入してしまいました。特に印象に残るシーンはありますか?

やまもとりえさん:味方が欲しかったサチが(意中の男性である)川上に会いに会社の前まで走っていったのに、元夫のことを思い出しスン…となるシーンは、人によっては意味がわからないと思うのですが、「人に期待しても虚しい」ということを知ってるサチが取りそうな行動だなと思っています。傷つきたくなくて感情を殺すシーンです。

帰ろ

読み手によっても印象は変わる?主人公を取り巻く手厳しい友人たち

もう彼氏できたって本当?

──サチを含む元同僚の友人グループですが、ひとりひとりの性格や辛辣な会話に「こんな人いるいる!」と思ってしまいました。登場人物のモデルなどはいるのでしょうか?

やまもとりえさん:モデルはいません。でも会話シーンは特に考えなくても描けたので、普段の友人との会話のような感覚で描けたのかなと思います。

──もしやまもとさんご自身がサチの友人グループのひとりだったとしたら、サチの恋愛事情にどんな言葉をかけますか?

やまもとりえさん:40代になって、子育てか健康の話しかしなくなっているので「恋愛の話!? もっと聞かせてー!」ってなると思います。でも相手の様子がおかしいなと思い始めたら、遠回しに「やめとけば…?」って言っちゃうかも…。

だいたい不倫してるから


仕事も大事だけど、子どもも可愛くて葛藤の日々です…!

あのさ

──サチがメールのやり取りに浮かれたり、ついに彼に会える!という日にはりきっておしゃれをするなど恋愛モードになる一方で、息子の不調にも気を配るという母親としての立場や気持ちが伝わって来ました。やまもとさんご自身の生活の中でも、仕事や子育てモードから少でも解放されたい、と思う時はありますか?

やまもとりえさん:育児でも仕事でも、寝不足が続くと「もう何もかもやめて南の島に行ったろかしら」という危険な思考になりがちです。睡眠って大切ですね。あと「もっと仕事に集中したい」と思う時ほど子どもが熱を出しがちで、そういう時はサチと同じで後ろ髪ひかれつつ子どもの元へ向かいます。仕事も大事だけど、子どもも可愛くて、毎回「ううう」となってます。

誰しも一度は経験あり!?SNSでの知り合い探し

横の子可愛い… 知り合いとか…かな

──別れた恋人などをSNSで調べてしまうというのは、現代人あるあるだと思います。自分の心を軽くしたい、欲求を解消したいがために行なう行為だと思うのですが、さらにモヤモヤしたり落ち込んだりしてしまいがちですよね…。やまもとさんご自身もそんな経験、ありますか?

やまもとりえさん:かなり前の話ですが、高校生の時に好きだった男の子の名前は調べたことがあります。でも出てこなかったんですよね。それで今回の漫画を描く時に「出てこないかもな」と思いつつ、昔こっぴどくフラれた恋人の名前を検索してみたんです。そしたらとても幸せそうな笑顔の写真が出てきて…。ここ最近で一番冷たい声で「ふーん」と呟いてパソコンを閉じました(笑)。

私だけじゃないのかもしれない


──今回作品を読まれる方、読まれた方へのメッセージをお願いできますでしょうか。

やまもとりえさん:『わたしが誰だかわかりましたか?』を読んでくださった方、これから読んでくださる方、本当に本当にありがとうございます。読んでくれる人がいるから私も描くことができています。これからもよろしくお願い致します!

人を信じすぎちゃいけないことくらい



子ども、友人、元夫、そして恋した相手…。「大人の恋」を取り巻く事情は複雑に絡み合い、いくつになっても心をかき乱します。他人を信じるとは、信じた人に裏切られるとは何か…? サチの恋愛模様の行方をあなたはどう、見守りますか?


取材・文=河野 あすみ

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Information

やまもとりえ
鹿児島県出身、大阪府在住のイラストレーター。長男ヒヨくん7歳。次男あっくん4歳、4歳年下の旦那さん、猫のトンちゃんと暮らしている。妊娠中や育児のことを綴ったブログ「今日のヒヨくん〜やまもとりえ育児日記〜」が人気を集め、トップブロガーに。著書に『ねこでよければ』『Aさんの場合。』『わたしは家族がわからない』などがある。最新著書『わたしが誰だかわかりました?』が発売に
◆Twitter:@yamamotorie
◆Instagram:@rinpotage






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