子どもや子育てにやさしい「こどもまんなか社会」を目指す、「こどもまんなかアクション」キックオフイベント!

#育児・子育て   
熊本博物館館長の竹原浩朗さん、Hikari KIZUNA TVさん一家、宮城舞さん、岸田総理、小倉大臣、丸山桂里奈さん、完熟フレッシュさん、おりおりんTVさん一家、Jリーグ執行役員の辻井隆行さん

少子化という問題を解決すべく、近年さまざまな取り組みが検討され、政策が施行されています。しかし、「子どもを産みやすい・育てやすい環境だと思うか」という問いに対し、スウェーデンやドイツでは8割が「産み育てやすい」と回答している一方、残念なことに日本では6割が「子どもを産み育てやすいと思わない」と答えているのだとか。

そこで2023年7月22日(土)、こども家庭庁では、子どもや子育てにやさしい「こどもまんなか社会」の実現を目指す「こどもまんなかアクション」という取り組みをスタート。そのキックオフイベントが開催されました。イベントではまず、小倉将信こども政策担当大臣が4つの案から国民投票で選ばれたシンボルマーク「こどもまんなかマーク」を発表。このマークは、「こどもまんなか」賛同者が広く使えるマークだそうです。

4つの案から国民投票で選ばれたシンボルマーク「こどもまんなかマーク」


今、困ってることは? 5組の親子の育児・子育てあるあるトーク!

シンボルマーク発表後は、子育て真っただ中にある5組の親子が、育児・子育てについて話し合うトークイベントが開催されました。

参加したのは、YouTubeチャンネル登録者数18万7000人を誇る映像クリエイター・おりおりんTVさん一家、親子漫才という異色の芸人親子・完熟フレッシュさん、こどもまんなか応援サポーターの元女子サッカー日本代表選手・丸山桂里奈さん、2児の母ながら幅広い分野で活躍中のモデル・宮城舞さん、YouTubeチャンネル登録者数13.7万人で自閉症の子どもを持つ映像クリエイター・Hikari Kizuna TVさん一家の5組と小倉大臣、そして岸田文雄内閣総理大臣。

ここからは、ゲストの方々のリアルな体験エピソードが飛び交います。丸山さんは、「遠出をする際にも、子どもが騒ぐのが不安で(本当は新幹線を使いたいけど)どこまでも車で移動してしまいます」と吐露。一方で、「スーパーで店員さんが荷物を運んでくれてありがたかった」と少しの気遣いや声かけでも本当に救われると話しました。

少しの気遣いや声かけでも本当に救われる,と話した丸山桂里奈さん。


本会場へは北海道からフェリーできたというHikari Kizuna TVさんも、「飛行機や電車に乗るのは難しい」と公共交通機関を使いづらく感じているそう。「専用とまではいかなくても、悩みがある人が安心して使える車両があると嬉しい」との提案もありました。また、「ショートステイ」といわれる障がい児のお泊り施設が少なく、空きがなくてなかなか利用できない、というお悩みも。

「悩みがある人が安心して使える車両があると嬉しい」と話すHikari KIZUNA TVさん。


宮城さん、おりおりんTVさん、完熟フレッシュさんは、ワンオペ育児になりがちな現状の慌ただしさや大変さを力説。まずは宮城さんが「ワンオペで寒い時期に幼い子ども2人をお風呂に入れるのは至難の業です」と話し、続いて「本当は子どもの成長を直接見たいのに、仕事のため保育園の行事に参加できない」とおりおりんTVさん。

父子家庭である完熟フレッシュさんは、「地方だったこともあり、何かのときに子どもを預かってもらえる場所がなかった」と、一時預かりをしてくれる場所の少なさを指摘。このほかにも、さまざまな意見が飛び出しました。

岸田総理は、「支援や制度は国が責任をもって考えますが、社会全体が子育てに理解がないと、制度の利用をためらってしまう。社会の皆さんに、子育てについて考えていただく取り組みが大事」と、体験談から改めて「こどもまんなかアクション」の意義を再確認。子どもや子育てをみんなで応援しあえる社会を作って行きたい、と述べました。

「社会の皆さんに、子育てについて考えていただく取り組みが大事です」と訴える岸田総理。

また小倉大臣によると、来年から時間単位で誰もが利用できる「子ども誰でも通園制度」を本格実施する予定だそうです。

企業・団体が取り組む「こどもまんなかアクション」

こうした動きの中で、既に「こどもまんなかアクション」を実施している企業も。例えば熊本博物館では、これまでの「真っ暗で、静かな、途中入退室不可」のプラネタリウムを見直し、試験的に「薄暗い程度の照明あり、泣いてもOK、途中入退室OK」の「こどもまんなかプラネタリウム」を実施。さらに熊本県の「子ども局」と組み、キッズコーナーや育児相談を設け、子連れが気遣いなく安心して楽しめるようにしたそうです。結果、実施した2日とも1時間前には有料席チケットが完売して超満員に! 喜びの声が多数あがったそうです。

また「こどもまんなかサポーター」でもある、今年で30周年となるJリーグでも、「国民の心身の健全な発達に貢献していきたい」という思いで、未来の幸せに繋がる取り組みを多数実施しています。

Jリーグ執行役員・辻井隆行さんは、「ガイナーレ鳥取」による休耕地を利用し芝を育てて運動場に芝を張る取り組み、「水戸ホーリーホック」による大豆を作りスタジアムで大豆ミートバーガーを販売する取り組み、「松本山雅FC」による妊娠中・育児中のお母さんや子どもたちをスタジアムに招待するママサポ企画を例に挙げ、将来の社会を作っていく子どもたちを中心とした「こどもまんなか社会」を作っていきたい、と熱く語りました。

小倉大臣によると、Jリーガーがお兄さんとなって外遊びの機会を提供したり、児童養護施設で暮らす人たちにサッカー教室を開いたりと、Jリーグではほかにも多数の素晴らしい取り組みを行なっているそうです。ほかにも伊藤忠商事やファミリーマートなど、多くの企業・団体が「#こどもまんなかやってみた」に取り組んでいます。

また岸田総理は、「今後は特別な日だけでなく、スーパーなど日常に近い場所でも子育てが応援される環境を作っていきたい。少子化という問題と向き合うには、社会が変わっていかなければならない。子育てにやさしい社会の輪が広がっていくのを期待したい」と、制度・政策だけでなく、社会全体の意識を変えていきたいと話しました。

政府では現在、「子ども未来戦略方針」を取りまとめ、経済的支援拡充、育休制度の拡充、住宅支援、授業料の減免の拡充を進めているそうです。最後は、岸田総理が「当事者の声を聞きながら、強い気持ち、スピード感を持って進めていきたい」と締めくくりました。

小さな子どもを持つ親やその子どもたちが生きやすい環境は、どうしたら作れるのか。みんなが心地よく過ごせる環境について、1人1人が当事者として考えていきたいですね。


取材・文=月乃雫

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