1万人のお仕事意識を調査!何を基準に仕事を選ぶ? テレワークしてる? アンケートの結果を大公開

#くらし   
1万人のお仕事意識調査

いろいろあった2023年も残りわずかとなり、「今年もよく働いた!自分、頑張った!」と思っている方もいるのではないでしょうか。近年のコロナ禍や、ワークライフバランスを重視する世の中の流れによって、働く人の仕事に対する意識や働き方が変わってきた、と言われます。そこで、ニッセイが行った「勤労感謝の日」アンケートの結果をもとに、みなさんの仕事への意識をレポートします!

仕事を選ぶ上で大事なのはもちろん給与。ほかには…?


ニッセイ(日本生命保険相互会社)は2023年10月、勤労感謝の日に関するインターネットアンケートを実施して、1万408名から回答を得ました。その結果をご紹介しましょう。なお、回答した人の割合は、やや男性が多く、年代別では50代が最多です。

まず、「仕事をする(選ぶ)上で重要なことは何ですか?」と尋ねたところ、1位が「給料・待遇がいいこと」で、全体の52.6%がこう回答していました。2位が「やりがいがあること」で51.6%。1位と2位はほとんど差がなく、同じくらい重要だと考えられているようです。3位は「人間関係」で47.4%。これまた仕事を選ぶ上では大事な要素です。とくに女性は人間関係を重視する傾向が強いようで、この項目を選んだ人が1位や2位を選んだ人の割合を上回っています。

仕事をする(選ぶ)上で重要なことは何ですか?


続いて、「どのような制度(福利厚生等)が整っている企業で働きたいですか?」と聞いてみたところ、「退職金制度」が62.8%で1位、「通勤手当支給」が60.6%で2位でした。
注目したいのは、20~30代では、約4割の方が「育児・介護支援(休暇・社内保育所・託児所など)」「子育てに関する補助」を希望している点です。40代以上に比べ、割合が非常に高くなっています。

どのような制度(福利厚生等)が整っている企業で働きたいですか?


ニッセイ基礎研究所 生活研究部 主任研究員・井上智紀さんは、次のように話しています。
「子育て支援に係る企業の支援策は、産前産後休暇や育児休暇など法定の休暇制度のほか、社内保育所の開設や保育事業者と提携する企業もみられるようになっています。ですが、結婚・出産を迎える前後の時期にある30代以下の世代では、経済的負担の軽減につながるような取り組みも求めていることがわかります」

勤務形態は6割以上が原則出社!結局テレワークはどうなったのか

テレワーク

働き方についても尋ねてみました。「会社の出動ルールは何ですか?」という質問には、「原則出社」と回答した方が65.2%となっています(※パート・アルバイト・自営業・自由業・専業主婦・専業主夫・無職・学生・その他を除く。以下テレワークの質問は同)。

会社の出勤ルールは何ですか?

とくに、20代では7割以上が原則出社となっています。新型コロナウィルス感染症の蔓延で、一気に導入が進んだと言われるテレワークはどうなったのでしょうか?

「現在、テレワークはどのくらいの頻度で実施していますか?」という質問には、「していない」と回答した方が83.1%。昨年度は78.2%だったので、昨年度と比べてもテレワークをまったくしていない方が増加しています。

現在、テレワークはどのくらいの頻度で実施していますか?

それを裏付けるように、「テレワークの頻度は昨年度と比へてどう変わりましたか?」という質問には、昨年度より「減った」と回答した方が30.1%もいます。最も多い回答は「変わらない」で66.6%だったのですが、これは昨年度から変わらずテレワークをしていない人が多いためと推測できます。

テレワークが減ったことは、働く人にとってプラスなのでしょうか。マイナスなのでしょうか。
そこで「テレワークか減ったことによる影響は何ですか?」と質問してみると、「疲労感が増えた」と回答した方の割合が28.0%と最も高くなっています。また、女性では、12.8%の方が「家事・育児を行う時間が少なくなった」と回答しました。この回答は、男女を問わず30代、40代で多いようです。「疲労感が増えた」「睡眠時間が減った」「余暇の時間が減った」を選ぶ割合が、男性より女性のほうが高いのも注目点です。

テレワークか減ったことによる影響は何ですか?

