強風にも負けない!? トウモロコシの茎を支える頼もしい根っこの存在/すごすぎる身近な植物の図鑑(7)

#くらし   
トウモロコシは茎を根っこで支えている

『ゆるっと歩いて草や花を観察しよう! すごすぎる身近な植物の図鑑』7回【全8回】


普段何気なく目にしている草木や花には、命をつないでいくためのすごい生態や、ユニークな特徴がいっぱい!

そんな面白さを教えてくれるのが、植物のガイドや写真家として活動する植物観察家の鈴木純さん。誰でも見られる身近な植物にスポットを当て、探し方から観察方法、知っていそうで意外と知らないトリビアまで分かりやすく解説。知れば植物への興味が深まる内容ばかりです。

花だけでなく、葉やタネ、根や茎にも注目したくなる、植物観察の楽しみ方を紹介します。

※記事は、関東圏で実際に観察した記録をもとにしています。地域によっては見られない植物があったり、観察する時期にずれがあるなどの可能性があります。
※本記事は鈴木 純著の書籍『ゆるっと歩いて草や花を観察しよう! すごすぎる身近な植物の図鑑』から一部抜粋・編集しました


トウモロコシは茎を根っこで支えている

イネ科 トウモロコシ属

見みられる時期:6〜8月
見みられる場所:畑地、庭

トウモロコシの根元が枝わかれしている?

ある夏のこと。庭でトウモロコシを育ててみたことがありました(写真①)。

トウモロコシは茎を根っこで支えている


すくすくと大きくなり、そろそろ花が咲くかなと思ったころ、根元を見て「おや?」と思ったことがあります。茎の根元から細い枝のようなものが出て地面に何本もささっていたのです(写真②)。

茎の根元から細い枝のようなものが


「地面にささる枝なんて変なの」と思ってしまいますが、じつはこれ、枝ではなく根っこです。一体なんのための根っこなのでしょう。

目のつけどころ

トウモロコシを育ててみよう

水をたくさんあげる


茎を支える根っこ、支柱根!

実際にトウモロコシを育ててみるとよくわかりますが、トウモロコシは少し不安定な姿をした植物です。背丈が2mほどにもなる大きな草の割には、茎は太くなく、さらにそこに大きな実がつきます。強い風が吹いたらたおれてしまいそうな見た目をしています。

そこで役立つのが、この茎の根元から生えている根っこです。1本の茎で地上部を支えるよりも、茎と根っこを合わせて体を支えたほうが強い風にも耐えることができそうです。こうした根っこは「支柱根」と呼ばれます。

茎を支える根っこ


幹を支える根っこ、板根!

このように根っこは地中だけでなく、地上からも体を支えることがあります。ほかに観察しやすいものとしては、公園などで見るムクノキやエノキがあります。

大きなエノキの木の根元を見ると、写真④のように幹の下部がこんもり盛り上がっていることがあります。じつはこれも根っこです。板のような根っこということで「板根」と呼ばれます。これも地上部の幹を支えます。この姿を見ると、たしかに強風に耐える力は強そうです。

幹を支える根っこ


【豆知識】
大学生の頃、沖縄でサキシマスオウノキという木を見ました。板根がとても発達していて、かくれんぼに使えそうな見た目で驚きました。遠出して見る植物もおもしろいものです。

著=鈴木 純/『ゆるっと歩いて草や花を観察しよう! すごすぎる身近な植物の図鑑』

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