何度注意しても鼻ほじりをやめない息子、どうすれば?【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て   

梨花さんもInstagramで大絶賛の子育て本「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第8回目のお悩みはこちら。

 


【お悩み】


5歳の息子の鼻ほじりが止まりません。ほじり過ぎて鼻血が出ることもあったので、耳鼻科に診てもらったところ、アレルギー性鼻炎などの問題は特にないとのこと。「汚いからやめて!」「行儀悪いよ」と注意するのですが、そのときはやめても、気づくとまたほじっています。クセになっているのか、本人も無意識でほじってしまっているようです。衛生的にも問題があるので、どうにかしてやめさせたいと思っているのですが、何か効果的な声かけ方法はありますか?(ひじきさん・43歳)

【小川先生の回答】


■鼻ほじりは“寂しい”のサイン

子どもの無意識のうちに出るしぐさというのは、すべて何らかのシグナルです。例えば大人でも、口寂しい時、つい甘いものに手が伸びてしまうことってありますよね。お腹がすいているわけではないのに、なんとなく何かを口に入れたくなってしまう。それと同じで、鼻ほじりも“寂しいから、なんとなく落ち着かないから、何かに触れていたい”という気持ちの表れなんです。その証拠に、お母さんが一緒に遊んであげている時などは、息子さんはあまり鼻ほじりをしていないと思います。ほじってしまう時って、たいてい一人でじっとしていなきゃいけない時なはず。待っている時とか、話を聞かされている時とか。落ち着かなくてムズムズして、“何かに触れて一体感を覚えたい”気分になって、そのような行動に出てしまうと考えられます。指しゃぶりなどもまさにそう。おっぱいを吸っていた頃に戻って、お母さんと触れ合う疑似体験をすることで、子どもは安心感を得ているわけです。

■“叱る”ではなく“抱きしめる”

ですから、「行儀が悪い」という叱り方では、鼻ほじりは治りません。それよりも、お子さんを抱っこしてあげたり、一緒に遊んであげてください。その方が、よっぽど効果があります。親と一緒にいるという安心感を渡してあげることで、鼻ほじりは確実に減っていきますよ。そうは言っても、お母さんもやることがたくさんあるでしょうから、四六時中つきっきりは難しいですよね? そういうときは、お子さんの座る場所を工夫してあげるだけでも違ってきます。例えば、座面の固い椅子だと、子どもは落ち着かなくて手が動いてしまいがちですが、ソフトビーズクッションなどの体がホールドされるようなものだと、安心感を得られ、手が鼻に伸びにくくなります。また、椅子の高さを、足がちゃんと床につくように設定してあげるだけでも、体が安定します。要は、安心できる自分の居場所を作ってあげること。上品な振る舞いをしつけようという発想に立つよりも、子どもが安定・安心できる環境を与えることを意識してみてください。鼻ほじりは自然となくなっていきますよ。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。YouTubeチャンネル小川大介の「見守る子育て研究所」で情報発信中。


文=酒詰明子

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