初めて娘と2人きりで過ごす7時間!新米パパを襲った虚無感と決意/ピジョンの子育て(6)

#育児・子育て   
妻のいない7時間をどう乗り切るか

『ピジョンの子育て 育児用品ブランドの社員たちが本気で悩み、考え、奮闘した育児の話』6話【全7話】


ピジョンの社員だって、自分の「子育て」は試行錯誤です!

大手ベビー用品メーカー・ピジョン。哺乳瓶やベビーフード、ベビーカーなど、赤ちゃんにまつわるさまざまなアイテムを製造・販売しており、子育て経験のある人にはピジョンは馴染みのある企業ではないでしょうか?そんなピジョンの社員なら、子育てはお手のもの?と思いきや、世の多くの父・母と同じように、育児の楽しさと大変さを味わっていました。その証拠が子どもが生まれた社員全員が会社に提出する「育児レポート」。2006年にスタートした施策で、現在250点ものレポートが残されています。その中では保育園探しに奔走したり、共働きで毎日時間に追われて過ごしたり、初めて娘の世話を一人きりでしたら自分の不甲斐なさに落ち込んだり…親として悩み、闘い、楽しんだ等身大の記録がありました。

そんなピジョン社員のリアルな体験談をまとめた『ピジョンの子育て』から、 出産・育児のあるあるが詰まった育児レポートをお届けします。

※本記事はピジョン出版プロジェクトチーム、倉田 けい著の書籍『ピジョンの子育て 育児用品ブランドの社員たちが本気で悩み、考え、奮闘した育児の話』から一部抜粋・編集しました。


初めての留守番

「任せて!」とは言ったけど内心ドキドキでひたすらイメトレ

さく乳した母乳をあげるならいつでも誰でもできるから、ママにもゆとりが生まれる——ピジョンではこれを「にっこりサイクル※1」と呼び、私自身も仕事で何度も口にしてきた。けれど、積極的に実践できているかと聞かれると自信がない。授乳やオムツ替えはやってきたが、娘と二人きりになったことは一度もない。そんななか、最大の試練が訪れた。
※1 ピジョンとして、この考え方については現在も訴求していますが、この名称は、現在は使用していません。

その日、妻は友人と大好きなアイドルグループのファンミーティングに行く約束をしていた。半年間育児一色の毎日。気分転換に絶好の機会だ。「娘のことなら任せて!」と大見得を切った。

だが本当はドキドキで、半休を取って帰った私は、電車の中で妻のいない7時間をどう乗り切るか、ひたすらイメトレを重ねるのだった。

全身全霊で立ち向かうもムダ!これまでにない虚無感が……

ついに、妻が出かけるときがきた。ガチャン— 玄関のドアが閉まった途端、家の中は耳が痛いほどの静寂に包まれた。そうか、妻の一日はいつもこうして始まるのか。

とりあえず、お気に入りのウサギのぬいぐるみを渡してみた。何事もなく30分が過ぎた頃、異臭が鼻をついた。娘に近づき嗅いでみる。ウンチだ。しょうがないなとオムツを開くと、太ももまでべったりだった。「え? 泣いてくれたら、ここまでなる前に替えられたのに」。娘のせいにしようとする自分がいた。と、次の瞬間、耳が張り裂けんばかりの大声で泣きだした。

きれいに拭いてあげるしかない。そうすればきっと泣きやむ。1枚、2枚……おしり拭きを取り出すが、なかなかきれいにならない。焦りと不安がこみ上げる。ウンチは肌着やズボンにまで広がっていた。背中まで丁寧に拭き、服も替えた。全身全霊を使った15分間だった。

だが泣きやまない。お腹が空いたのかと慌てて冷凍母乳を温め、哺乳びんで与えようとするも無情に拒否。無理もない。産後すぐは混合だったが、最近は直接授乳一筋だったのだ。娘の泣き声が震え、枯れてきた。その声に私の心臓も震え上がる。大好物の桃と白ぶどうのジュレを与える作戦も、見事空振りに。もう寝かせるしかない。さすがに30分間大暴れで疲れたのか、抱っこ紐を使ったらものの5分で眠りに落ちた。

……何をやってもダメな自分。ふと、これまで感じたことのない虚無感に襲われた。「にっこりサイクル」を正々堂々と語れるまで、道は長そうだ。今年は絶対「ひとつきいっしょ※2」を取得して自分を磨き、もっと積極的に育児に取り組もう、と心に誓ったのだった。
※2 子どもが生まれたピジョン社員が、男女を問わず取ることのできる1か月間の育休制度

・本記事は、2006〜2021年にピジョン社員が会社に提出した「育児レポート」を元に、新たに取材した内容も加え、構成しています。
・レポートには時代背景が反映されており、必ずしも現在の実情と合致するものではありません。
・各家庭の事情等に伴い、子育てには多様な考え方や方法が生まれます。記事の内容は、あくまでそのような状況での社員個人の感想や考え方を掲載するものであり、必ずしもピジョン株式会社の公式見解と合致するものではありません。
・疾患や症状、育児法については、社員が親として情報収集したものであり、その専門性・正確性を保証するものではありません。

著=ピジョン出版プロジェクトチーム、倉田 けい/『ピジョンの子育て 育児用品ブランドの社員たちが本気で悩み、考え、奮闘した育児の話』

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