「テレワークの頻度は『していない』が8割を超えるほど突出して多く、昨年度に比べ3割が『減った』としています。出勤ルールは『原則出社』が6割を超えていることからも、新型コロナウイルス感染症の感染症分類が5類に移行されたことに伴い、一部の企業を除いて働き方がコロナ以前へと回帰している可能性があるように思われます。また、テレワークが減ったことの影響として、女性や30~40代で『家事・育児などを行う時間が少なくなった』が男性や他の世代に比べ高くなっていることは、子育て世代の中でも特に女性で、テレワークから出社に切り替わったことで負担が増している可能性もあるのではないでしようか」

対面コミュニケーションは必要!では、飲みニケーションは?

飲みニケーション

テレワークは時間をうまく使える反面、同僚や上司とうまくコミュニケーションを取るのが難しいとも言われます。多くの人がテレワークを経験した今、対面コミュニケーションについてみなさんはどう考えているのでしょうか。

「職場での“対面コミュニケーション”は必要だと思いますか?」という質問には、88.1%が「必要」と回答しています。性別・年代を問わず、大部分の方が対面コミュニケーションは必要だと考えているようです。

職場での”対面コミュニケーション”は必要だと思いますか?

この質問で「必要」を選んだ方に「職場での“対面コミュニケーション”が必要だと思う理由は何ですか?」と尋ねてみたところ、「連携が取りやすいから」「非対面より充実したコミュニケーションができるから」と答えた方が、いずれも4割を超えていました。

では、こちらの必要性はどうでしょう? 職場での飲みニケーション(お酒を飲みながら語り合い、親交を深めること)です。これは賛否が分かれそうですね。「職場での“飲みニケーション”は必要だと思いますか?」という質問には、「不要」と回答した方が55.2%と半数を上回りました。とくに女性は「必要」と答えた方が男性よりかなり少なく、「不要」と答えた方が男性を大きく上回っています。

職場での“飲みニケーション″は必要だと思いますか?

合わせて「“飲みニケーション”がある職場で働きたいですか?」と聞いてみたところ、60代までの6割以上が「いいえ」と答えていること、とくに女性は76.8%が「いいえ」であることも考え合わせると、“飲みニケーション”の未来は明るいとは言えないようです。

選んだ理由も聞いてみましょう。先ほどの「職場での“飲みニケーション”は必要だと思いますか?」という質問に、「必要」「どちらかといえば必要」と答えた方に理由を尋ねたところ(複数回答可)、「本音を聞ける・距離を縮められるから」と回答した方が全体の16.7%で最も多く、次いで、「仕事の悩みを相談できるから」が12.7%でした。いずれも男性の方が割合が高いのですが、意外に20代が高いことも目を引きます。

職場での“飲みニケーション”が必要だと思う理由

反対に、「不要」「どちらかといえば不要」を選択した方に理由を尋ねたところ(複数回答可)、「気を遣うから」と回答した方が全体の19.8%で最も多く、次いで「仕事の延長と感じるから」が15.0%でした。こちらはどの選択肢でも女性が選ぶ割合が高いのが特徴です。

職場での“飲みニケーション″が不要だと思う理由


「今年度に『飲みニケーションがあった』と回答した方は3割を超えており、1割台であった昨年度からは大幅に増加しています。また、おおむね4人に1人が『昨年度と比べて飲みニケーションの頻度が増えた』と回答していることから、新型コロナウイルスの5類移行に伴い、飲みニケーションの機会が増えていることは間違いないようです。
注意したいのは、対面でのコミュニケーションは『必要』とする方が9割近くに達しており、その理由も『連携が取りやすいから』や『非対面より充実したコミュニケーションができるから』が多く挙げられている一方、飲みニケーションは70代~を除く全ての層で『不要』が半数を超えて多くなっているほか、7割近くの方が『飲みニケーションがある職場では働きたくない』と回答しています。これは、仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちな酒席の場について、既に世代を問わず仕事の時間以上の気遣いを要するなどのコストが、『本音を聞ける』などの効用を上回るようになっていることを意味しているのではないでしょうか」

仕事をする上で大切なことは、昔から変わらないように見えますが、仕事の仕方や職場の人とのつきあい方は、令和に入ってから大きく変わっています。テレワークにも、出社勤務による対面コミュニケーションにも、メリット・デメリットはあるもの。それぞれが自分に合う形で働くスタイルを選べるようになるといいですね。


文=高梨奈々

この記事に共感したら

Information

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

LINEお友だち追加バナー

おすすめ読みもの(PR)

プレゼント企画

プレゼント応募

\\ メルマガ登録で毎週プレゼント情報が届く //