できてしまったシミは消せる?消せない? そのメカニズムを知っておこう
ある日突然、ほおにぽちっと現われた「シミ」。原因は何だろう、と考えを巡らせることもあるかと思いますが、シミをじっと見つめて後悔しても、消えてはくれません。
「シミは気になるものですが、悪者ではありません」と、南青山皮膚科スキンナビクリニック院長の服部英子先生。そもそもどうしてシミができるのか、まずはシミのメカニズムを教えてもらいました。
できる「シミ」の種類が増える 30代。スキンケアと紫外線対策を見直して
「シミには種類があり、年齢とともに出るシミとして読者の皆さんがイメージされるのが『老人性色素斑』でしょう。メラニンというのは聞いたことがありますか? これは、細胞を守るために皮膚が作る色素です。メラニンは、肌の約28日周期のターンオーバーで表皮から剥がれるため、若い肌ではシミになりません。
ところが、年齢とともに細胞の働きが弱まると、この周期が長くなり、下のようにメラニンがたまって細胞組織に色がつき、皮膚が茶色に染まってシミになるのです。また、紫外線や摩擦などの要因によりメラニンを作る細胞のメラノサイトが活性化すると、さらに濃いシミの『老人性色素斑』になります。
できてしまったシミをなかったことにするのは残念ながら難しいといえますが、美白成分を配合したスキンケアを使ったり、紫外線対策を適切に行なうことで、今より悪化させない、増やさないことは期待ができると思います。
シミは体に悪いものではないので、どこまで治したいかは人それぞれ。毎日のスキンケアでできることを続け、次の手段を見つけたくなったら、皮膚科で相談してみるのも一案です」。
シミができる仕組み
皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層でできています。シミに関係するのはいちばん外側の表皮部分。わずか0.1mmという薄さです。
紫外線や摩擦などでメラノサイトが活性化し、メラニンが増加。さらに、表皮のターンオーバーが乱れてたまったメラニンで細胞組織が染まり、シミに。
できてしまったシミを消せないのは残念ですが、悪化させない&増やさないことはできるのはうれしい限り。毎日のスキンケアでできることから始めましょう。
この記事に共感したら
Information
南青山皮膚科スキンナビクリニック院長。東京女子医大卒、皮膚科専門医。同大学病院などに勤務後、2005年開業。自身もアトピーに悩んだ経験から、健康な素肌美を目標に治療を行なっている。
撮影=宮濱祐美子 イラスト=森屋真偉子 編集協力=内田理惠(smile editors)
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。