愛猫の闘病生活を支える夫婦の奮闘記
突然始まったちゃーにゃんの闘病生活。ガンがだんだん大きくなり、ちゃーにゃんは常によだれがたれている状態だったので、部屋のいたるところにタオルを敷きました。よだれと血で汚れたら、タオルをその都度交換して洗濯。 タオルはいつも清潔なものを敷けるようにたくさん揃えたそうです。
ガンが大きくなるにつれ独特の口臭がするため、ちゃーにゃんの口付近にはコバエがたかるように…。ガンで免疫が落ちているちゃーにゃんにバイキンを近づけないよう配慮します。猫に安全な消臭剤を揃えたり、ちゃーにゃんの口を拭いたあとのティッシュもニオイが漏れないように対策をしました。
舌が出せなくて毛づくろいができないちゃーにゃんのために、ペット用のウェットティッシュで顔や体をなでるように拭いてあげると、とても気持ちよさそうにしていました。
次第に、缶詰をやわらかくしたものも食べられなくなってきたちゃーにゃん。 食欲はあるのに、ガンが口の中をふさいで舌を出すことができないちゃーにゃんのために、ねこゆうこさん夫婦はあらゆる方法を考えます。旦那さんの指に乗せたささみを、ガンに当たらないようわずかな隙間から口の中に運び、ちゃーにゃんはようやく食べることができたのです。
ちゃーにゃんが大好きなカニカマは塩分が気になったねこゆうこさん。しかし、ちゃーにゃんには好きなものを好きなだけ食べさせよう…と夫婦で話します。食べることが大好きなちゃーにゃんの食欲を刺激できるように、毎日なにかしら買っては食べてくれるか試行錯誤の日々だったそうです。
「いつもどおり過ごせるように…」愛猫のためにねこゆうこさんが心がけたこと
―――ちゃーにゃんを看病する様子がとても詳しく描かれているのが印象的でしたが、闘病生活で心がけていたことはどんなことですか?
ねこゆうこさん:ちゃーにゃんは食べることが大好きな猫だったので、なるべくちゃーにゃんが美味しいと思えるものを食べさせたいと思っていました。 美味しいものを食べて、リラックスできる気持ちのいい場所でいつもどおりちゃーにゃんが過ごせるようにと、それだけを願っていたと思います。
―――食べることが大好きなちゃーにゃんのために、工夫を凝らしながら食事を用意されていましたが、闘病中の食事で苦労されたことはどんなことでしたか?
ねこゆうこさん:ガンに圧迫されて、食べ物が飲み込みづらいのが大変でした。わずかな隙間にどうやって食べ物を通過させればいいのか、ということに苦労しました。ちゃーにゃんがつらくない方法で、ちゃーにゃんが食べたいと思ってくれるものを…と。 とても試行錯誤したと思います。
たくさんいろいろなものを買ってはダメだったり、また違うものを買ったり、あきらめたあとに突然食べてくれたり… 食べてくれるなら、もうなんでもよかったです。
―――ペットを飼うか飼わないかで迷ったとき、「別れがつらい」ことで飼わないことを選択する人もいると思うのですが、闘病期間からお別れを経験されても、猫を迎えることは幸せですか?
ねこゆうこさん:猫と暮らせることは本当に幸せなことです。看病は大変でしたが、それでもちゃーにゃんと暮らせたことは宝物です。 もしも、ちゃーにゃんと出会った日に戻ったとしても、何度でもお迎えします。
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試行錯誤した日々の様子が鮮明に描かれた本作品。ガンと闘うちゃーにゃんが、快適に過ごせるよう工夫を凝らした日々の記録は、同じように動物の闘病生活を送る飼い主さんの支えになるでしょう。
文=畠山麻美