「私のこと否定しないで」心の弱さを盾に要求ばかりしてくる友人。SNSで話題の『身の毛がよだつゾッとした話』
人気イラストレーターのしばたまさんがSNSで集めたフォロワーの恐怖体験談を漫画化した『身の毛がよだつゾッとした話』。心霊現象から人間トラブルまで、自分の身にも起こりうるかもしれないリアルなエピソードが「本当に怖い!」と話題を呼んでいます。
今回は、作者のしばたまさん自らがお気に入りのエピソードをピックアップ! しばたまさんのインタビューを交えてご紹介します。
しばたまさんの実体験をもとに描いたセミフィクション『友人の話』
<あらすじ>
SNSで知り合い、オンラインゲームを通して仲良くなった佳奈子と小春。同じ年で同じ県内に住んでいたこともあり、実際に会うことになりました。
1年近く通話していたおかげで、二人はすぐに打ち解けることができました。しかし、小春は佳奈子に友人関係を築く上で理解しておいてほしいことがあったのです。それは、「私の心はとても繊細で傷つきやすい」ということ。何度も会っているうちに、佳奈子ともっと仲良くなりたい小春は、「自分の取説」について話します。
・大きい音を出さない
・他の友達の話をしない
・私を否定しない
・反対意見を言わない
…などなど。
佳奈子は小春の話を引くことなく真剣聞き、生きづらさを抱える小春を少しでも支えてあげようと決意します。しかしこの後、佳奈子は小春の細かな「自分ルール」に縛られていき、彼女と過ごす時間に息苦しさを感じ始めていいました。
そんなある日、佳奈子は共通の友人から小春の過去について話を聞きました。繊細で傷つきやすいと話していた小春でしたが、子どもの頃の彼女を知る友人の目からは、違った一面が見えていたのです…
「私の話も聞いてほしい!」フォロワーから恐怖の体験談が続々と
――『友人の話』はしばたまさんの交友関係をもとに「依存心の強い女の子」を描いたセミフィクションなのだそうですね。
しばたまさん:そうなんです。実は、これを描くのは本当に迷いました。描き方に気をつけないとすごく落ち込んでしまう人がいるかもしれないからです。
でも、当時私が感じていたようなことを現在進行形で体験し悩んでいる人も少なくないと思ったので、そういう人に寄り添えたらと思って描きました。
――今回のエピソードはしばたまさんご自身が体験したものですが、普段はSNSのフォロワーから寄せられた体験談を漫画化していますね。
しばたまさん:はい。自身の怖かった話を漫画に描いてみたら、コメント欄で「私も同じような経験しました」「私の怖い話も聞いてください!」というようなコメントがたくさん送られてきたんです。その時に、みなさんの体験を漫画にしてみたら面白いんじゃないかと思って描き始めました。
「ゾッとした体験」のほかにも、「ほっこりした体験」「スカッとした体験」「感動したお話」「キュンとしたお話」なども募集していますが、応募が多いのはやはり「ゾッとした話」で、全体の7割くらいを占めますね。
――「ゾッとした体験」をしたことのある人って案外多いものなのですね! 体験談をもとに描いた漫画はInstagramやXでも発表されていますが、しばたまさんにとってSNSはどんな場所でしょうか?
しばたまさん:気軽に意見や感想を聞ける場所だと思っています。私はもともと企業のインハウスデザイナーとして働いていたのですが、そのときは、なかなかお客様の感想を気軽に聞けるような場所がありませんでした。今は相互でコミュニケーションをとれるSNSが活動の場の一つであり、私にとって欠かせないものになっています。
――最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
しばたまさん:いつも読んでいただき本当にありがとうございます!! みなさんから反応をいただいてそれを養分に生きているので、めちゃめちゃ感謝しています。みなさんも何か体験談があったらしばたまに聞かせてください!(ゾッとした体験はしないよう祈っています)
***
これからは体験談漫画だけでなく創作漫画にも挑戦していきたいと語ってくださったしばたまさん。今後の活躍からもますます目が離せませんね!
取材・文=宇都宮薫
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