ただ生きてるだけで 人類みな100点満点/がんばらないことをがんばるって決めた。(2)

#くらし   
みんな生きててえらすぎ。

『がんばらないことをがんばるって決めた。』2回【全4回】


「今日も会社に行けなかった。まあいいか。生きてるし。」
―等身大のつぶやきで15万以上のいいねを獲得した「考えるOL」。 ついついがんばりすぎな大人たちが「ありのままの人生を、ゆるやかに生きる」ためのヒントをご紹介します。

※本記事は考えるOL著/おさつイラストの書籍『がんばらないことをがんばるって決めた。』から一部抜粋・編集しました

考えるOL(@thinkingoodol)

教えてくれたのは:考えるOLさん
20代の平凡なOLが『こんなはずじゃなかった人生』と向き合う記録と題してTwitter(@thinkingoodol)を開設。仕事や日常について、ありのままの自分を肯定する言葉が多くの支持を集めている。2020年8月の「今日も会社に行けなかった。まぁいいか。生きてるし。」というつぶやきが15万以上のいいねを獲得。日々、心を柔らかくする言葉をつぶやいている。


休職中、人生も後退している気がした

学生でもなければ、仕事もしていない期間があった。半年休職していたときだ。

忙しい日々を過ごしていた頃は、「あ~ずっとなんもない日が続いたら幸せなのにな~」なんて考えていたけれど、急に現実になると、全くそうは思えなかった。

毎月振り込まれていた給料がなくなる。1日息を吸って吐くだけでも、お金が消えていく。少しずつ増えていた残高は、少なからず前に進んでいた証でもあったのだ。増える速度よりもよっぽど速いスピードで減っていく残高を見ては、ものすごい勢いで人生も後退している気がしてならなかった。

ただ生きているだけで誰かの役に立っている

休職して1カ月ほど経った頃。近所のスーパーに、買い物に行った。

そこで、レジの店員さんが、とっても素敵な笑顔と元気な声で「ありがとうございます」と私に言ってくれたのだ。研修の名札を付けている。傷みのないキレイな黒髪の女の子は、きっと高校生のアルバイトだろう。

ああ、今日の会話はこれが最初で最後だったな。そう思いながら帰りの道で彼女の明るい声を何度も思い出した。忙しい日々の中で何気なく受け取っていた「ありがとうございます」のたった一言でさえ、何もない日々の中では深く染み込んだ。

そうだな、朝ご飯に買った食パンの157円も、きっと回り回って、この女の子のバイト代になるのか。青春の思い出や家計の手助けの0.000001%くらいにはなれたのだろうか。少なくとも、彼女にとって何か役に立てたから、「ありがとうございます」と言ってくれたはずなのだ。

何かを生み出したり、世界に大きな影響を与えられたりしなくても、ただ生きるために消費しているだけでも、きっと誰かの生活を支える一部になっているんだと思えて、ちょっとだけ誇らしい気持ちになれた。

彼女の素敵な接客に心が救われてから、働かない日々も肯定して過ごせるようになった。

朝ごはんをちゃんと食べられた、読書ができた。どんなことさえも、できたことに目を向けていった。
そして、自分のためにしたことは、回り回って必ず誰かの役に立っていることを思い出す。朝ご飯に食べた食パンも販売者や生産者に、読んだ本も著者や出版社に、少しばかりだけれど、ちゃんと誰かの生活を支えていたのだ。

社会という仕組みの中で生きている限り、どうしても他人からの評価や周囲との比較で自分の価値を決められてしまうことも多い。でもそれだけが、すべてじゃないってことをどうか忘れないでいてほしい。

自分が生きているだけで、誰かを生かしている。だから、ただできたことだけをシンプルに見つめてみてもいい。たとえ、大げさに褒めてみても、私が幸せになるだけで、誰一人困らないのだ。ならば、とことん褒めてみようじゃないか。

生きているだけで、もう十分、えらいじゃないか。

生きているだけで、もう十分、えらいじゃないか。


著=考えるOL /イラスト=おさつ

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