自分に合った街選びとは? 専門家が教える首都圏でマイホームを探す5つのオキテ

#くらし   
自分に合った街選びとは? 専門家が教える首都圏でマイホームを探す5つのオキテ

「マイホームを買いたい」と思っても、どんな基準で選べばいいか分からない人も多いはず。そんな人に向けて、不動産市況分析の専門家である中山登志朗さんに街選びをする際に注目したいポイントを解説してもらいました。

※本記事は4月17日発売の「マイホームLOVE Walker 家を探す前に知っておきたい28の常識 首都圏版」(角川アスキー総合研究所)の一部を抜粋、再編集したものです。

オキテ1 仕事も暮らしも満喫するなら“東京のど真ん中”を選ぶべし

未だに衰えをみせないタワマンブーム。賃貸でハイクラス物件の住み心地を試す人も

都内では各地で大型の再開発プロジェクトが進行中。品川駅周辺では、新駅「高輪ゲートウェイ」近くにオフィスや商業施設、高級ホテル、インターナショナルスクールなどからなる新たな街が誕生します。また池袋では東池袋一丁目に地上33階建ての複合ビルや約500mの遊歩道など新たなランドマークが誕生するほか、駅近くには52階建てのタワーマンションが建てられます。

ターミナル駅直結と便利なタワマンですが、近く国税庁がタワマン高層階の相続税評価額を引き上げ、いわゆる「タワマン節税」ができなくなる可能性も。節税面からみると高層階はあまり“オトク”と言えない状況になっています。とはいえ職住近接の都会暮らしを満喫できるタワマン。買うなら中低層階が現実的です。

オキテ2 下町エリアで地域コミュニティに参加して楽しく暮らす

人情味あふれる商店街のある戸越銀座

近年、「レトロな町並みが楽しめる」「都心より家賃が安い」などの理由で人気を集めている下町エリア。中でも、戸越銀座や赤羽、武蔵小山、大山、亀有、砂町といった昔ながらの下町には人情味あふれる商店街があり、どこか懐かしい雰囲気が漂っているのが特徴です。

こうした下町は都心への通勤にも便利で、商店街だけではなく24時間営業のスーパーやドラッグストアなど生活利便施設も充実。さらに家賃も都心より低額となれば人気が高いのもうなずけます。また、ディープな横丁や地元主催の祭など、顔が見えるリアルなコミュニケーションが得られるのも下町エリアの魅力です。

オキテ3 広さや一戸建てにこだわるなら“相鉄沿線”

落ち着いた住宅街が広がる二俣川は横浜まで15分、新宿へも最短約44分でアクセス可能

神奈川県を地盤とする相模鉄道は、2019年にJRとの直通運転が開始し、相鉄駅の「西谷駅」から「羽沢横浜国大駅」を経由して渋谷・新宿方面へのアクセスが格段と良くなりました。そして2023年3月から「新横浜駅」経由で東急東横線・目黒線との直通運転が開始。これにより、神奈川県央から渋谷、目黒を経由して埼玉方面までが一気につながり、沿線の開発も進むと予想されています。

もともと横浜市民のベッドタウンとして知られていた相鉄沿線は、のどかな田園風景が広がるエリアも多く、一戸建てが中心。新たに住宅購入を考えているなら、地価が上がりきらない今が狙い目といえる沿線です。

オキテ4 “トカイナカ”暮らしで仕事も休日も充実

自然環境と神社仏閣などの歴史的遺産にも恵まれる鎌倉市

リモートワークが定着した今、都心から離れた郊外で住宅購入を考える人も多いはず。そこでおすすめなのが、都会と田舎のメリットを両方享受できる“トカイナカ”。都心まで1時間半ほどで通勤できる地域なら、たまの出社にも対応できると人気です。

中でも人気を集めているのは神奈川県茅ヶ崎市。コロナ禍の2021年、東京23区から転入した人の増加率が全国1位に。転入者に占める子育て世代の割合も全国トップで、湘南の美しい海と里山に魅力を感じている人が多いようです。また千葉県なら木更津市や成田市、埼玉県では川越市や所沢市といった都心へのアクセスの良い街が注目を集めています。

オキテ5 地域の行政サービスに注目した“子育てしやすい街”

子育て世代にとっては、支援サービスの有無が大きな影響を与えるためチェックしたい

住んでみると気づくのが行政サービスの違い。特に子育て世代にとっては、支援サービスの有無が大きな影響を与えます。

おすすめは「住みたい街ランキング」でも上位常連の神奈川県厚木市。子どもの医療費が無料、子育て世代への紙おむつなどの給付や預かり保育サービスなど、子育て支援サービスが充実しています。千葉県松戸市も子育てしやすい街として知られ、2022年まで7年連続で待機児童ゼロを達成。全ての小学校区に19時まで預かり可能な放課後児童クラブが完備されており、共働き家庭に優しい環境が整っています。こうした自治体では子どもの人口が増加傾向にあり、“子育てしやすさ”が街の人気を左右しているようです。


これら5つのポイントに注目すると、自分たちが住みたい街が見えてくるはず。まずは、自分や家族が望むライフスタイルをはっきりさせ、納得できる暮らしを実現しましょう。

中山登志朗さん

中山登志朗(なかやま・としあき)さん
株式会社LIFULL/LIFULL HOME’S 総合研究所 副所長 兼 チーフアナリスト。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄港、出演も多数。

※首都圏の人気タウンの地価マップなど、4月17日発売の「マイホームLOVE Walker 家を探す前に知っておきたい28の常識 首都圏版」には街選びに役立つ情報が満載!


取材・文=北条かや 画像=PIXTA

この記事に共感したら

おすすめ読みもの(PR)