「木の下」は危険! 雷の音が聞こえたら「高い物体」から離れよう

#くらし   
雷の音が聞こえたら避難!

『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』 5回【全8回】


いつ降りかかってくるか分からない、自然災害や人災、事故などの被害。そんな「もしも」のときに備えておくべき対処法を教えてくれるのが、消防レスキュー隊員のタイチョーさんです。

数々のレスキュー現場で救助してきたレスキュー隊員だからこそ知っている、「災害対応のプロ」ならではの知識やテクニック。そのどれもが、子どもやおばあちゃんなど力が弱い人でも実践できるものばかり!

自分や大切な人の命を守る知識やテクニックを身につけて、不測の事態が起こったときも冷静に対処できるように、ぜひ親子・家族・友人同士みんなで防災意識を高めて備えていきましょう。

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雷の音が聞こえたときは、木や電柱などの「高い物体」から離れよう

落雷の対処:「木の下」は危険

雷の音が聞こえたら避難!

雷は背の高い物体に落ちやすく、周りに建物がないからといって木の下で雨宿りをしていると落ちてくる危険があります。

運動場やゴルフ場、山の頂上付近など、周囲を見回して自分が一番高い存在のときはすぐに避難しましょう。

家などの建物があれば屋内に逃げ込み、電化製品や壁から1m以上距離をとります。木造でも鉄筋コンクリート造でも屋内にいれば比較的安全です。

雷の音が聞こえたら避難!


★車の中は比較的安全

多数の金属部品で製造されているため、車は雷に打たれると危険だと思われがちですが、屋外に比べるととても安全です。

車の中も比較的安全

なぜなら、雷(電気)は車のボディを伝って地面に流れていくため、車内で感電する危険は比較的少ないからです。

ただし、車内といってもドアノブなどの金属部分に触れていると感電の恐れがあります。なお、天井がないオープンカーは直接雷が体に落ちてくる危険があります。

NG行動

✕高い物体の下に避難する
木の下や電柱の近くは雷が落ちやすいためとても危険です。周囲を見回してひときわ高い物体からは最低でも4mは距離をとり、近くの建物内や車の中などに急いで避難しましょう。

✕自分が一番高くなってしまう
運動場、ゴルフ場、サッカーグラウンド、砂浜、海の上、屋外プールなど、広々とした場所で自分が一番高い存在である場合、雷が落ちる危険があります。雷鳴が聞こえたらすぐに安全な屋内などに避難しましょう。

助かる命を助けるために
・車内は比較的安全のため、運転中に落雷があっても慌てず冷静に運転する

大雨が発生したときは、「土砂災害」に注意しよう

土砂災害の対処:「予兆」を知る

「いつもと違う」異変に気づく!

大雨による土砂災害の現場は足場が悪く、いつ倒壊してもおかしくない状況のため、助けにいく態勢を整えるのに時間がかかり、救助が間に合わないことが多いです。

普段から「ハザードマップ」で危険な場所を把握しておくことはもちろん、土砂災害発生前に起こるいくつかの「予兆」にも注意し、迅速に避難することが大切です。

もしも逃げ遅れたときは、(1)2階以上(できるだけ高い)の場所、(2)山側(がけ側)とはできるだけ離れた反対側に避難しましょう。

逃げ遅れた場合の在宅避難


★「目・耳・鼻で気づく」土砂災害の予兆

「目」… がけや地面にひび割れができ、斜面などから水が噴き出ると危険です。また、川の水が濁ったり、流木が交ざり始めたりします。
※大雨の中、川の様子を見に行かない

「耳」… 「ゴー」「ゴロゴロ」といった山鳴りや地鳴りが聞こえると危険です。上流で土石流や崩壊が始まっている音です。

「目・耳・鼻で気づく」土砂災害の予兆

「鼻」… 土っぽいにおいが強くなったり、焦げ臭いにおいが漂ってきたりすると危険です。上流で石や木がぶつかって火花が散っています。

NG行動

✕土砂災害現場に近づく
どんな理由があっても土砂災害が起こった場所に近寄ってはいけません。二次災害の危険が極めて高いです。

✕危険区域外だからと安心する
ハザードマップでは「土砂災害警戒区域」や「土砂災害危険箇所」として危険エリアが表示されていますが、たとえ危険エリアでないとしても、家の近くに「がけ地」や「小さな沢」がある場合は警戒が必要です。

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「いざ、そのとき」のあらゆる災害から命を守るテクニック、ぜひ身につけましょう!

※本記事はタイチョー(著)、みぞぐちともや(イラスト)の書籍『消防レスキュー隊員が教える だれでもできる防災事典』から一部抜粋・編集しました

著=タイチョー、イラスト=みぞぐちともや

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