【山月記のねこ】友人も羨むほどの理想的な暮らし。人間がねこに変身したら/ねこむかしばなし(18)
作品の元となったお話も解説! みんなが知ってる古今東西の昔話に、ねこが登場したらどうなるの?
赤ずきんちゃん、シンデレラ、一休さん、浦島太郎。そんな数々の言わずと知れた有名な物語も、ねこが加わっただけでひと味違った展開に。原作では悲劇でも、ねこが登場するだけでゆるくてキュートなお話に変貌します。登場人物たちがねこに絆される姿には、「ねこだから仕方がない」と思わず納得してしまうこと間違いなし!?
元の神話や名作についても改めておさらいしながら、ねこが加わる新たな展開の物語をぜひお楽しみください。
※本記事はぱんだにあ著の書籍『ねこむかしばなし』から一部抜粋・編集しました。
◆山月記のねこ その1
◆山月記のねこ その2
◆元となったむかしばなし
山月記
むかしの中国に李徴という人がいました。李徴は若くして科挙に合格し、地方役人を務めるほどの人物でしたが、詩人として生きていくことにします。
しかし、詩の才能には恵まれていなかったようで、家族を養うため再び役人となりました。周りはかつて見下していた人ばかり。李徴は耐えられなくなり、野山へと駆け出していきました。李徴のあとを追った友人の袁傪は虎に出会います。虎が草陰でぼそっと発した一言に「その声は我が友、李徴ではないか?」と問いかけました。
虎になった李徴は「自分は尊大な羞恥心と臆病な自尊心のせいで化け物になってしまった。妻と子をよろしく頼む」と袁傪に話し、そのまま草むらに消えていったのでした。
著=ぱんだにあ/『ねこむかしばなし』
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