カマかけたら夫の浮気発覚…!『カマかけたらクロでした』うえみあゆみさんに聞く衝撃の日々

#育児・子育て   


――誰にも言えず1人で奮闘していた時、一番大変だったことがあれば教えてください。逆に、うれしかったことはありましたか?

「苦労したのは、ムスメに笑顔でいることでした。保育園に行っている間に、離婚のことを調べたり相談に行ったりして、悔しい思いをして泣いたり、悲しくて無気力になったり。でも、保育園が終わったムスメには笑顔の、いつもの生活を…という切り替えが、とても大変でした。

うれしかったことは、『カマクロ』にも描きましたが、助産師さんが泣きながら私に『幸せになってほしいです』と言ってくれたことです。この言葉を言っていただいて、本当に満たされました。思い出すと今でも泣きそうになります。

それまで私は必死で、自分の心と体がすり切れてカサカサになっていたことに気付きませんでした。親にも言われたことのなかった言葉で、誰かにそう願ってもらえるってとても幸せなんだなと思いました。」

出典『カマかけたらクロでした』


出典『カマかけたらクロでした』


出典『カマかけたらクロでした』


――ご本人にとっては思い出したくない出来事ですよね? コミックエッセイとして描く、ましてや本として出版するというのは勇気がいるように感じます。どんな思いで描かれたのでしょうか?

「未熟な母親の私が考えて足掻いて答えを探す責任から逃げないように、本を描く事で強制的に思考し続けました。

子供がいなければ本にしようとは思わなかったと思います。少なくとも子供たちに将来『なるほどね。ママ、頑張ったじゃん。』と言ってもらえる程度のことは残したい、と。

子供たちが大人になって、もしも何かに苦しんでいる時に『カマクロ』を読む機会があったら、こんなふうにいまシロクロはっきり判断しなくてもいいんだ、グレーの時間だって人生にあっていいんだ。3年後、今の怒りや苦しみの熱量はなくなっているから大丈夫、ということを知っておいてほしいなと思います。

でも、そうは言っても、こういう裏切りには感情は大きく揺れますから、離婚も1つの選択肢です。なので、私が体験した中で有利に働く情報は、バンバン利用して欲しいと思い、『浮気チェックリスト』や『カマかけの心得』など、男性が見たらゾッとするようなコラムも惜しみなく付け足しました。」

出典『カマかけたらクロでした』


出典『カマかけたらクロでした』


出典『カマかけたらクロでした』


――「同じ憎しみの感情を抱き続けることはできなかった」と描かれています。やはり、根底には、ご主人への愛のようなものがあるのでしょうか?

「それって愛なんだよ」「結局、旦那さんのこと、好きなんじゃないの?」などなど、よく言われます。愛していれば、憎まないのか、憎しみが続かなければ、根底に愛があるのか。夫婦って簡単じゃないですね…。

出典『カマかけたらクロでした』


悲しみも怒りも経験して広がった考え方。経済的な理由で離婚しないのも1つの勇気ある決断です


―― 一連の出来事を経て、ご自身の言動や考え方の変化のようなものはありましたか?

「経験しないとわからないことってあります。経験したからこそ、相手の話がわかるようになったり、心情を理解できるようになったり。知らなければ、何を言っているのかわからないけれど、一度経験するといろんな話がわかってきます。

そういう意味で私は、信頼していたパートナーに裏切られた人、浮気をされた人、子育てを頑張っている人を理解し、会話することができていると思います。悲しさとか、怒りとかをひととおり経験して、世界広がったな~と思います」

――著書の終盤では、前を向く過程が描かれています。現在のお2人はどんな関係ですか? 新作のお話も織り交ぜつつ教えてください。

「『カマクロ』の10年後の姿を『マタしてもクロでした』(WEB雑誌「マンガ on ウェブ」連載中)で描いています。『カマクロ』以降も夫はたびたび浮気を繰り返し、そのつど大ゲンカ。安定した家庭を維持したくて夫の浮気を不問にしてきたところ、最悪な展開が待っていました。10年ぶりに夫と闘う決意をしました」

――続編『マタクロ』気になります!夫の浮気問題、調停などに悩んでいる読者も多くいます。ぜひメッセージをお願いします!

「辛い時に判断を急ぐ必要は全くなくて、誰かの前で泣いたり、話したり、ひたすら寝たり、そういうことに時間を使ってください。いまは頭がおかしくなるんじゃないかというほどの怒りがあっても、必ず元に戻ります。

あと、経済的な理由で離婚を回避する場合も多いと思いますが、それはとても勇気のある、賢明な判断だと私は思います」

――現在、「神波アユミ」という名前で『ろくぶんのいち~ぼくたちの格差』(講談社)といういう物語も描いていらっしゃいますね。

「これは、子どもの貧困をテーマに、無料塾で勉強して貧困から抜け出そうと奮闘する子供たちの群像劇です。この作品を書いてますます、いま日本で離婚がいかに困難になっているのか、わかりました。シングルマザーの貧困率にぜひ一度目を通してみてください。現在の日本で離婚は、経済的に余裕のある人だけが成功する特権行為になりつつあります。

この物語を描くことで、私はもしかしたら、いま悩んでいる方に悩む材料を増やしてしまうかもしれません。ですが、同じ問題で苦しみ、子供を育てるいちお母さんとして、考慮するべき要素が一段と深刻になっていることを知っておいてほしいなと思っています」

誰よりも信頼していたパートナーにカマをかけることになり、そして結果、クロだった…。

アナタはその時どう受け止め、どう考え、どう行動しますか…?うえみさんの戦いの記録、ぜひご覧ください!

取材・文=岡田知子(BLOOM)

この記事に共感したら

Information

▶『カマかけたらクロでした』まとめ読みはこちら

Kindle版はこちら『カマかけたらクロでした 』

『カマかけたらクロでした』Kindle版はこちらから▼


カマかけたら、夫が浮気をしてたんです!子どもにも恵まれ、幸せな主婦だったはずが、浮気発覚、カマかけ...と激動の日々へ。夫の浮気を経て、離婚調停まで経験した、夫婦の「再生物語」を描いたコミックエッセイ。

▼単行本情報はこちらから



著者:うえみ あゆみ
東京生まれ。多摩美術大学グラフィック専攻卒業後、CMプランナーとして活躍。出産を機にイラストレーター、フリーのCMプランナーに転向。現在、ムスメとムスコのおかあさん兼イラストレーター&漫画家。

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

LINEお友だち追加バナー

おすすめ読みもの(PR)

プレゼント企画

プレゼント応募

\\ メルマガ登録で毎週プレゼント情報が届く //