「女性の生理痛に効く」といった表記も可能に。薬品広告の規制見直しで新たな問題も?

医薬品に大げさな広告をして、誤解を招かないよう規制した「医薬品等適正広告基準について」の法律が、今年9月に厚生労働省によって約15年ぶりに見直されました。
1980年に定められたこの法律は、薬品業界からは、時代に合っていないと指摘を受けていました。この改正で消費者に分かりやすい表示ができるようになった一方、新たな問題が起こることも予想されます。
症状や年代・性別を限定した宣伝が可能に
改訂で変わったことの1つは、特定の効能だけを強調できるようになったことです。以前は専門の薬だと誤解されないように「頭痛・生理痛に」「胃痛・胸やけに」など、2つ以上の効能を併記することが必須になっていました。
また、性別や年代を限定した広告も可能になりました。薬はこれまで、年代・性別を問わず効果があるという考え方で、特定の性別や年代を絞った表記は禁止されていました。今回の改正によって「女性の生理痛に」「中年男性の胃痛に」などといった、症状や購買層を絞った広告表記が可能となるのです。
改正で新たな問題も?
医薬品の広告基準が見直される一方、機能性表示食品では今年の11月に、その表記について消費者庁から16社へ改善命令が出されました。ダイエットのサプリメントについて、「飲むだけで痩せられる」と誤解を招くような宣伝をしたことが問題視されたのです。今回の規制緩和で、医薬品でも同じような事態が起こるのではないかという懸念もされています。
薬には、必ず複数の効能や副作用があるものです。1つの効能だけが強調されていたら、「他の効果や副作用はない」と勘違いしてしまうかもしれません。さらに、「その症状になら必ず効く」という誤解も起こりそうです。
また、特定のターゲット層が明記されてしまうと、それが当てはまらない人は手にしにくいという問題もあります。たとえば、「中年男性の胃痛に」などと書かれてしまうと、若い女性が買うには抵抗がありますよね。「胃痛は中年男性の症状」といった、間違ったイメージも植え付けられかねません。

薬は、私たちの体に大きな影響をおよぼします。そんな薬の広告には、わかりやすさと同時に、これまで以上に正確な表示が求められるようになりそうです。そして、それを使う側の私たちも、広告を鵜呑みにするのではなく、自分自身で正しい情報を求めることも、忘れないようにしていきたいですね。
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