本当の引きこもりにならないために。1分でも2分でも保健室に登校する意味/娘が学校に行きません(22)

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朝起きて1分でも2分でもここに来る

『娘が学校に行きません』22話【全23話】


文部科学省によると、「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義されています。そして2022年10月に発表された「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、不登校児童生徒は24万4940人と9年連続で増加し、過去最多となっているそう。児童生徒1000人あたり25.7人が不登校ということになり、非常に身近であるということがわかります。

数々の人気コミックエッセイを手掛ける漫画家・野原広子さんの娘・トモちゃんも、不登校を経験した児童の一人。小学5年生のある朝「今日だけでいいから学校休ませて」と訴え、「今日だけだよ」と野原さんが許可したところ、その日を境に学校の話をすると喘息や発熱などの症状が出るようになり、学校に行けず不登校状態になってしまいました。叱咤も励ましもトモちゃんには効かず、どうしたらいいのか悩む野原さん。暗く深い迷路に迷い込んでしまった気分だったそうです。

一時は「学校を辞める」と退学宣言までしたトモちゃんでしたが、保健室の先生からの声かけをきっかけに、夏休み明けの新学期から保健室登校をすることになりました。最初はすぐに通常登校ができるようになると考えていた野原さんでしたが、事態がそんなに甘くはないこと、焦りは禁物であることを痛感し、保健室登校を続けるトモちゃんをサポートする日々です。そんな中、少しの時間しかいない保健室登校に意味があるのか疑問に思うトモちゃん。保健室の先生がなんと答えるのか見てみましょう。

※本記事は野原広子著の書籍『娘が学校に行きません』から一部抜粋・編集しました。

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