「小1プロブレム」ってなに? 授業中に座っていられない子どもたち 画像(1/2) 小1プロブレムってなに?

「小1プロブレム」という言葉を聞いたことがありますか? 簡単に説明すると、小学校に入学した1年生が、授業中に座っていられない、先生の話を聞けない、集団行動がとれない、授業中に教室内を歩き回る、廊下に出てうろうろしてしまうなど、学校生活に馴染めない状態が続く状態のことを表す言葉です。

2016年度の東京都教育委員会の調査によれば、こうした「不適応状況の発生」は、入学当初の4月にもっとも多く71.8パーセント。その後収まっていくかと思いきや、11月時点でもなんと56.7パーセントの学校が「(状況は)現在おさまっていない」という報告もあります。

「小1プロブレム」ってなに? 授業中に座っていられない子どもたち 画像(3/2) 東京都教育委員会資料より

この「小1プロブレム」と言われる行動を起こす子ども達は、わざと教室内をうろうろしていたり、周りを困らせてやろうなどと考えているわけではありません。そもそも授業と休み時間の区別や、話していい時間とだめな時間との境界線が頭の中にないのです。

自分に関わる他のものとのかかわり方を、それまでの体験を通じて学ぶ機会が極端に少なかったり、「ゆとり教育」「個の尊重」という言葉の本質を理解せず、「わがまま」「好き勝手」というような誤った方向に、社会がミスリードした部分があったのかもしれません。

検討が進む幼児教育の義務化

この「小1プロブレム」は、文科省が現在進めている義務教育改革にも影響を与えています。文科省では、幼稚園や保育園などの最終学年を無償化して、「義務教育」とする方向で最終調整に入っています。基礎学力を早期に身につけさせることなどが大きな目的で、幼稚園とか保育園といった枠組みは維持したまま、小学校生活に円滑に移行できるような改革を進めているのです。

5歳児から義務教育化することで、幼稚園や保育園ごとに自由度があった教育内容を、国(文科省)が作ったカリキュラムに一定化させ、質を向上させることで、小学校に入学したときに、授業内容で混乱させないという狙いもあるよう。小学校入学前に、小学校の授業や学習内容を先行体験させてしまうことで、動揺を少なくするというわけです。

他にも、小中一貫校を新たな「義務教育学校」(仮称)として制度化したり、学年の区切りを現行の「6・3」から「5・4」にするとか、小学校から教科担任制を導入し算数や英語などの専門教育を可能にしたり、従来とは大きく仕組みを変えなければ実現できないようなことも含め、検討が進められています。

このような国・自治体による対策も気になるところですが、家庭での幼い頃からのしつけや教育も大切にしたいですね。