母親を亡くした3歳児を引き取った祖父の「初めての子育て」を描く。話題作著者インタビュー

妻と離婚し長い間一人暮らしをしていた70歳のゲン。その娘・サクラは30歳にして病気で亡くなりました。サクラの3歳になる娘・ハルの育児を託されたゲンは、ハルを引き取って育て始めます。
しかし思っていた以上に育児は大変で、ゲンは妻に家庭を任せきりで顧みなかった若い頃を思い出して苦い気持ちになることも……。

70歳にして初めて挑む子育ては大変ではありますが、ハルの育児を通して、ゲンの世界や周囲の人々との関わりも広がっていきます。
亡くなった娘との切ないエピソードを交えながらも、元気いっぱいのハルに振り回される微笑ましいエピソードにほっこりするこの作品。著者の大島由果さんに、漫画家になるまでの経緯についてお話を伺いました。
著者・大島由果さんインタビュー
──マンガを描き始めたのはいつ頃ですか? 何かきっかけはあったのでしょうか?
大島由果さん:子どもの頃から絵を描いたり、色々と空想するのが好きでした。高校の時、友人たちとオリジナル漫画の本を作る事になって描いた短編漫画が初めての作品です。その時描いた漫画が「森の中で出会った子どもと生活をする」という話だったので、今思えば『ハルとゲン』の基礎になってたのかもしれません。

──マンガ家として活動されるまでの経緯を教えてください。デビューされるまではどんなお仕事をされていたのでしょうか?
大島由果さん:前職はゲームクリエイター兼、学童の指導員として働いていました。ですが体調不良とコロナの影響で働く事が困難になりクリエイター業は一旦お休みして、学童の指導員をしながら休養していた時、『縦スクロールマンガ大賞』を知り、以前から描きたかった物語をかいて応募したところ、賞を頂きデビューまでさせてもらいました。
今は月に2〜3回ほど学童へ行きながら漫画のお仕事をしております。
──前職はゲームクリエイターとのことですが、具体的にはゲーム制作のうちどのよう なお仕事を担当されていたのでしょうか?
大島由果さん:中小企業の会社で働いていたので、色々な事を経験しました。 2Dでの作画アニメーションやユーザーインターフェイス、 3Dでのモデル作りやアニメーション、簡単な背景の制作等です。
──多岐にわたってお仕事されていたのですね。その時の経験がマンガに生きていると思うことはありますか? 具体的にはどんなところでしょうか。
大島由果さん:ほぼ全ての事柄と思ってます。 仕事での作業知識もそうなのですが、ツールにしてもアニメーション、デザインにしても 常に学び続け、やり続けていたという事が 漫画を描く際にも役立っていると思います。

──第1 回縦スクロールマンガ大賞の日常・コメディ・ドラマ・青春部門に応募された作品『孫のマコ』が佳作だったとのことですね。こちらが「ハルとゲン」の原型になる作品だったのでしょうか?
大島由果さん:実は数年前から温め続けていた「おじいさんと孫」のストーリーが何話かありまして、その断片を集めて作ったのが『孫のマコ』でした。デビューにあたって担当さんと「おじいさんと孫」の話をさせて頂き、『孫のマコ』とあわせて出来たのが『ハルとゲン』になります。
* * *
『ハルとゲン』は縦スクロールですらすらと読みやすく、かわいい絵柄のほっこりした日常マンガでありながら、時々ふと切なくなるような思い出や、胸がちくりと痛むようなエピソードが織り交ぜて描かれています。じんわりと心に残るあたたかい作品で、疲れた心を癒やしてみませんか?
取材・文=レタスユキ
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