「ほめて伸ばす」のは難しい! 中学受験時の子どものやる気を引き出す「1文字」とは

#くらし   
やる気を出す「1文字」

『中学受験のはじめ方』 4回【全4回】


中学受験を目指すお子さんがいる家庭の保護者に向けて、動画配信サイト等で情報発信をしているのは、様々な塾で講師として指導をしてきた西村創さんです。

「中学受験の世界には、光もあれば影もある」と語る西村さんが教える、中学受験を考えたときに「知っておくべきこと」とは? ぜひ参考になさってください!

子どものやる気を引き出す「1文字」

・かける言葉を1文字変えれば、子どもの反応は変わる
・感心を言葉にして伝える

「ほめて伸ばす」のは難しい

多くの子育て本には「叱る」よりも「ほめて伸ばすのがいい」と書いてあります。確かに、ほめるより叱ることが多いと、子どもは反抗するか、心を閉ざして聞き流します。

でも、叱りたい状況で、気持ちにウソをついてほめると、親のストレスが溜まります。そもそも、宿題をせずにゲームをやり続けているような状況では、ほめろと言われても無理がありますよね。結局、叱ることで「そのときだけは」なんとか勉強に向かわせる、というご家庭が多いのではないでしょうか。

そこで、「ほめる」よりも子どものやる気を引き出すコツをお伝えします。それは、今まで子どもにかけていた言葉から、1文字を変えることです。それだけで、子どもの反応が変わります。

子どもにかけていた言葉から変える1文字

子どものやる気を引き出すために変える1文字というのは、「ね」を「な」にすることです。「すごいね」と言っていたのを、「すごいな」と言い換えるのです。

「すごいね」は子どもをほめる言葉ですが、「すごいな」は子どもに感心する言葉です。「ほめる」というのは、相手の反応を期待する行動だといえます。でも「感心する」というのは、相手に関係なく、こちら側だけで完結する行動です。

ストレートなほめ方がそのまま子どものやる気に結びつくのは、個人差はありますが、だいたい小学校の低学年くらいまでです。高学年になると、ただ「よくできたね」とほめられても、子ども扱いされているようで、喜ばない子どもの割合が増えてきます。

子どもは、大人扱いされたいものです。したがって子どもをほめようとすればするほど、子どもの機嫌は悪くなります。だから子どもの機嫌を取ろうとするのはやめて、ほめるのではなくて、ただ感心するのです。

「ほめる」より「感心する」ほうが簡単

子どもは、ほめ言葉の裏にある親からの期待を感じ取るものです。そして、「そんなのあたりまえでしょ!」と反発します。すると親のほうも「せっかくほめたのに」と悔しくなってしまいます。
うまくほめるには、反発されない形でほめる技術と、反発されても温かく見守れる心のゆとりが必要になるのです。

その点「感心する」のは簡単です。自分が勝手に「感心する」だけですからね。感心は相手の反応を期待するものではなく自己完結していますから、悪い影響が出にくいのです。ここが「感心する」ことと、相手のリアクションを期待する「ほめる」ことが大きく違うポイントです。子どもをほめようと思ったら「ほめるのではなく、ただ感心を示そう」と考えてみてください。

感心を示すコツは、子どもに伝えるように感心するのではなく、心から感心して、それをひとり言のようにつぶやくことです。作為的ではなく、心から感心することです。これが習慣になると、子どもの態度が変わってきます。

「そんなに感心できるところがあっただろうか」と思う方もいるかもしれません。日々一緒に過ごしているわが子のことは、あたりまえになりすぎて、良いところになかなか気づきにくいものですから。それよりも、悪いところばかりが目につくと思います。これは、子どもだけではなく、大人に対してもそうですよね。

人は、意識しないと、その人のプラス面よりもマイナス面に意識が向きます。だから、わが子のプラスの変化を意識的にとらえる必要があるのです。わが子への「関心」のアンテナ感度を上げて、「感心」を示せる機会を逃さないようにしましょう。

思い返せば私が多くの生徒から慕ってもらえたのも、ひたすら生徒1人ひとりのいいところを探して、感心し続けてきたからだと思います。こうした姿勢で生徒と向き合うことは、結果的に生徒のためにもなりましたが、もともとは自分のためでした。
マイナス面を意識するよりも、プラス面を意識したほうが楽しい気分になりますからね。感心できるところを探すことは、子どもにも自分にもプラスの影響をもたらすのです。

まとめ

・子どもへの声かけの語尾を「ね」から「な」に変える。
・「 ほめる」のではなく「感心する」。
・わが子のプラス面に目を向け、感心できるところを探す。

※本記事は西村 創著の書籍『中学受験のはじめ方』から一部抜粋・編集しました。

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