プラスチック誕生の背景にはビリヤードの懸賞があった!? 眠れないほど面白い地球の雑学(126)【連載】

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地球の雑学 その126


地球はどうやって生まれたのか。気になりませんか? 人間の身体の知られざる秘密など、思わずだれかに話したくなる理系のウンチクで、あなたの雑談を‟スケールアップ"!

『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から、第126回目をお送りします。

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プラスチック誕生の背景にはビリヤードの懸賞があった!?


プラスチックがいつ誕生したのかについては、その考え方によっていくつかの説が存在する。なかでも有名なエピソードとして知られているのが、ビリヤードとの関係だ。

19世紀中頃、アメリカではビリヤードが大流行していた。当時使われていたビリヤードの玉は象牙を素材としていたが、爆発的な人気によって、貴重な象牙はすぐに不足するようになってしまう。そこで、ビリヤードの玉を製造していた会社は1万ドルの懸賞金をかけ、象牙に代わる素材を募集した。

ちょうどこの頃、アメリカの印刷業者ジョン・ハイアットは偶然、ニトロセルロースに樟脳(しょうのう)を混ぜることでセルロイドを発明する。これを原料にビリヤードの玉をつくり、懸賞金を得たことから、ハイアットの発明こそが人類最初のプラスチックだといわれている。

ただし、この説には一つ問題がある。セルロイドは天然のセルロースを原料としていることから、厳密には人工的につくり出したプラスチックとはいいがたいのだ。そこで有力になってくるのが、初めて化学的に合成された完全なプラスチックは「フェノール樹脂」という説である。

この樹脂を発明したのは、アメリカの化学者レオ・ベークランド。ベークランドは、フェノール(石炭酸)とホルムアルデヒドを原料として人工的につくられたプラスチックに「ベークライト」という商品名をつけ、1909年に特許を取得。以後、ベークライトは有用な材料として広く使われ、プラスチック時代の到来を後押しした。そのため現在、ベークランドは「プラスチックの父」と呼ばれ、その功績がたたえられている。

著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)

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人類なら知っておきたい 地球の雑学


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著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。

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